6.討伐
デーモンドッグ3頭を連れて森の入り口までやってきた。
「ソグンは昨日みたいにオレに付いて来てくれ。 エイフォンは左側1kmほどから森へ侵入、キノトーンは右手1kmからだ」
指示を出した途端、2頭は矢のようなスピードで飛び出していった。 感覚接合を入れると、頭上 視界の外に二つの情景が映る。 ”昨日の晩飯なんだったっけ?”と思い出す時にイメージを浮かべる辺りと言えば伝わるだろうか? オンオフや左右を入れ替え、一匹へのフォーカスも考えるだけで可能。音や匂い、風を切る感触や2頭の心拍も感じることも出来るようだ。
コレ、時間さえ掛ければ絶対服従の悪魔軍団を幾らでも生み出せそうな気がするんだが、、、 いわゆる「ブッ壊レチート」ってヤツ。 大丈夫かあの夫婦?
「それじゃぁ行こうかソグン」
「ウォフ」
10分もしないウチに左右の2頭が最初のゴブリンに接触。 中央に追い込むようにしながらドンドン狩っていく。
昨日、手持ちの地図を見せながら村長に話を聞いた所、ゴブリンの群れはオレが歩いて来た道のりをやや北に登った所にある天然の洞窟とその前に広がる川辺を根城にしている可能性が高いらしい。
ソグンと2人時々戦闘を挟みながら森を進むこと1時間半、せせらぎと言うほどの小川に当たり、それに沿って登ること更に20分ほどの所で遠目に洞窟とその前に並ぶ小屋とも呼べない木と布を組み合わせた粗末なテントが集まる集落を見つけた。
しかし、本当に大量発生してる。ここに辿り着くまで既に30匹近く仕留めたし、左右から追い込み役をしている2頭もそれぞれ20匹近くを仕留めている。 昨日倒したのも合わせれば既に100匹以上を始末している事に成るのだが、今見えているだけでまだ20匹以上居るしテントの中や洞窟内にもまだ潜んでいるだろう。昨日1匹だけ見た大型の個体、どうやらあれがホブゴブリンだったらしいのだがコイツらも既に9体始末していた。
そろそろ本日の切り札を切るタイミングではないだろうか? 悪魔召喚プログラムを起動、種族レッサーデーモンを選択、能力値の魔力を+3して、技能には物理魔法:上級、、、は選べないのか? では中級をプラス。 能力は召喚時間延長:1日、技能付与:中級、そして忘れずに外見:普通の見た目 も付け加えておく。
間髪入れずに実行ドン! ぐはー、一晩寝てMPが全開していたと過程して総量の7〜8割方を一気に持ってかれた感じ、シンドイわー。 そして目の前にはその成果たるレッサーデーモン 個体名:ウークタフノが、、、ってOh!
黒髪・ロン毛・二十歳前後・4分の一ほど外国の血が入ってる日本人風のエキゾチック系美人さんが居た、全裸で!
嫌いではない!嫌いでは無いのだがコレからモンスターの本拠地にカチコミを掛けようと言う時にこいつはイケナイ。 一旦送還して獣形態の別の悪魔を呼び出す事も考えたがMPが足りないしリュックは村に置いてきた。しばらく考えてオレの着ていた上着を着て頂くことにした。代わりに自分は素肌に直接マント姿である。決して変態ではない。
お胸が豊かなため綿シャツ越しに形がクッキリ出ているしポッチもツンしているのが反則だった。小柄な体型な為お尻は隠れているのだが、そもそも隠す・見せないという発想が無いのか屈んだり振り向いたりする度にプリンプリン揺れている。これはもう、返って何も着せない方が健康的なんじゃないのか? ちなみに、元々そうなのかお手入れしているのか生えていなかった事は付け加えておきたい。
なんだか異様に疲れたり昂ぶったりしながら-イヤ!オレは断じて昂ぶってなどいない!- 3人パーティーと成った我々は洞窟へと近づいていく。
作戦はこうだ。 今は足を止めてもらっているエイフォン・キノトーンに両側やや後方から最後の追い立てをしてもらう。 ソグンはユックリと進みながら前から圧力を加え、居留地に中心にある程度ゴブどもが集まった所を狙ってウークタフノに一発かまs、、、違う! ウークタフノ”が”一発広域攻撃魔法をかますのだ。
