17 しょうり!
こぐまさんとおおかみさんが戦うのを知って、あーくんの心は不安になってきました。
二人が怪我をしないだろうかとか、もしものことがあったらどうしようなんて心配も。
「あーくん、不安なの……」
「大丈夫だってぇ」
涙目になりそうなあーくんの頭を撫でてくれたのは、くらげさんでした。
いつもはのんびりしているくらげさんですが、くらげさんは時にこうしてあーくんを励ましてくれます。
「そうだぜ、旦那! オレは大丈夫だ! だから……」
「オレが旦那の本当の相棒ってことを、おおかみに証明させてみせる!」
「弱いやつほどよく吠える、って言うけどね」
「なんだと!?」
おおかみさんがこぐまさんを煽ると、こぐまさんはその言葉に噛みつきました。
二人の視線の間に雷がほとばしりそうなほど、ばちばちとした空気があーくんに伝わってきます。
「でりゃあっ!」
「はあっ!」
そしてしばらくの間が過ぎると、おおかみさんとこぐまさんは同時に地面を蹴りました。
あまりの素早さに、あーくんは二人を一瞬見落としてしまいます。
「どこ? どこ?」
あーくんがあせって周りを見ていると、くらげさんが「ここ」と指をさしました。
こぐまさんとおおかみさんは攻防を繰り返し、パンチや蹴り技などといった武器を使わない戦いをしています。
「ぐっ……くそっ」
「これじゃあ、なす術もないだろうな」
しかし、やはり狼人間だからでしょうか。おおかみさんの方が、圧倒的に体力や攻撃力が勝っています。
こぐまさんはどんどん追い込まれ、ついに壁へと吹き飛ばされてしまいました。
「ぐあっ!」
「こぐまさん!」
あーくんはこぐまさんの元へと駆け寄ります。こぐまさんには全身に傷ができ、血ではなく綿が少しだけ出ています。
「旦那……すま、ねぇ」
「こぐまさん……」
こぐまさんとあーくんのやり取りを見ていたおおかみさんは、冷たい目で鼻で笑いました。
「もう終わりなのか? 残念だな」
「っ……ぐすっ」
あーくんは悲しくて、悔しくて、涙がほろほろと流れてきました。
すると、こぐまさんと出会った頃のように涙がお星さまへと変わっていきます。
「こぐまさんはあーくんの友達で、ずっと一緒って約束したの……! だから、こぐまさんを助けて!」
お星さまはあーくんの願いに答えるように光り輝くと、やがて消えていきました。
「どういうことだ……!?」
おおかみさんが気づいたときにはもう遅く、おおかみさんの顔面にこぐまさんの蹴りが炸裂しました。
おおかみさんは吹き飛ばされ、目を回して伸びています。
「はっ、どんなもんよ」
「おめでとー」
「おう、ありがとな」
こぐまさんはくらげさんの頭を撫でると、くらげさんはにへらっと笑いました。
「オレたちの勝利だ!」
こぐまさんは拳を高く挙げ、あーくんたちも「おー!」と戦いの祝福をします。
あーくんの相棒は紛れもなく、こぐまさん。そう決まったのですから。




