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あーくんあのね、きょうね。  作者: 吐 シロエ
ねがいとぼうけん
20/38

20 なみだとやさしさ

 あーくんはいつの間にか、暗闇のなかで走り続けていました。大声をあげて泣き、疲れてへたりこみます。


「やっぱり、大人なんてきらい……! くらげさんのバカ!」


 あーくんが叫ぶと、声が暗闇の世界に響きました。


「みんな、あーくんのことなんか……わかってくれないんだ……」


 そしてしばらくすると、あーくんはまた泣き始めました。


 こぼれ落ちる涙がお星さまの欠片となり、人間の姿をしたお星さまがあーくんの前に現れました。

 

「うるさい小僧よの。おかげで目が覚めたわ」


「え……?」


 降りかかる声にあーくんは顔を上げました。


 その人はまごうことなき美少年で、金色の短い髪に真っ白なローブ。まつげの長い青い瞳はとても神秘的です。


「特別に名を教えてやろう。私はお星さまだ。単なる星の集合体、どんな願いも叶えることができる」


「まさに神と言っても不思議は無いわな、小僧?」


 お星さまはおじいさんのような口調で、あーくんに語りかけます。


 あーくんはどう反応すればいいのか分からず、ただうなずきました。


「よきかな。では小僧、お前の悩みを聞いてあげてもよい。私は広い心を持っているからな」


「悩みがあるのだろう? さぁ、この私に話しておくれ」


 お星さまは優しく微笑み、あーくんのそばに腰をかけます。


「うん……」


 うつむくあーくんが話しかけるまで、お星さまは待っていてくれました。


「あのね、あーくんね、ひどいことしたの……」


「あぁ、知っておる。くらげに強く当たってしまったのだろう。思う存分泣くがよい。その方が、心が晴れ晴れとするからな」


「うっ……うわぁぁん」


 お星さまは、あーくんを優しく抱きかかえます。


 あーくんは気が済むまで泣き、吸い込まれるように眠りにつきました。


「……。酷なことだが、これもまた現実よ」


 しばらくして、お星さまはあーくんに魔法をかけました。


 こぐまさんとくらげさんの悲しい心の傷を、見ることになるのです。


 辛くて悲しい、一人ぼっちの過去を。

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