21 そっくりなひと
「んん……。ここは、どこ……?」
あーくんが暗闇から目覚めた場所は、現実の世界でした。
しかし、今立っている場所はあーくんののどかな町ではありません。そこらじゅうに人と文字が飛び交う、都会の最先端でした。
アルトとライムに出会った街だとあーくんは思いましたが、それとはまた違います。人々は横断歩道を歩き、首を曲げてスマートフォンを食い入るように見つめています。
「……みんな、夢中なんだ」
あーくんは悲しいような腹立たしいような、なんとも言えない気持ちになりました。
もっと楽しいことがたくさんあるのに、人々は一つの小さな機械に縛られています。
「それでさー……」
「おう」
ふと、あーくんを横切るように二人の学生が通りました。
なんと、その学生はくらげさんとこぐまさんにそっくりだったのです。
「え!?」
あーくんは思わず声をあげました。しかし、二人には聞こえていないのか、そのまま歩きながら会話を続けます。
「アバター作ってみたんだけど、どうかな?」
「まぁ、いいんじゃねぇの」
二人の後をついていき、あーくんはこっそりとスマートフォンを覗きこみます。
「くらげさん……?」
液晶画面のなかには、くらげさんがふよふよと浮いています。
「どういう、こと?」
頭のなかで考えているうちに、あーくんは電子の世界へと放り込まれていました。
「え……?」
くらげさんらしき女の子は、悲しそうな笑顔を浮かべてにへらっと笑いました。
「……こんにちは。あーくん」




