32 ほんとうのねがい
「え、えっと。その……」
あーくんは突然の出来事に頭が混乱していました。
それに、久しぶりにこぐまさんとくらげさんに出会ったのでどう話していいか分からなかったのです。
「旦那……」
「あーくん……」
こぐまさんとくらげさんは瞳に涙を貯め、震えています。
「ごめんな!」
「ごめんなさい!」
あーくんはまた自分が何かしたのだろうかと心配になりましたが、そうではなく、二人はあーくんを抱きしめていました。
「え……?」
あーくんはどういうことか理解できず、放心状態になっています。
しかしそれもすぐに気づいたのか、あーくんは悲しそうな声で呟きました。
「みんな、あーくんのせいでごめんなさい……。あーくんのせいで、喧嘩して……」
「ううん、いいの……。全部こぐまのせいだから」
「おい! なんでそうなるんだよ!」
「べー、だ。こぐまには分からなくていいし」
「なんだと!?」
またもやこぐまさんとくらげさんによる喧嘩が始まりました。こうもなると、なかなか止めることはできません。
「静かにせぬか!」
二人の喧騒をかき消すかのように、鶴の一声で辺りはしんと静まり返ります。
「ご、ごめんなさい」
「ごめんなさい」
くらげさんとこぐまさんは二回目の『ごめんなさい』を言い、少しは落ち着くことができました。
「……ごほん。私も強く言い過ぎたよの、すまんかった。そして……星に選ばれし子よ」
お星さまがあーくんに向けて手招きをするので、あーくんはお星さまの方へ向かいます。
「褒美をやろう。こぐまとくらげの闇を消した、ほんのお礼。我が星の祝福よ」
お星さまが手をかざすと、あーくんの頭の上から小さな星がいくつも降りてきました。
幻想的な光景に、あーくんはうっとりします。
「さぁ星の子よ。真の願いを告げるがよい」
「願い?」
「そうだ。お前が心から願う、本来の願望を。お前の望むままに」
あーくんはしばらく考えました。お願い事はたくさんあるのですが、やはり本当の願いは一つしかありません。
「みんなと、家族になりたい。こぐまさんも、くらげさんも。もちろん、お星さまも」
お星さまは目を見開き、その瞳から涙がきらめいたのは一瞬でした。
お星さまは目を伏せましたが、やがてゆっくりと目を開いて穏やかな笑みを見せます。
「あいわかった。その願い、聞き入れようぞ」
そこから先の毎日は、あーくんにとって夢のような時間でした。
これにて今年の執筆活動は終わりです!2018年、ありがとうございました…!よければ私が書いている他の小説も読んでくれたら嬉しいです!次の更新は来年の1月2日以降になります…!完結まであともう少し 2018.12.29




