2.初めての召喚
まぁ、そういう訳です。 あの二人、、いやあのお二人は神様的な存在だったんだろうか? なろう過ぎるよ、、、
「伊勢凪」って”ザ”って発音すんのかな、やっぱ?
改めて周囲を見回してみると森の中のちょっと開けた場所といった空間。周囲20m程だろうか中央部には元々大木が立っていたのだろう、雷に撃たれたかして今は燃え残りの根本だけが残っている。
さて突然巻き込まれた超常現象だが良く訓練された”なろう読者”たる俺は自分の状況をかなり正確に理解しているつもりである。リュックを下ろすと「ステイタス、ステータス、ウィンドウ、システムメニュー、鑑定、、、」etc.etc.と10分ほど虚空に向かって唱えてみるも特に目新しい変化は無い。
男性、推定イザナギ様は力を渡しておくと仰っていたけど、、、うーんと、あっコレかな? 意識を自分の内側に向けると胃の上辺りに温かい感触が有った。
「コイツを、、、っと?」
目の前にゲームのステータス画面の様な物が広がる。 首を左右に振ってもそれにピッタリ合わせて画面もついて動く。表示は、、良かった日本語だ。
ーーー能力:魔族召喚ーーー
種族:▲
個体名:
筋力:1
体力:1
体格:1
知力:1
機敏:1
器用:1
魔力:1
技能:▲
能力:▲
アイテム:▲
コスト:0
こちらを召喚しますか? Yes/No
ーーーーーー
オッフ、、悪魔召喚プログラム 来た。
どうしよう、ヤバイ予感しかしないんだが? いやいや、だが・でも・しかし・ワザワザ神様(仮)が授けてくれた能力なんだからイキナリ「スキルのバックファイアを受けて死亡エンド」って事は無いだろ? 後半ノリだけで人の去就を決めてくれた悪乗り夫婦っぽい側面はチョットだけ心配なんだけどさ、、、
どうすべか?取り敢えず持たされた荷物の確認をしてから、、、ええい!ままよ!! 遠からず試さねばならん物だ。
”画面”へと再度、意識を向けると種族の三角の上で四角マークが点滅しているのに気がついた、、、カーソルそのまんまだね。
種族の項目の▲に目を凝らして見るとサブウィンドウが開く。
ーーーーーー
デーモンバグ
デーモンマウス
デーモンドッグ
デーモンバード
・
・
・
▼
ーーーーーー
、、、スライダーに成ってると。 取り敢えずデーモンドッグを選択してみる。すると表示が切り替わり
ーーー能力:魔族召喚ーーー
種族:デーモンドッグ ▼
個体名:ソグン
筋力:2
体力:2
体格:2
知力:1
機敏:2
器用:1
魔力:1
技能:格闘戦闘:下級
能力:▲
アイテム:▲
コスト:5
こちらを召喚しますか? Yes/No
ーーーーーー
うーん、、、このコストって何だ? 悪魔召喚だけに魂の一部ってことは無いよな? 想像するにMPとかHP的な一時的に増減するポイントだと思うのだが。
画面を見ていて能力値や技能の部分を弄れそうな事に気がついた。 機敏を更に+2して技能に気配察知:下級を加えてみる。これでコストが8になった。
どうする? ええい男は度胸。Yesをクリック! 腹の底から何かが抜き取られる感覚があるが、それ程致命的な物を失った感じはしない。
すると目の前に握りこぶし大の光球が現れ、10秒程掛けて中型犬のサイズとシルエットを持つ光に広がる、、、そして光が弾ける様なエフェクトを残してそいつが現れた。
、、、グロい、、大きさは中型犬程。 全体的な容姿はシェパードに近いだろうか? 火傷でもしたのか右半身はケロイド状態のヌメっとした皮膚に覆われ右目は潰れている。 左半身は一言で言うと歪だ。 口は左側だけ乱杭歯が飛び出し、目は大小大きさの違う眼球が3つある、かぎ爪の発達した4本の足以外にも、左脇腹にかけて萎縮して何の役にも立たなそうな小さな足が6本ぶら下がっている。
うわー、、なんか吐きそう、、、ヴォエッ、、、実際吐いた。
朽ちた木の根に手を付いてえずいて居ると、視力が残っていると思われる左顔面をこちらに向けて(恐らくは)心配そうにオレの顔を覗き込んでくるグロワンコ、、、いや、お前のせいなんだがな。
外見に似合わず実は召喚主思いらしい魔犬を放っておく事のも忍びなく、恐る恐る頭を撫でてやると嬉しそうに尻尾をビタンビタン振り回し脇腹の足をワキワキさせて喜びを表現している。 うん、全然可愛くない。
自分の能力は大体把握した。 呼び出したモノのデザインはともかくその発達した四肢や鋭い爪/牙を見れば護衛役を充分果たしてくれそうな事は想像できる。
後は荷物だ。ゲロった所から距離を置き下生えの上に荷物を広げていく。 一人用テント、寝袋、寝袋の下敷き、キャンプ用ガスコンロと食器のセット、2Lペットボトル入り飲料水と浄水器、缶詰やフリーズドライの食料およそ3日分程度、サバイバルナイフ、方位磁石、ザイル20m、トイレットペーパー、歯磨きセット、髭剃り一式、爪切りと耳かき、換えの下着2セット、手巻き発電機能付き2Wayライト、ファンタジーっぽい服上下、ファンタジーっぽいマント、ファンタジーっぽい靴と靴下、現代人からすれば子供の落書きレベルのザックリとした地図、あと細かいものが諸々と巾着袋に入った金貨と銀貨10枚ずつ。
一家に1つ非常の為にも供えておきたい充実のキャンプセットだが、その気遣いを状況の説明とコチラの同意をちゃんと受けてから転移作業に入る事に発揮して欲しかった。取り敢えず汚したくないリクルートスーツと革靴はリュックの底に仕舞い、ファンタジー服とマント、それなりに履きやすい靴に履き替えてサバイバルナイフを腰に付ける。
この等高線も引かれていない地図を信じるなら森を突っ切るように東に進んだ所に集落が有るようだ。縮尺が分からないのでおよその距離も集落の大きさも分からないが取り敢えず東に向かって進んで見よう。




