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あーくんあのね、きょうね。  作者: 吐 シロエ
ねがいとぼうけん
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15/38

15 どきどきはらはら

昨日の分の投稿です…!最近寝落ちがひどいので、自動投稿も検討しています…!

「いくぜ旦那、くらげ! ハイパースーパージャンプ!」


「きゃー!」


「わぁー」


 掛け声とともに、こぐまさんがベッドへとダイブします。そして、あーくんとくらげさんはその反動で跳ね上がりました。


「あははっ! ねぇ、もう一回して!」


「ぼくもー」


 あーくんとくらげさんにお願いされたこぐまさんは、ノリノリでもう一度ダイブします。


「よっしゃ! そういうことなら、オレは飛ぶぜ!」


「きゃーっ、あははっ」


「ぼよーん、ぼよぉーん」


 三人の笑い声と笑顔が、あーくんの部屋に満ち溢れます。


 一階のリビングでは、うとうとしていたお母さんが浅い眠りから覚めました。


「もう、またあの子ったら……」


 あーくんの部屋は二階にあるのですが、お母さんがいるところまであーくんの笑い声が聞こえます。


 お母さんはあーくんを少し注意しようと、二階の階段を上がっていきました。


 その音に気づいたこぐまさんは、素早くあーくんとくらげさんに指示をします。


「おい、旦那の母さんがこっちに来るぞ!」


「うわお」


「えっ、えっ? なあに?」


 いまいち話についていけなくて、あーくんは混乱しました。それでも、こぐまさんとくらげさんは隠れる準備をします。


「隠れろ!」


「一旦どろんー」


 そう言って、こぐまさんは本来のぬいぐるみに。くらげさんはどこかへ消えていきました。


「あっ、みんな……!」


 階段のきしむ音が聞こえます。あーくんは怖くなって、ぬいぐるみのこぐまさんを抱き寄せました。


『旦那、オレがいる』


 すると、あーくんの頭のなかに、こぐまさんの声が流れ込んできます。


「こぐまさん。あーくん、どうすればいいの……?」


 あーくんは震えて泣きそうな顔になります。そんな時、頼れるこぐまさんはアドバイスをしてくれました。


『旦那、オレに考えがあるんだ』


「考え……?」


『あぁ、とっておきのな』


 こぐまさんがぬいぐるみから人間の姿へと変わりました。そして、あーくんとこぐまさん自身に魔法をかけます。


「あーくん、起きてるんでしょ? お母さんに言わなくちゃいけないこと、あるよね?」


 あーくんとこぐまさんは慌てて布団のなかに潜り込み、二人とも息を止めました。


 お母さんがドアノブに手をかけ、あーくんの部屋に入ります。


「あら? 布団の中に入っちゃったのかしら……」


 ベッドは確かに布団がふくらんでいます。それを見たお母さんは、ぐるりと部屋を見渡しました。


 あーくんとこぐまさんは息を止めるのに精一杯です。特にこぐまさんは、苦しくて涙目になっていました。


「あーくん、起きているのは分かっているのよ!」


 お母さんは勢いよく布団を引き剥がします。


 しかし、お母さんが見ているあーくんは眠っていて、ぬいぐるみのこぐまさんを抱きしめていました。


「私が疲れているのね、きっと……」


 お母さんはぼやくように呟くと、あーくんの部屋からようやく去っていきました。


「ぷはぁっ!」


「死ぬかと思ったぜ……」


 こぐまさんがあーくんと自分にかけた魔法は、息を止めている間だけ相手に違うものを見せるという、幻術の魔法でした。


「もう行ったみたいだねー」


 いつの間にかくらげさんが、布団の上に乗っています。空想上の友達でも、人並みの重さはありました。


「くらげ! お前重い……」


「今なんて言った?」


「なんでもないです……」


 二人のやり取りを見てはてなマークを浮かべるあーくんでしたが、特に気にしないことに決めます。


「じゃあ、おやすみぃ」


「おやすみ」


「おやすみなさい……」


 くらげさんとこぐまさんの間に挟まるようにして、あーくんは幸せそうに眠りました。

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