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雪
「はあっ、はあ…はあ」
雪のせいで上手く歩けない、まだ寒い朝方の冬。
「はあ…はあ、」
あと少し、あと少し手を伸ばせば君に届く。
「琴音っ!」
此方を振り返る
「待たせて、ごめん…」
「遅いよ、清水くん…ばか」
今にも泣き出しそうな顔をした君を急いで抱きしめた。
吹雪が視界を眩ませる。
それでも今二人だけ、二人の世界で…
「見せたいものも聞かせたいものも、沢山あるんだ!」
「うん、沢山聞かせて…!」
カシャ
今日この日も写真に残す。
そして2人手を繋いでこの吹雪の中を歩いていく。
夏色の君を連れて、冬解けを目指して。
こんにちは。
新作です。本編はこの後からになり、この話は前振りだと思って頂いて結構です。
次回更新はまた先の話になりますが、乞うご期待‼️といったところでしょうか。
ではまた、