panic5「Q.ドロケイで天才が作ったチートアイテムを使うのはありですか? A.面白そうだからOK!」
お待たせしました。
時刻は午後一時四〇分。
昼休みを挟んでスゴロクは再開された。
あの下剋上ポーカーの後も色々なことがあったが、順位はさして変わらず一位は僕で二位に柿沢さんが付いている。
色々の中身は、アンラッキーマスに止まった神明君がその内容の為に、みんなに蔑みの目で見られたり。
陸原さんと神谷くんがデンジャーマスのお題故に、ガチバトルに発展しかけたりと。
中々に濃いものだった。
それ以外には………みんながウルトララッキーマスに止まって祖母特製のアイテムを貰ったことぐらいだ。
……多分これが一番重要な気がする。
因みに僕はまだ貰っていない(ウルトララッキーマスに止まっていない)が、みんなが貰ったアイテムを簡単に紹介しよう。
成山さんが貰ったアイテムは今季覇権アニメでもある、マジカル触手少女エルフちゃんの主人公エルフちゃんの本格コスプレ衣装だ。
魔法少女アニメの主人公なのだが、何故かエルフちゃんの武器は触手と言うのが最大の売りらしい。
しかし、祖母の作った物なので普通ではなく、本物と同じように着たものが自由に触手を操作することが出来る。
開発の仕方は企業秘密らしいが……明らかに天才の度を超えているのは確かだ。
陸原さんの貰ったアイテムはJET和服。
その名の通り飛ぶことが出来る。
燃料要らずで、最大二時間の飛行が可能。
コスプレ衣装と同じく、製造過程は不明。
神谷君の貰ったアイテムはオリジナル番長装束。
番長が着るような特攻服がモチーフになっている。
身体能力を少し盛り、銃弾さえ弾く防御力を得ることが出来る一品。
佐藤さんが貰ったアイテムは具現化メモ帳。
メモ帳に書いた、ある程度の無機物を具現化出来る。
製造過程は不明。
勇人が貰ったアイテムは軍手。
高性能な滑り止めが付いている軍手。
二回叩くと、粘着成分が出て壁にくっついたりすることが可能。
神明君の貰ったアイテムはAero。
ドローンの進化系、プロペラではなく風を使って飛ぶもの。
半径五〇〇メートルまで操縦可能。
飛行可能時間は一時間弱で、ドローンと同じくカメラレンズも付いていて飛行してる場所の状況も確認出来る。
町博君が貰ったアイテムはアンドロイド。
町博君と瓜二つのアンドロイド。
受けた命令を忠実に遂行する。
電気で動いており、一回の充電で最大二日間動ける優れもの。
リーバさんが貰ったアイテムは催眠鍵盤ハーモニカ。
音色で人を操ることが可能。
最大でも一人まで、精神力が強い者には効果がない。
柿沢さんが貰ったアイテムは予測眼鏡。
一分間対象とする人物をレンズ内にて観測。
その後、対象の次の動きを何十パターンに渡り予測し最適解を算出する。
言わば未来予測眼鏡。
これがみんなのアイテム。
僕のアイテムはどうなるのか……出来るなら安全かつ便利な物が良い。
この考えの数分後に、僕の想いはいつものように壊される。
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「……この瓶に入っている錠剤はなに?」
ウルトララッキーマスに止まって、僕が貰ったアイテムは瓶に入った錠剤。
三種類あり、それぞれ違う瓶に入っている。
水色の錠剤とピンク色の錠剤、最後に薄紫色の錠剤。
ラムネにも見えるが入れてある瓶は、よく風邪薬などが入っている小さなモノなので違うと直感的に感じた。
と言うか、みんなに配ったアイテムを考えると、そんなのウルトララッキーマスに止まったアイテムとして渡す物ではないと分かる。
「ふっふっふ~、教えて上げよう!水色の錠剤は、服用者の脳の情報処理速度と動体視力を十倍まで跳ね上げてくれる。ピンク色の錠剤は、服用者の筋力や脚力を三倍に跳ね上げてくれる。最後に、薄紫色の錠剤は潜在能力開放剤って言って、服用者に秘められている潜在能力をすべて引き出すものだよ!まぁ、有体に言うと脳に掛かってる安全装置を取っ払う薬かな?」
ごめん、僕のが一番チート臭かったわ。
柿沢さんのチートじゃんと思ったけど、僕の奴も十分チートだった。
「効果時間はどれくらいなの?」
「ああ、水色とピンクが五分で薄紫色のヤツが一分だよ。流石に、無制限だと体に負荷が掛かり過ぎて死ぬからね」
「サラッと怖いこと言わないでよ……。因みにどれくらい入ってるの?」
「水色とピンクが五〇錠で薄紫が三〇錠。もっと大量に作ろうと思えば作れたけど、面倒くさかったからね。……そうだそうだ!言い忘れる所だったけど、どの錠剤も一気に飲んでいいのは三錠までだよ?潜在能力開放剤は一錠より多く飲むと最悪本当に死ぬからね?」
この人は、僕に対してなんてものを渡してくれるんだ!
