26 きびしいことば
「っ……うっ、ぐすっ」
あーくんは走り疲れてへたりこみました。流れ落ちる涙を、必死であーくんは拭います。
「どうした。こぐまを助けるのではなかったのか」
そんなあーくんの近くに、お星さまが現れました。
「お星さま……」
あーくんはお星さまが助けてくれるのかと思いましたが、どうやらそうでもないようです。
「なぜこぐまを見放したのだ!」
お星さまが渇を入れて、あーくんに厳しい言葉を投げかけます。
「う……」
あーくんの瞳にはどっぷりと涙があふれていました。いつ弾けてもおかしくはありません。
「そうだよぉ。こぐまを傷つけるなんてさいてー」
振り返ると、あーくんの後ろにはなぜかくらげさんがいました。
くらげさんもこぐまさんをかばい、あーくんに怒りをぶつけます。
「そうだ、そうだ! なんで……。なんでオレを一人ぼっちにするんだよ!」
「旦那ぁ!!」
こぐまさんの叫びとともに、こぐまさんは膝から崩れ落ち鼻をすすりながら嗚咽をもらします。
くらげさんはこぐまさんに寄り添い、お星さまも少し悲しげな顔でその光景を見つめていました。
あーくんにはなんとも言えない気持ちがこみ上げてきます。
それは喉につっかえましたが、無理やりあーくんは飲み込みました。
「大丈夫だよ」
ふと顔をあげると、あの紺色のカーディガンを着た男の人がいました。
「こっちへおいで」
男の人はあーくんに優しく手を差しのべます。
暖かい光と木漏れ日が差し込むような心地よさに、あーくんは目をぱちくりさせました。
「わかった」
あーくんの答えに応じるかのように、一瞬で周りの世界が変わりました。
ショッピングモールは大きな木がある丘に変わり、サンタさんはどこにもいません。
「ちょっとだけ、お話しようか」
そう言って、男の人は穏やかに笑いました。




