感情の嘘吐き
知らない。知らない。
なにを?
聞きたくない。聞きたくない。
どうして?
嗚呼、こうやって私はまた
ウソツキニナルンダネ。
「生きてて楽しい?」
その質問を投げかけられたとき、私は固まった。
「君は実につまらなそうに生きるから。」
まだ答えを返していないに、まだまだ話は続く。
「無気力に息して、無機質に話して、無関心に笑って、無情に生きている。嘆かわしいね。感情を理解し、知を得ることが出来、表現の術を知るのが君らの長所なのに。」
知らないわ。そんな常識。
答えの代わりに睨んでみた。どうやら最早私は、それの眼中にすら入っていないようだった。
「嗚呼、君はアレだったね。ウソツキだったね。わはは。」
自称した覚えはない。気色の悪い声を轟かせながら、暫く腹を抱えていた。
「見たいに目を閉じる。聞きたいのに耳を塞ぐ。触りたいのに手を隠して。知りたいものをワザと通り過ぎて。ヤサシサのつもり?」
臓物を掴まれたような気分の悪さだった。
私は、それの顔を見ることすらも諦めた。
「知りたきゃ見ればいい。聞けばいい。触ればいい。それをやって後悔したのなら、笑えばいいのさ」
また、心地の良くない声をあげる。
自分を手本に。そう言いたげなそれの顔は見事なまでに、腹立たしさを覚えた。
「それを咎める人なんて居るはずないんだよ。だって、それは欲求なんだから。止めようとしたって、ムダムダ。」
「だからさ、要求するよ。君の感情を見せてよ。」
道化師のような顔のそれが、ワザと逸らした私の中に覗いてくる。
なんで、こいつは知りたがる?
どうして、私に気づいたの?
なにが、ふたつを繋げたんだ?
いつもなら、消した記号を残してみた。
私は、それの言葉に従ったことに腹を立てると同時に何か清々しい物を感じた。
「あらそう。モノズキさんの考えはウソツキには分からないわ。」
「モノズキは物好きだから、ウソの裏のウラが見てみたいんだ。」
嫌にはならない声が頭の中に染み込んでくる。
そこから、知らないキラキラでほわほわが私を柔らかく包んだ。
これは一体、なに?
嗚呼、これがもしかしたら───。
「ようこそ。感情の世界へ。」