インターミッション(1)-3
「この王国が、貧しい理由は何か。」
「そりゃ、搾取する奴がいるからだろ。相棒。」
「大陸の中央にある山脈と、海からの湿気を多数含んだ風のお陰で、山脈の南側は、雨の恵みが多い。しかも、山脈に降った雨は、山中の岩盤でろ過され、清涼な川となって海まで達する。」
「ですから、長年川の恵みを奪い合い……小領主が、生まれて消え、統廃合を繰り返してきた。そうですわね。ウィル。」
「そんな状況を受けた約150年前、それら小領主が、協議の上連合政権を樹立するに至った。が、誰を盟主にするかで、もめにもめた。」
「それって、1人の身元不確かな男を、王に祭り上げ、団結してできたのがこの国なんだろ。」
「その通りだ。よって、国王と言えど、直轄領は微々たるものだ。その為『権威』あれど『権力』無しと言う状況になった。それが、各貴族領の『搾取』を、顕著に常態化させている。」
私に言わせれば、大和朝廷と、足利幕府の悪い所を、併せ持っているに過ぎない。
「結果、困窮した民が、我が子を『売る』。未だに『違法』とされている『人買い』が、横行している背景ですわね。しかも、取り締まりは、遅々として進まない様ね。ウィル。」
「それで、『セカイセーフク』かよ。ウィル。」
「そこで私は、考えた。『この国を豊かにするにはどうすればよいか。』……答えは、簡単だ。『搾取する奴』を全て『粛清』し、『甘い汁』を『すすっている奴』から重税を搾り取る。」
「うわ、スゲぇ……そこまでいうヤツ、はじめてミタぜ。ウィル。」
「貴公らは、私の『国家改造計画』に参加してもらう。さしあたっては、『王位簒奪』からだ。そして、王国で成功したやり方を、モデルケースとし、同じやり方を全世界に広げる。」
「ん? サンダツってなんだ。ウィル。」
「そりゃな、王様をブッ殺して身ぐるみ剥ぐんだ。で、『今日からこの国は俺のもんだ!』って言うのさ。アム。」
「おお! さすがウィル! オレたちに、できないコトを、かんたんにヤル! そこに、ひかれる! あこがれるぅ!」
アムの「おし、わかったぜ。BJ。」は、「おお! さすがウィル! オレたちに、できないコトを、かんたんにヤル! そこに、ひかれる! あこがれるぅ!」と聞こえた様な気がしたが、きっと気のせいだろう。
某奇妙な冒険とも無関係に相違ない。
「いいか、私は残虐非道な殺人鬼では無い。『簒奪』に関しては、考えがある。誰か1人でも他人の血を、一滴も流す事無く成し遂げてみせよう。よって、差し当たっては……」
* * *
次回予告
第110話 インターミッション(1)-4
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