次の国~何やら不穏な雲行き
「しっかし、横柄な野郎だったな、さっきの衛兵。そう思わなかったか。相棒。」
ようやく、テイル王国への入国が許され、最初の街で宿屋兼酒場で、くつろいでいる。
「同感だ。だが、どうでもいい。今重要なのは、この街は、野菜の質がいまいちな事だ。濃い塩味のスープにして誤魔化しているつもりなんだろう。衛兵が、勧めた店のはずなんだがな。」
「あたいは、野菜嫌いだから、そっちの方が、どうでもいいな。相棒。」
「むしろ、トリニクのほうが、うめぇぜ。キノコのフウミが、よくあうぞ。ウィル。」
「鶏のムネ肉は、フォークで穴を開けてから、塩水に漬けると、仕上がりが良くなりますわ。そういう『ひと手間』が、重要なんですわ。で、気付いてますかしら。ウィル。」
「そう言えば、この店、夕食時なのに閑散としているな。何があった。」
「じき、分かりますわ。ウィル。」
「……只今宜しいでしょうか。ウィル様。」
「……構わないぞ、ミンゴ。が、宿に戻らず『遠隔通話』を使うとはどうした。」
「はい。実は、取り急ぎウィル様のご裁可を、頂きたい案件が、ございます。」
こうして、意外な話しを聞かされる羽目に陥った。
* * *
「……で、話しを聞くだけでは、何の事か分からないので、こうして現地に赴いた訳だ。だが、村には野菜の実りが、豊富なのに誰も働いて無いな。収穫して街で売ればいいのに。」
「おい、あそこ誰かが、山を登ってるぞ。相棒。」
「目がいいな。では、……『拡声』……。」
ちなみに、『拡声』とは、声を大きくする事も減衰する事無く、解くまで届ける『魔法』だ。『遠隔通話』と違って対象を取らない為、範囲内の全員に聞かれてしまう。
「道を尋ねたい。そこで、待っていてくれたまえ。」
この場合、密談では無いので、これで十分だ。
「あ、一瞬だけ止まったけど、また山を登っているぜ。相棒。」
「やむを得ない。他の村人か、民家を探そう。全員、いいな。」
ここで、ミンゴが、出現……したかの如く現れた。
「ウィル様、あちらに、民家と村人がおりました。」
「よし、案内しなさい。ミンゴ。」
ミンゴの案内で、村の中心部へと進む。
* * *
次回予告
第113話 次の事件~情報収集
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