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あーくんあのね、きょうね。  作者: 吐 シロエ
ねがいとぼうけん
24/38

24 かかえきれないやみ

「おもちゃ屋さんだ……!」


 あーくんが行き着いた場所は、数年前のショッピングモールにあるおもちゃ屋さんでした。


 そのおもちゃ屋さんであーくんはことごとくお世話になり、迷子やおねだりなんかはしょっちゅうです。


「でも、ここに何があるのかな」


 周りを見ればクリスマスシーズン真っ盛りで、右も左もひげを生やしたサンタさんが大勢いました。


 サンタさんたちは喋るぬいぐるみや最新のゲーム、おもちゃを手にとっていきます。


「サンタさんって、本当にいるんだ!」


 絵本で見た光景とは少し違いますが、やはりサンタさんがいてあーくんは安心しました。


「わぁ……!」


 あーくんには大事な使命があるのですが、本人はすっかりそれを忘れていてサンタさんに夢中です。


「寂しいよ……」


 そんな時、誰かの声があーくんの頭のなかに流れ込んできました。


「え?」


 あーくんは辺りを見渡しますが、誰もあーくんに話しかけた人はいません。


「悲しいよ……」


 耳をすませてみると、その声はぬいぐるみから聞こえてきました。茶色の毛につぶらな黒い瞳、真っ赤なリボンが目立つ『こぐまさん』です。


 小さな子供が泣いていました。茶色の短髪に新品の白いシャツ、真っ赤なリボンに黒い短パンをはいてます。


 小さいこぐまさんは、震えていました。


「誰か、ぼくと友達になってよ……」


 小さなこぐまさんは、小柄な体型に抱えきれないほどの闇を抱えています。


 こぐまさんの涙は、ぽろぼろと止まりません。


「こぐまさん……?」


 あーくんは、小さなこぐまさんを見つめることしかできませんでした。

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