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悪魔使いで異世界冒険  作者: インスタントカルマ
9/19

9.誤認逮捕


村々を結ぶ、人に踏み固められるうちに自然と出来た小径はまだ日のある内に抜け、今は馬車が通るのに充分な広さを持つ整備された街道に入った。

領都まで1日半と言う田舎だけ有ってすれ違う者も居ない道をソグンと2人でノンビリ進んでいく。 おっ!そうだ、今の内に。 悪魔召喚プログラム デーモンドッグ:エイフォン! 君に決めたっ!

光球が大きくなってエイフォンが姿を表す。 シュッとした細身の鼻先をオレに向けて尻尾を振っている。


「エイフォン無事だったか!良かった。 また会えたな。ヨシヨシ」


打撃を受けた後頭部と脇腹の辺りをそっと撫ぜてみたがダメージも残って居ないようだ。 オレのせいで死なせてしまって居たら、、、と思っていたがどうやら杞憂のようだ。他に能力の確認をする必要があるのは強制送還後のリキャストタイムくらいかな? ま、2度とそんな事態に陥るつもりは無いけどな。


そろそろ街や村を見つけないと今夜は野宿か? と焦り始めた頃、前方に異変を捉えた。

目を凝らしてみると騎馬集団がコチラに向かって走ってくる。それなりに警戒しつつも敵意を見せないようにしながら端に寄って歩き続ける。

すれ違いざま数えてみると11騎、乗り手の装備はバラバラで雑多な印象を受ける。みな無精髭だったり清潔感を感じないロン毛だったり、この世界に来て出会った人と言えばこれまで農民だけなのであくまでオレの感じた印象なんだがコイツラは無頼の輩・無法者集団じゃないだろうか?

向こうからも探るような睨みつけるような視線を向けてくるが何より余裕が無さそうだ。というのもどいつもこいつも体のアチコチが焦げたり、刃傷と思われる怪我を負っていて必死に何かから逃げている様子なのだ。念の為、通り過ぎてからも暫くはドッグスに頼んで周辺警戒を続けてもらおう。


太陽が稜線の向こうへと完全に沈み黄昏時の光もいよいよ消えようとする頃、また前方から騎馬の集団が駆けてきた。 今度のグループは遠目にも正規軍と分かる。揃いの鎧と馬具をまとい長時間走り続けているだろうに隊列の乱れも少なく維持出来ているのは規律と練度の高さが伺えた。

先頭を走っていた揃いの鎧の上から一人だけ真っ青なインバネスマントを羽織っている騎士がサッと片手を上げるとオレの目前5mで全体がピタリと停止した。


「少年、君はこの土地の者かな?」


ショウネン!? オレ28なんだけど、、、


「いいえ、騎士様。私は旅の途中で御座いまして、この辺の事情にはとんと明るくございません 」

「見れば立派な猟犬を2頭も連れているが弓矢を持っていないなら猟師ではないのだろう。 背中の大きな荷物は商人にも見えなくないがロバも引かずに犬を連れた商人というのはついぞ聞いたことがない。 君は何を生業としているのかな?」

「はい、私は"まじない師"で御座います。 未だ修行の身ゆえ大したことは出来ませんが病除け、泥棒除け、憑き物落としに安産祈願とその辺りはなんとか。」

「ほほぉ、まじない師か。 南方に住む蛮族の間では精霊信仰が盛んと聞くがこの辺りで見たのは始めてだ。この道を行くということは向かう先は領都かな?」

「はい、領都トルラントまで行けば仕事の口に困らないだろうと聞きまして。」

「分かった。足を止めさせて悪かったな。 ところで先ほど我々の様な騎馬の集団がこの道を通らなかったかな?」

「はい通りました。 恐らく四半時は経っていないかと。確か11騎」

「四半時か、大分追いついたな。 レブナス! リーハン! 彼に奴らの事をもう少し聞いてから追いかけて来い。 少年、悪いが彼らにもう少し詳しく説明してくれないか?」

「私でお役に立てることが御座いましたら何なりと。」

「そうか、頼む。 では一同、出発!」


ん、今 インバネスの男が残るらしい2人に目配せした様にも見えたが、、

騎士たちはあっという間に走り去っていった。アレなら前の連中に直ぐに追い付きそうだ。野盗や傭兵崩れの類だったのかな?


「それで私は何をお話すれば良いのでしょうか?」

「面倒を掛けるが、まずは荷物を改めさせて貰えるかな。その犬たちはつなぎ留めて置くことは出来るかな?」

「、、、はい? 荷物は構いませんがこの者達は子犬の頃からずっと放し飼いにしていたので首輪を酷く嫌がります。命令すれば決して逆らいませんので」

「それなら良いさ。 では荷物をココで開いて欲しい」

「はい、、よいせっ」

「おい!オマエ、マントの下に剣を隠し持っているのか!? 手を見える所に出せ! おい!早くしろっ!!」

「ソグン! エルファン! よせ! 二人共下がって、、、そうだ。 そこでお座り。 いいな?動くなよ」


リュックを下ろすためにマントを捲くった所サバイバルナイフと小剣の柄が目に入り、若い方の騎士が早まって剣を抜いた。 途端、ソグンとエルファンが跳びかかる寸前にまでなった所で留めるのが間に合った。


