漆黒の世界~黒影~
突然だがこの世界は理不尽だと思わないかい?
どんなに幸せであろうと不幸であろうと
運命というものによってその者の人生を変えられるのだから
運命とは偶然の出会いや出来事がその者の将来を決定づけることだ
運命なんか信じないという者がいたりするが
結局はやることすべてが運命といえるのではないか
だがもしそうでないというなら何が違うのか
君はどう思う?
まぁ、確かに全部が全部運命というわけではないかもしれないが
運命というものが人生を決めるというなら
最初から人の人生は決まっているのではないか?
もしそうなら人に限らずすべての生き物のことも言える
最初から決まっている人生をわざわざ生きていく必要はないだろう
ある意味、生き物の人生は神様にとってのゲームなのかもしれない
なぜなら最初から人生が決まっているというならまるで私たちが一人一人ゲームの中の勇者みたいで
その者によって全然違うストーリーをしているみたいだろう
言っておくけどこれはあくまで個人的に思っていることだから
事実を述べているとは思わないでくれよ
思っている者はいないとは思うが、もしそう思っていたとしたらすまなかった、謝罪するよ
まぁ、とりあえず私が思っているのは生き物の人生は神様のゲームみたいなものじゃないかってことだ
話が外れるけど、君はなんのために生きているんだ?
こんな決まりきったような世界で――――――――
わたしは生きている意味を探すために生きている
どうやって探しているかって?
それはねぇ、いろんな人とかかわって探している
人間観察とでも言うべきかな
意外と楽しいよ、他の人のことを観察するって
君がまだ生きている意味を探しているっていうなら君も私と同じようにすればいい
今までいた世界と変わって見えると思うよ
嫌いな人でも好きな人でも観察してみるといい
人それぞれ個性というものがあるからね、不思議と嫌いな人間でも観察してみたくなる
勘違いしないでねそれは愛とかそういう感情じゃないよ
人という存在に興味が出るということさ
でももし生きている意味があるというなら
その意味を貫き通すといい、きっと幸せになれるよ
運命によってね
さてとそろそろ行こうかな、楽しかったよ少しの間だったけどね
わたしはこれから人間観察をしてくるよ
それじゃ、また会える日を楽しみにしておくよ
じゃあね、名もわからぬ友よ
シルクハットに仮面そして燕尾服で身を包んだ男―――黒影は月夜を駆け抜ける
生きている意味を探すために―――――――――――――