24 かかえきれないやみ
「おもちゃ屋さんだ……!」
あーくんが行き着いた場所は、数年前のショッピングモールにあるおもちゃ屋さんでした。
そのおもちゃ屋さんであーくんはことごとくお世話になり、迷子やおねだりなんかはしょっちゅうです。
「でも、ここに何があるのかな」
周りを見ればクリスマスシーズン真っ盛りで、右も左もひげを生やしたサンタさんが大勢いました。
サンタさんたちは喋るぬいぐるみや最新のゲーム、おもちゃを手にとっていきます。
「サンタさんって、本当にいるんだ!」
絵本で見た光景とは少し違いますが、やはりサンタさんがいてあーくんは安心しました。
「わぁ……!」
あーくんには大事な使命があるのですが、本人はすっかりそれを忘れていてサンタさんに夢中です。
「寂しいよ……」
そんな時、誰かの声があーくんの頭のなかに流れ込んできました。
「え?」
あーくんは辺りを見渡しますが、誰もあーくんに話しかけた人はいません。
「悲しいよ……」
耳をすませてみると、その声はぬいぐるみから聞こえてきました。茶色の毛につぶらな黒い瞳、真っ赤なリボンが目立つ『こぐまさん』です。
小さな子供が泣いていました。茶色の短髪に新品の白いシャツ、真っ赤なリボンに黒い短パンをはいてます。
小さいこぐまさんは、震えていました。
「誰か、ぼくと友達になってよ……」
小さなこぐまさんは、小柄な体型に抱えきれないほどの闇を抱えています。
こぐまさんの涙は、ぽろぼろと止まりません。
「こぐまさん……?」
あーくんは、小さなこぐまさんを見つめることしかできませんでした。




