23 まきもどるとけい
昨日の分の投稿です…!眠気には勝てませんね…
あーくんが目覚めた場所は、とてもシンプルな場所でした。
家具は何もなく、クリーム色の壁と新品の床が広がっています。
そんな部屋に、あーくんのポケットから針の刻む音が聞こえてきました。ある日、白ウサギからもらった金色の懐中時計です。
「これって、うさぎさんからもらった……」
あーくんはポケットから懐中時計を取り出して、ふたを開けました。時計は秒針を回っていき、時刻を知らせるだけでした。
「そんなぁ……」
何かヒントを得られると思っていたのですが、現実はそう上手くいかず時間が過ぎるばかりです。
「くらげさんと約束したのに、これじゃあハリセンボンなの……」
あーくんが言いたかったのは、『嘘ついたら針千本飲ます』の約束言葉でした。あーくんはそれをよく間違えてしまいます。
「どうしよう……。どうしたらいいの?」
「あーくん、わかんないよ……」
あーくんが泣き出しそうな時でした。突然、懐中時計が輝き、針が物凄い速さで半時計回りに回っていきました。
見れば、周りの景色もみるみるうちに変わっていきます。
あーくんが産まれた日。お父さんとお母さんが結婚した日。そして、あの時出会った紺色のカーディガンを着た男の人もいました。
「あの人は……!」
あーくんは目を見開くと、男の人はあーくんに向かってにこりと微笑みます。
「やぁ、また会ったね」
あーくんが口を開く前に、男の人は『気をつけて』と言っているように見えました。
あの男の人の顔が、少しだけ悲しそうだったからです。
「だいじょうぶ。今からあーくんが、こぐまさんを助けるから!」
そう言って、あーくんは光に包まれて消えていきました。




