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須臾ノ欠片達

千年に一度の優しすぎた、欠片

作者: 月影彩依

僕が見たその想いという奇跡

それはあまりに儚くて、風前の灯火だった


相手の想いの力が強すぎて

きっと消えてしまうのだろうと

諦めて、強い方に賭けた


でも、君は弱い方に賭けた

なんでかは分からなかった

ただ、君の微笑みを見ていたら

負けてしまうと予感した


たった一人の強すぎた想い

みんなのささやかで小さな想いたち

想いの強さは、僕が賭けた方が強いはずなのに

叶わないって、思ってしまう


勝ったのは、みんなの想い

挫けた強すぎた一人の想いは

支えられずに崩れ

一人が挫けても

その一人を支えたみんなの想いは

しっかりと立ち上がって


温かなその奇跡は

寄せ集めた全ての想いを

受け止め、昇華させ、輝やかせた


これが、数千年に一度の奇跡

あまりにささやかで小さくとも

これはあまりに優しすぎる奇跡だった


絶望から這い上がった想いと

絶望より託された希望の想い


それはあまりに美しく、悲しいもの


託された想いに、温かな奇跡


優しすぎてしまった奇跡


それは、時に残酷だった


託された者がそのことに気付くのは

きっとまだ、先の話で

優しさの対価は、あまりに大きすぎてしまった


僕は負けた代わりに

その者を、蔑む代わりに哀れんだ


そして、知る

君が、同情でなくこのことに知っていて

尚賭けたのだと

それが、君の残酷な性であったことを


僕は、今になって思い出して

更にその者を、哀れんで、愉しんだ

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