ゴブリン活性化事件~『本命』
「『光』よ!」
パリーの『魔法』が、戦闘開始の『鏑矢』となる。
「成程、あれが、噂に聞くチャンピオンとやらか。すると、さっきの怪力も頷ける。」
光量より範囲を重視した『光』に、照らし出された姿を確認できた。
「ひょっとすると、アムやBJ達は、陽動に引っ掛かり、わたくし共に、本命がやって来た。そう言う事ですわね。ウィル。」
「そう言う事だ。しっかり援護しなさい、パリー。」
恐らく、あちらは、雑兵ばかり。捨て駒でも構わない。そう言う考えの持ち主なのだろう。
人間性(?)は、兎も角、指揮官としては、無能にあらずか……
「かしこまりぃ。ちなみに、ホブが3匹おります。こちらを『操作』しますわ。ウィル。」
「それって、1匹操作して、1匹を不意討ちで倒し、残る1匹と相打ちって事か。」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「任せたぞ、パリー。」
そこに、砦から矢の雨が、降り注ぐ。『魔法』の明かりを頼りに、射撃しているのだろう。
「だが、まったく当たらないな。やはりと言うべきか、部隊練度不足は、否めない。」
「おっと、ここでホブゴブリン! 両手持ちの棍棒を振りかぶり、打ったぁっ! 打球が、ぐんぐん伸びる! 倒れた! ホームラン!」
などと言う無意味な指摘をする者などこの世界に存在しない。
「Gw……」
後頭部を、不意討ちで、ホームラン打ちされ、悲鳴を上げる暇も無く倒されたホブだった。
「ほぉ……後方で、仲間が、同士討ちを初めても、無視してこちらに来るか。……我こそは、ボヘミア王国自由騎士ウィリアム・ユーロックである。貴公、名を名乗りたまえ。」
樹木を盾にしつつ、『光』の範囲を大回りし、やって来たチャンピオンに話しかけた。
「Gw……Gurimurd……。」
「グリムード……か。良い名を持っているな。魔物にしておくには、惜しい。だが、ここから先は、通さない。引き返さないのなら、斬り捨てる!」
「GwwwwWahhhhhh!」
丸太を削ったような、武骨な棍棒を振りかざし、咆哮を上げるチャンピオン。
「こうなる事も、予想通りだな。なら! 馬上から失礼する! チャ……グリムード!」
さっきの痺れが、既にとれている事を、確認しつつ、シルバーを走らせる。
* * *
次回予告
第118話 ゴブリン活性化事件~グリムード
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