一歩間違えれば即死亡じゃないか‼
僕の意見の視線を無視し、祖母はみんなに向かって話し始める。
「全員がウルトララッキーマスに止まったから、これからミニゲームを開催しま~す。やるのはドロケイで、泥棒が六人の警察が四人。勝利条件は三十分以内に警察が全員泥棒を捕まえるか、泥棒が一人でも逃げ切るか。勝ったチームには次のターンのサイコロのを二倍にするボーナスがあるから、一気に逆転も出来るよ!頑張ってね~」
そう言うと、それぞれに小さな紙が渡される。
僕が貰った紙には警察の絵が描かれているため、恐らく警察なのだろう。
みんなが自分のチームを確認してる間に、祖母はちゃっかりと何処からともなく持ってきた牢屋を体育館の真ん中に置く。
某逃走するテレビ番組に出てくるものと同じものだ。
牢屋の前に警察と書かれたサークルが浮かび、体育館の出口付近に泥棒と書かれたサークルが浮かんでくる。
そこに集まれと言うことなのかな?
何となく祖母の伝えたいことは分かるので、サークルの中に入る。
警察チームは、僕・陸原さん・神明君・佐藤さん。
泥棒チームは、勇人・神谷君・成山さん・リーバさん・町博君・柿沢さん。
今のスゴロクの進み具合は、トップの僕がゴールまで三十マスを切った所。
今回の戦いで勝てば、大きな差を作ることが出来るのは確実。
負けたくはない。
「それじゃあ、泥棒が逃げた一〇分後にドロケイ開始。五分間は作戦ターイム♪」
祖母の言葉を皮切りに、僕たちの作戦会議は始まった。
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呼び方は全国的に多いのがケイドロ(警察と泥棒)であるが、ドロケイ(主に首都圏での呼び名)の他にも、ドロジュン(泥棒と巡査)、ジュンドロ、ドロタン(泥棒と探偵)、ヌスタン(盗っ人と探偵)、タンヌ(探偵と盗っ人)、ドロジ (泥棒じいさん)、悪漢探偵、タンテイ(探偵)、探偵ごっこ、助け鬼(捕まった人を助けるから)など様々である。
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今回の作戦は……
「取り敢えず、佐藤さんが探すのはこの体育館がある特別棟。神明君はAeroを使って校内全体を牢屋前で捜索、佐藤さんが出してくれたトランシーバーで僕と陸原さんに報告。そして、僕と陸原さんは管理棟とHR棟の捜索。こんな感じで良い?」
「別にいいでござるが、信濃川殿や陸原殿は大丈夫でござるか?」
「そうだよ、蓮ちゃんや信濃川さんの捜索範囲凄く広いよ?」
佐藤さんや神明君が言う通り、この学校は無駄に大きい。
全体的に見るとカタカナのクの字の形をしている。
クの字の左側の垂れている部分は特別棟、一階と二階は体育館で三階が体育会系の部室。
屋上に透明なアクリルの板で覆われたプールがある。
クの字の横線の部部に当たるのが管理棟、四階建てで一階に職員室と保健室と調理実習室、二階が物理実験室に化学実験室と社会科講義室、三階が美術室に音楽室とコンピューター室、四階が視聴覚室と被服室に図書室。
うちの学校は基本的に教科の管理室はなく、職員室が広く取ってその用量をなしている。
一様、今言った通りの順番に並んでいる(左から)。
クの右側の垂れている部分がHR棟、四階建てで主に各学年の教室がある。
一年の教室が四階、二年の教室が三階、三年の教室が二階、一階には生徒相談室と進路指導室に生徒会室がある。
言い忘れていたが、一年の階以外にも空き教室がある。
主に各教科の資料が置かれている物置のようなものだ。
……こう考えると、流石に広いかな?
