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あーくんあのね、きょうね。  作者: 吐 シロエ
ねがいとぼうけん
25/38

25 ねがいとなみだ   

「ねぇ、お兄ちゃん。ぼくと友達になってよ……」


「お願い……」


 小さなこぐまさんは震える手であーくんの手をつかみました。


 自分よりも小さいこぐまさんの手があーくんの手に重なります。


 そして幼いこぐまさんが寂しがり屋な性格だったことに、あーくんはびっくりしました。


「え、えと」


 突然のお願いとこぐまさんの姿に、あーくんは戸惑います。


「なんで? なんでぼくのお願い聞いてくれないの……?」


「それは」


「なんで、ねぇなんで?」


 小さなこぐまさんの顔が怖くなり、あーくんの手をつかむ力もだんだん強くなっていきます。


「お兄ちゃんは、ぼくの友達だよね?」


 一瞬だけあーくんの瞳には、こぐまさんの顔がとても悲しく見えました。


 一人ぼっちの涙が。孤独の寂しさを負った背中が。


「いやっ!」


 それでもあーくんには怖いこぐまさんの方が勝っていて、こぐまさんの手を振り払います。


 何も言わずにあーくんは走り去っていきました。怖くてたまらなかったのです。


 絵本で見たお化けよりも、顔から湯気が出るほどお母さんを怒らせたときよりも。


「なんで……?」


 小さいこぐまさんは膝から崩れ落ちて、涙を流しました。信じられないといった様子です。


「痛いよ、つらいよ……」


 こぐまさんの悲痛な呟きは、むなしくも消えていきました。

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