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俺は静かに暮らしたい  作者: 一尾
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将軍の報告

金色の鎧を着た男が、馬に跨り城門をくぐった。彼の名はハーバット・レイ、貴族の生まれで剣に秀でた才を持っていた。そのおかげで、国王の目に留まり将軍としての地位を与えられた。その男は、剣の腕では負け無しの意を得て剣王の二つ名を持ち周辺諸国にもその名を知られているレベル43の騎士だった。そのために、いつも厳格な態度で隙を見せることは無かった。だが、きっと今の彼には顔見知りや友人の挨拶ですら聞こえることはないだろう。城門を抜け王城へと向かう道中の彼は恐怖に怯える表情をしていた。

何故なら、100もあるレベル30以上の戦士達が、たった4人の魔物に秒殺されたのを目の当たりにしたからだ。




彼は、誰に何を言われようとも反応せず、王室に一直線に向かった。そして、勢いよく王室の扉を許可をとることなく開けた。そこには国王クリア・ブルム・モーリスが玉座に腰掛け、その隣に近衛が1人立っていた。

「何者だ!」という王の近衛の怒声を物ともせずに、いや、今の彼には聞こえていないのだ。

王の前まで着くと、敬礼をして

「報告します。今回の戦士団100名全滅です。」

それを聞いたクリア王は、気にした様子もなく

「だがその鬼も、戦士団100人を相手にしては深傷を負ったであろう。」

と言った。それを聞いたハーバットは

「いえ、相手は4人でしたが何の痛痒も与えられた様子は見受けられませんでした。」

と深妙な面持ちで答えた。

これにはクリア王も、付きの近衛も信じられないという顔をしてクリア王が声を荒らげ問うた。

「100人を送り込んで、貴様は何をしたのだ。」

ハーバットはただ単調に、それでいて申し訳なさそうに

「戦士達のレベルからして個対多では有利と思い一斉に突撃をさせました。すると、1人ではなく4人といました。1人は例の鬼と思われ、後の3人はそれぞれ悪魔、竜人、吸血鬼と推測されましたが、数の有利は揺るがなかったので命令を続行させました。ですが10秒とかからず、全滅しました。自分は報告の為、直ぐにこの王都に戻りました。以上で報告を終わります。」

クリア王は信じ難かったが、ハーバットが話しながら、その状況を思い出し恐怖に震えているのを見ると信じるしかなかった。




クリア王は直ぐに評議員5人全員を召集し、今回の戦闘についての説明をして、今後の事を決める為、評議会を開いた。

「皆にも、今回の件の内容については伝わったと思う。そして、今からこの件について今後の対応を決める必要があると考えた。皆の意見を聞かせてほしい。」

とクリア王が、第一声を放った。それを聞いた評議員の一人が

「説明は受けましたが、真実なんでしょうか?」

とクリア王に問いかけた。すると、先程とは違う一人が

「国王の言を疑うのか!」

と怒鳴った。その言葉に便乗するように評議員の4人はは騒ぎ出した。クリア王は片手を上げそれを制し

「良い、信じられんのも分かる。だが、嘘で評議会を開いたりはせんという事だけは、わかってほしい。」

評議員達はただ押し黙ることしか出来なかった。見かねたクリア王は再び、

「よって、皆の意見を聞かせてくれ。」

と言うと、怒鳴った1人が口を開き

「戦の準備を早急に整えるべきでは。」

と答えた。それを聞いた他の1人が

「馬鹿が!レベル30を超えるもの達を秒殺するような相手だぞ!」

と吠えた。すると、評議員最年長の老人が遠慮がちに、

「相手とは会話が成立したのなら、謝罪文を送るというのはどうでしょう?」

それを聞いた、今まで口を開かなかった1人が、

「それが、いいと思うと。」

一言で肯定した。クリア王は少し悩み、老人の案を採用した。


こうして、ハーバットが王の謝罪文と相談の場として食事への招待状を届けることとなった。

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