いや、広いな。
でも、あんまり運動が得意でもない佐藤さんに管理棟やHR棟を探してもらうより、特別棟を探した方が良いと思ったからこうしたんだけど……もしかして失敗だったのかな?
陸原さんはどうだろう。
「陸原さんはどう?僕としては、この作戦が一番勝率が良いと思うんだけどさ」
「英人の作戦が無難だろう。第一、朝日は運動が得意という訳でもない。神明もそうだ。なら、朝日には特別棟だけを見てもらった方が良いと、私は思う」
「蓮ちゃんが言うなら……」
「拙者も、お二人がそれで良いと言うなら特に止めることはないでござるが…」
「じゃあ、この作戦で行こう!」
向こうも作戦会議が終わったのか、逃げ始めている。
祖母が出したタイマーには、後九分程でドロケイ開始。
追加ルールとして、五分毎に泥棒が居る場所を放送で流すらしい。
そして、今学校に居るのは僕たちD組の生徒だけとも……
何でも、これを行うために今日の他のクラスの授業は午前で終わらせたとのこと。
スゴロクの最中でこうなることを、祖母は最初から予想してたと思うと少し怖かったがいつものことなので気にしないようにした。
独り言だが、今日の午後の分の授業は土曜日に学校に来て行うという流れになっていたので、流石に申し訳なさが湧いてきたりした。
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ドロケイを開始して三分が経過した。
僕が居るのはHR棟一階、ピンクの錠剤を飲みダッシュで来たので三分と言う短い時間でここに到着することが出来たのだ。
一つ一つの部屋を念入りに探す、と言ってもそこまで念入りではなく隠れられそうな場所を探す程度。
一階に居ないことを確認し、二階に行く。
この時点で五分をオーバーしたのか、スピーカーから祖母の声が聞こえてくる。
「一回目の放送で~す。成山さんと勇人っちはHR棟の一階と二階の中間らへんで、春凪君は管理棟一階の職員室。三階のコンピューター室に町博君で同じく三階の音楽室にルエル。柿沢ちゃんは特別棟の三階に居るよ~」
柿沢さんの場所をぼかしたのは……流石にゲームバランス的な問題だろう。
最初は成山さんと勇人から狙おう!
「階段、階段……あれ?」
一階と二階の中間らへん?
この意味的に階段だと思ったんだけどな……あっ!?
