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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

自分計画シリーズ

自分作成計画

作者: 叢舎 翰哉

 ちょっと話をしようか。

 私の話を。

 私には小学校1年生から凄く仲が良かった友達が居たんだよ。

 親友とよべるくらいのね。

 家が近かったのもあるし毎日遊んだよ。

 学校のある日もない日も。

 私はその人に凄く影響を受けてた。

 良くも悪くもね。

 ちっちゃい時からそうだったから私には普通出来るはずの自分が無かった。

 少しだけど私と同じ人はいるよ。

 自分が無い人は。

 そんな人は誰かに影響されないと自分は見失う。

 私もそうだった。

 そもそも自分ってなんだろうって話になるけど気にしないでね。

 私も分かんないから。

 おっと、話がそれた。

 私はその親友と小学六年生くらいの時かな。

 絶交したんだよ。

 理由は簡単、ちょっとすれ違いが重なって重なって気付けばもう手遅れで。

 私は自分が無いのに性格ははっきりあったんだよ。

 その性格が少し厄介で妙に正義感があって真面目で曲がったことが嫌いで変に大人びてる感じだったんだ。

 私は親友のお陰で私が保てた事を気づかないで絶縁した。

 今だから言える事だし当時はきづかなかった。

 もしあの時に気づけたら本当に良かった。

 まぁ縁を切ったしばらくはせいせいしたみたいな感じはあったけどどうしても何な物足り無かったんだよ。

 多分この時からかな私が保てなくなりつつあったのは。

 当然と言えば当然だけどしょうがない。

 その時は正しいと思ったから。

 中学に入学すればこの物足りないのはすぐうまるだろうと私は思ってたんだよ。

 いやぁー、本当に甘ちゃんだったは私。

 六年間の穴が簡単にうまる訳無いのに。

 まぁだから人間関係じゃなくて私はスポーツに熱中した。

 卓球部に入部して頑張った。

 元親友は吹奏楽部に入ったしクラスも違うから本当に縁が切れた。

 まぁ卓球も暫定的に一番仲が友達に誘われてやったんだけどね。

 私は運動神経は別に悪くなかったしむしろいい方かな。

 部としてもあまり強く無かったのもあるけど1年の半年目くらいから私はレギュラー入をしたんだよ。

 この時変な自信が出来ちゃたんだよ。

 はぁー、思い出すだけでため息が出る。

 本当に私は愚かだねぇ。

 そんな私はすぐに壁にぶつかった。

 人としての壁に。

 中学生になってからは勉強は難しくなるし私はストレスを抱えていった。

 そのストレスが私を重くした。

 体重じゃないわよ。

 精神的にね。

 普通に自分があれば全員登れる壁でも私は大変だった。

 重い重い鎧を着ながら進んで行くんだもの大変に決まっている。

 乗り越えても次の壁が私の目の前に立ちはばかる。

 だから私は楽になりたいと思った。

 別に自殺じゃないよ。

 それも考えたけど、私には勇気が無い臆病者だもの。

 その楽になる方法は自分を造るんだよ。

 自分があれば楽になれる。

 そう思ったんだよ。

 それは間違えじゃ無かったんだけどとてつもなく大変で。

 それもそうだろう。

 自然に出来るものを人口的に造る。

 魚でも天然か養殖だったら値段が全然違うだろ。

 それと似た感じだよ。

 とりあえずこの自分を造る計画を自分作成計画と名づけよう。

 この自分作成計画の最初は自信を付けるところから始まった。

 自信を付けるってのが一番簡単に思えたからね。

 でも予想以上に難しくて一応出来るには出来たんだよ。

 自信は。

 その自信は私の自分を造ってくれた。

 でもそれは偽物で簡単に壊れてしまう脆く醜い自分だったんだよ。

 それを知らずに自分作成計画は次の段階に移った。

 自信の次は存在意義だったんだ。

 アイディンティティって言っても良いけど私的には存在意義の方がカッコイイ気がする。

 まぁそれは置いといて自分をかたどった物が出来たから中身を入れようとするのは当たり前だよね。

 それで私がしたのは卓球部の一年リーダー、になった。

 これで私は自分を持てるってその時は本当に喜んだよ。

 でも一年リーダーってのは私の想像以上に重かった。

 私の歪んだ自信で造られた偽物の自分何かが耐えれる訳がなかった。

 壊れたよ。

 私は。

 耐えようとは一応したんだけどね。

 呆気なく音も無く壊れた。

 その時に悟ったよ。

 私なんかが自分を持てないって。

 気づくのに凄く時間がかかったよ。

 そう思うと私の心の中で一つの人格が生まれたんだ。

 私が持っている物も持ってない物も全部持ってる私が生まれた。

 もう1人の私をアイツと呼ばしてもらうけどアイツは本当に完璧だった。

 私よりも勉強が出来たし人当たりもいい。

 そのお陰か人望は厚い。

 ちゃんと自分があった。

 私はただただ嫉妬した。

 しょうがないと思うよ。

 私が欲しかったものをアイツが持っていたんだもの。

 私と変わらないアイツが。

 アイツが自分を持てるんだから私も持てる。

 そんな淡い希望を実らせ、自分作成計画を初めからやり直す。

 学級委員、生徒会、もっともっとやった。

 でも何度繰り返しても私は自分を造れなかった。

 そんな時にセンセイに言われたことが私を酷く変化させた。

 

 ─お前の努力は他の人の普通なんだ─

 

 確かにそうだ、関心した所もあったけどやっぱり私は傷付いた。

 深く深くナイフで刺されたように。

 だからアイツと代わる決心を付けた。

 今までは1日の起きてる時間の3分の2は私で後はアイツだったけど私の時間をあげたんだ。

 だから私は楽になれた。

 自分を造るんじゃなくて自分が必要じゃない場所。

 そんな場所を見付けたから。

 それがここ。

 この真っ白な私が造った世界。

 これで私の話はおしまい。

 じゃあ君の話を聞かせてくれない?

 ここに来たって事は私と同じで自分がないからでしょう。

 えっ?

 違うの。

 ふーん。

 気づいたらここにと。

 じゃあ早く帰りなよ出口はあそこだよ。

 あそこの大きな門。

 そこを潜れば帰れると思うよ。

 それとも私には惚れちゃった?

 ハハハ別にここに居ても良いけどね。

 何、寂しいかったんでしょう?

 そんな訳ないじゃん。

 君はお人好しかい?

 それともおせかっいやさんかな?

 まぁ帰りなよ。

 そうそう私からのアドバイス。

 自分を見失ったら自分を探そうとしないこと。

 探してると余計に自分の位置が分からなくなるよ。

 ただ君がやりたいことをして入れば自分は自分の方から帰ってくる。

 君は自分を持っていそうだから言うけどね。

 じゃ、お別れだ。

 じゃあね。

 また会うことは無さそうだけどね。

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