後は撃ち漏らしを仕留めつつ洞窟前に集まり、中の掃討に移るという算段である。
「それでは作戦スタート。 エイフォン・キノトーン、始めてくれ」
頭の中にワウォーン、クォンと響いて、5分もしないウチにゴブ集落の両脇からゴブリン共が溢れ出てくる。出るわ出るわ30匹以上。
「ソグン、抑えに掛かってくれ」
「ウォン」
「ウークは魔法の用意を、、待て、」
コチラの作戦を読んだのか?それとも逃げる先の露払いに出てきたのか?片手剣で武装したホブゴブリンと思われる大型の個体5匹がこちらに向かって来た。
咄嗟にソグンは敵を分断する様に敵中央の個体に襲いかかる。ナイスな判断だ。オレは後衛職であるウークを庇うように前に出つつ向かって左側に居る敵2匹と正対する。
問題は右側の2匹である。一匹はソグンが利き手に噛み付いて抑えている中央のホブゴブを助けに向かったが、あっちはソグンに任せて置いて大丈夫だろう。
しかし注意を要するのが一番右ハジにいた個体だ。オレを左側の2体とハサミ打ちにする様にコチラに駆け寄ってくる。さてどうする? 同時に3体相手は昨日も何度か経験したが今回は武装したホブゴブリン、しかも2正面プラス背後を突く形で1体が迫ってくるのが厄介だ。
まず後衛を左後方に逃がして、、、と思った瞬間、ウークが前に飛び出した。 オレに剣を向けて立つ左ハジの一体の隙を付くと貫手で脇腹、腕の付け根、首へと三段突きを入れ、怯んだ所で髪を掴んで後ろに引きズリ倒す。剣を持つ手を膝で抑えるように馬乗りになると顔面にも貫手を入れていく。眼球・眉間・鼻の下・顎・首、最後は首を引き抜きながら捻って息の根を止めた。あれはレッサーデーモンが元々持ってた技能 格闘戦闘:下級か?
悪魔怖ぇ、戦い方がエゲツナさ過ぎる。 馬乗りに成った際にケツだの何だのが丸見えに成ってたけどあの様子を目にしてしまうと全然ドキドキしない。
オレはボコられる仲間に注意がそれた左2番の利き手手首を切り裂き、返す刃で首を裂く、、これは浅かったかな? 結果を確かめないまま相手の腹を蹴り飛ばす様にして反転、後ろから斬り掛かろうとしていたホブゴブに飛びつき、取っ組み合いに成りながらも腹に何度もナイフを突き刺してとどめを刺した。
慌てて2人を援護しに戻るとソグンに向かった2体は既に首の骨を噛み折られており、手首を切った個体は巨大な氷柱に串刺しにされて事切れていた。
「ウークが魔法でやったのか?」
キラキラした瞳で首肯するので、何となく頭を撫でてやったらか肩を振って喜んでいる。 ヤメロ、胸が揺れる!
「じゃぁ、ついでにもう一発デカイのを頼むよ」
ウークが軽く開いた両手を頭上に伸ばすと手の平の先にバレーボール大の青い火の玉が生まれた。 あれは元○玉だな。
5秒ほどのタメの後、手を振ると「シュッ」という音を残して○気玉が飛んでいく。 速度はバッティングセンターのボール程度か? 居留地ほぼ中央に落ちた瞬間、光球は直系10m程に広がってから弾けて周囲の殆どを吹き飛ばした。
3人で歩調を合わせて近づいていく。 爆心地中心から30mの範囲は綺麗に吹き飛ばされて瓦礫も残っていない程だ。 更にその外縁20mも爆風に吹き飛ばされボロテントは全滅。ゴブ達の大半は手足バラバラで、即死を免れたも少数の生き残りも全身を強く打たれて満足に動けない様子。無駄に苦しませる趣味はないので一撃必殺でとどめを刺して回る。
昨日も思ったけど何でだろう? 人型の生き物をコレだけ殺しているのに何の感慨も湧かないんだ。 オレどうしちゃったんだろう? ネットで見たサイコパスってやつか? それとも転移の際に心に何か細工されたんだろうか?