「そうだ!勇人のアイテムはあの高性能な軍手!」
急いで階段から一番近くの生徒会室に入り、窓から上を見上げる。
そこには二階の窓から3-Aの教室に入ろうとしている勇人の姿だった。
僕自身も窓の縁に足を掛けて垂直飛びで、二階の窓の縁を掴みよじ登っていく。
筋力・脚力強化の効果時間過ぎていて、飲んでいる時間が惜しかったため自力でやったが……自分の身体能力の高さに少し驚いた。
(僕ってこんなに運動できたっけ?……今はいいか、二人はっと…)
二人は僕が追って来たことに驚いているのか、目を見開いていた。
「おいおい、それはないだろ!」
「凄いですね、信濃川くんは……」
「アハハハハ、驚かせたのは悪いと思うけど。二人には出来ればここで捕まって欲しいかな?」
「それは無理」
「私もですかね。簡単には負けたくありません」
ポケットの中からピンクの錠剤が入った瓶と水色の錠剤が入った瓶を取り出す――
ことはせず、予め口内に入れて飲まないようにしていたピンクと水色の二錠を飲む。
すると、視界に映る光景が全てスローモーションのように遅くなっていく。
(流石おばあちゃんだな。副作用が全くない)
最初の一錠も、今回の二錠一気飲みも、特に副作用らしい副作用はないのだ。
祖母の天才さには呆れの感情と尊敬の感情が同時に湧いてくる。
僕の考えはさて置き、遅くはあるが徐々に触手が迫ってきた。
触手一本一本の太さは、一般的な人の腕とそう変わらない。
だが、量が多いのだ。
今来てる触手だけでも、十本近くあり避けるのは困難に見える。
けれど避けることはせず、僕は目の前に来た触手の一本を掴み引きちぎった。
「嘘?!設定と同じだったら腕力が五〇キロ弱ある筈なのに、それをあっさり引き千切るなんて!」
「マジか、成山さんここは逃げた方が良い。捕まるのは不味いでしょ」
「ええ、そうですね。逃げましょう」
「それ、多分無理だよ?」
今の僕は多分、やろうと思えば一〇〇メートルを五秒台で走れるほどの脚力がある。
それから逃げるのは至難の業。
二人が教室のドアから出る前に、そっと方にタッチする。
すると、放送が鳴った。
「は~い、成山さんと勇人っちアウトー!あっ、ルエルと町博君もアウトになっちゃった。残り二五分にして四人確保。これは痛いね~、泥棒チーム側はどう出るのか?楽しみだね~♪」
「まさか、リーバさんと町博まで捕まったのか……」
「結構厳しい状況になってしまいましたね。どうしましょうか……」
「陸原さん、やってくれたのか」
陸原さんは管理棟で捜索をすると言っていたので、捕まえられるかもしれないと思っていたが……
この短時間で、二人揃って捕まえるなんて。
どうやったんだろう?
考えられるのは、リーバさんと町博君が逃げた先が偶然一緒で、そこに運悪く陸原さんが来たって感じのパターンだ。
逆にそれ以外だと、あんまり思いつかないな。
けど、まだ油断は出来ない。
捕まっていない神谷君と柿沢さん。
二人は間違いなく強敵だ。
簡単に捕まえられるとは思わない方が良いだろう。
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神谷君が捕まった。
二回目の放送の時に、管理棟二階の被服室に居たことが分かり僕と陸原さんの二人で挟み撃ちにしたのだ。
残るは柿沢さん。
だけど……残り五分を切るまで彼女が見つかることはなかった。
放送の場所の近くを出来る限り捜索したが、柿沢さんのかの字も見当たらない程だったのだ。
見張りを神明君に任せ、僕と佐藤さんと陸原さんの三人で捜索を行う。
今ようやく、僕は彼女を見つけたのだ。
特別棟の屋上プールにて、
「見つけたよ、柿沢さん」
「あらら~、見つかっちゃったかな。流石英人っちだね」
「別に、運が良かっただけさ」
そう、運が良かっただけだ。
偶々、残り五分の放送時に三階の階段付近に居てここに来られただけ。
他二人は今向かっているが、恐らく間に合わない。
このドロケイに決着を着けるために、そっと薄紫色の錠剤が入った瓶をポケットから取り出す。
蓋を開けて、一粒取り出し服用する。
効果時間は一分。
あっちは、こちらをレンズに捉えてから約四十秒。
まだ勝機はある、一か八かの賭けに出る!
「行くよ!」
その言葉を最後に、僕はプールを挟んで反対側に居る柿沢さんの方に向かう。
ジャンプしたら避けられる、だったら……水の上を走ればいい!