「おいリーハン、お前は少し落ち着け。、、、剣を引けとは言わんが切っ先を降ろしておけ」

「ですがレブナスさん、、」

「脅かして悪かったな坊主。 お前さんの犬たちは本当に良く躾けられている。それに良い動きだ。南のまじない師ってのは猟犬の訓練士も兼ねてたりするのかい?」


坊主て。


「いいえ。コイツラはたまたま生まれつき賢いだけです。 それより剣を持っていたのが何か不味かったんでしょうか? この辺りにはゴブリンも出ますし、薪を集めるにも藪を払うにも便利なので持ち歩いて居るのですが何ぶんこの国の法律には疎いものでして」

「いや、法には触れてはいないさ。 だが持ち方がな? 普通、俺達はこうして利き手の反対側の腰に吊り下げる様にしてるだろ? 大剣や短槍持ちは背中に背負ったりもするが、とにかくパッと見て誰からも武装しているのが見えるようにするもんだ。 そうする事で周囲に自分の危険度を知らせることが出来るし、下らん揉め事を遠ざけることも出来る。 だがその、そっちの短剣の方ならすれ違いざまに腕のひと振りで切りつけられる。俺達みたいに普段から荒事に慣れてる連中は幾らでもイナし方は有るんだが、『剣は若い頃にお稽古で振ったきり』なんて言う宮廷貴族様方も多くてな?

そうした連中はお前さんの様な下げ方を『盗賊持ち』とか『暗殺仕込み』とか呼んで忌み嫌ってるってワケさ。」


なる程、確かにオレは腰の後ろに横向きにナイフを、そして少し斜めに掛ける様にして小剣を括りつけている。何と言うかクノイチみたいな帯剣の仕方と言えば伝わるだろうか? マントを着て、手を楽な姿勢に垂らしておくと真後ろから以外は帯剣している事に気が付かないかも知れない。 しかしオレは何も武器を隠そうと思ってそうしたわけではない。 狭い所を通る際にこうしておくとブツカラないし、立ったり座ったりする際に鞘先を捌かなくて済むので楽なのだ。


「それは知らぬこととは言えご不快な思いをさせて仕舞い申し訳有りませんでした。 、、えーと私が触れない方が良いでしょうか? 帯を外して貰っていいですか?」

「あぁ、気を使わせてしまって済まないね。このヒモを解けば良いのかな? 一応両方共預かっておくよ。 うん? この小剣は数打ちの普及品だがこっちの短剣は変わった、、、抜いてみても良いかね? 」

「、、、ええ、どうぞ。」


ああ、それやっぱ気づいちゃいます? 21世紀地球産のサバイバルナイフなんすよソレ。 柄もシースも一見してコチラの手工業品とは異質ですもんね。


「なんで裏がギザギザに成ってるんですかね? それにこの切っ先の細さ。使っている様子はあるのにこんな細い状態で欠けずに置ける物なんですか? 何なんですコレ!? 魔剣か何かですか?」

「君、これどうしたんだい?どこで手に入れたの。」

「頂き物です。(ボソッ)」

「、、、じゃぁ背嚢の中も見せてくれ」

「はい(ボソッ)」

「一体なんなんだ此等は!? やっぱりこのガキ、盗賊団の一味に違い有りませんよ。 この上等な服を見て下さい。こんな緻密な縫製はウチの家の専属針子にだって不可能です。これはマヌエル商会が盗まれたっていう高位貴族向けの服飾品の一部で間違いないでしょう」

「だとしたらこの光る魔道具はどうなんだ? マヌエルの提出した盗まれた商品目録の中に魔道具は入っていなかった。この袋みたいなのは何だ? それにこの透明な柔らかいのは水筒か?どうやって造られてるんだ? 」

「いや、それはオレにだって分かりませんけど、、 とにかく先ずはコイツを引っ立てて首領の場所や逃走先を吐かせるのが先でしょう」


「コイツヲヒッタテテ」という言葉が聞こえた途端、再びドックスが唸り声を立て始めるが命令して止めさせた。


「オイお前! このバカ犬どもを大人しくさせろ。 、、、 とにかくお前には砦まで来て貰う。 いいですねレブナスさん?」

「これらを見てしまったからには仕方ないな。 悪いが少年、暫く付き合ってもらうぞ。 彼はオレが護送するからお前は、、、いや、この短剣と魔道具は、、、リーハン、お前護送出来るか? オレはこの2つを持って隊長を追わなくてはならん。」

「任せて下さい。 でも後ろから襲いかかられたら堪らないから、このバカ犬ドモはココで始末しておきま「エルファン!ソグン!今直ぐ逃げろ!!!以降オレの周囲200m以内に入ることを別命有るまで禁ずる。 行けっ! 」


「勝手なことをするなっ! 」ボグッ!


クソ、こっちは無抵抗でペットを逃がしただけなのに鼻っ柱殴りやがった! ちっくしょう〜 父さんにだって殴られた事ないのに!

その代わりお袋と姉貴には散々ボコボコにされたけど、、、


「リーハンやめろ。 まだ彼は一味と決まったわけじゃ無いんだ。 君、大丈夫か?」

「大丈夫っす。 鼻血が出ただけっすから、、、」

「リーハン本当に任せて大丈夫か? 無用な暴力は控えろよ、、、やはりオレが護送して、」

「大丈夫ですよレブナスさん。キッチリ任務は果たします。」


なんだか突然身ぐるみ剥がされて、後ろ手に縛られたまま馬の背に腹ばいに乗せられた。 オレどうなるんだ?


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