彼女も、この行動には動揺したようで回避が遅れる。
その隙を逃さず、必死に手を伸ばして……
「へっ!?」
ドロケイは、彼女のこんなアホっぽい言葉で幕を閉じた。
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ドロケイが終わった後一時間ほどで、スゴロクも終わった。
時刻は三時十五分。
丁度六時間目が終わる時刻だった。
気になる順位は………
「おめでとう佐藤さん!」
「ど、どうも」
佐藤さんだ。
警察側のみんなが二や三などの小さい目を出す中、佐藤さんの目は六で二倍ボーナスの恩恵で十二。
追いついてきた佐藤さんは、その後も四や五や六などの大きい目を連発。
大逆転勝利となったのだ。
それ以外の順位は以下の通りである。
二位・僕。
三位・柿沢さん。
四位・リーバさん
五位・神明君
六位・陸原さん
七位・勇人
八位・町博君
九位・神谷君
十位・成山さん
どうにも、成山さんはこういうゲームに弱いのか出目が相当小さかった。
今回出た目で一番大きいのが四と言っていたので、お察しと言うヤツだろう。
僕たちの一日は過ぎていく。
明日からどうなるのか、憂鬱な感情とどうなるか分からないドキドキが同時に来るのは、僕だけではないと思う
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スゴロクのゲームの翌日、私たち1-Dのクラスのみんなは信濃川さんの家に来ていた。
余り大きくは見えない、二階建ての一軒家。
東京で一軒家が持ててるだけ凄いと思うのだが、どうにも夏先生と信濃川さんが住んでるとは思えない。
何と言うか……豪邸に住んでいるイメージがあった。
「着いたな」
「久しぶりに来るな~夏先生の家」
「拙者たちは、リーバ殿や浅野殿以外は初めてでござるな」
「そうだな」
『当たり前だ』
「でも、信濃川君が住んでるとは思えないです」
「うんうん、英人っちや夏っちが住んでるのはもっと凄い豪邸だとかだと思ってたよ」
「私もです」
「そうか、俺はそうは思わないけど?」
「そりゃあ、勇人はよく家に来てたからね。外で話すのは悪いし、みんなも早く中に」
そう言った、案内されるがままに信濃川君の家に入っていった。
家の中も一般家庭とそう大差なくて、高級な壺とか絵画とかは飾ってなかった。
あくまで普通の家だ。
今日集まったのには意味がある。
……みんなの仲を深めるためだ!
「まさか佐藤さんが積極的にこんなこと言うなんて、僕はてっきり勇人かリーバさん辺りが言ったのかと思ってたよ」
「すいません、態々お邪魔せて貰ったのに内容がこんなことで……」
「別に大丈夫だよ。それにしても仲を深める方法か……名前で呼ぶとか?女子のみんなは呼び合ってるわけだし。その方が団結してる感じがするんだけど?」
「おお、良いなそれ」
「私もそれで構わないな」
「私も特には」
「私も全然オッケーだよ♪」
「私も~、て言うかもう既に呼んでるけど」
「私も大丈夫です!」
「俺も良いぞ」
「拙者も異議なしでござる」
『僕は何でもいい』
案外要件は早く終わり、この日はみんなで英人君の家で遊んでいった。
大勢で遊ぶのは凄く楽しくて、年甲斐もなく時間を忘れて遊び耽った。
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クラスシャッフルからのサバゲー、スゴロクを終えて。
その後の三日間は何もなく過ごした。
その後の三日間は……だが。
金曜の学校終わり、あるプリントが配られるまでは……
その手紙には、
『無人島旅行のしおり………期間四月二七日~五月一日』
明日からじゃん‼‼
何なんだよ無人島旅行って!?
高校生が行くものじゃないよ?!
……最悪だ、普通の学校生活が遠ざかった――
無人島での四泊五日の旅行が、始まろうとしていた。
次回もお楽しみに!
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