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わんわん  作者: yukko
9/13

僕の家、そして僕の家族

寝てたみたい。

起きたら僕だけだったんだ。


⦅あれっ? ここ、どこ? どこなの?

 パパ……ママ……ひろ………どこに居るの?⦆


「あら! 起きたのね。」

⦅あれっ? お姉ちゃんみたいな人だっ!

 ねぇ、パパは? ママは?⦆

「先生、呼んでくるからね。待っててね。」

⦅あ―――っ! 行かないでよぉ~。

 先生って誰?

 パパぁ~。ママぁ~。ひろぉ~。

 どこに居るの?⦆


ドアが開いて入って来た!


「起きたんだね。診察するね。」


僕を抱っこしてくれた。

そして、僕を台の上に乗せたんだ。


「うん。大丈夫だね。

 暫く様子を見て。

 舐めるかどうかを見ておいて。」

「はい。分かりました。」

「舐めるようだったらエリザベスカラーを着けるから……。」

「はい。先生。」

「うん?」

「ご家族に連絡は?」

「終わったことだけ連絡して、それから、暫く様子を見ることも…。」

「はい。分かりました。」

「じゃあ、頼むね。」

「はい。」

⦅僕を抱っこした人、せんせいって名前なんだ。

 僕の名前はね。ONEだよ。⦆


僕は帰られなかったんだ。

その部屋から出ることも出来なかったんだ。


⦅もしかしたら、もう会えないのかな?

 だって……お母さんと会えなくなった時………

 また、会えなくなるのかな………。

 会いたいよぉ~。パパ、ママ、ひろ……に会いたいよ。⦆


どの位経ったのかな……。

僕を呼ぶ声がしたんだ。


「ONE君、お迎えよ。」


そして、僕を抱っこして連れて行ってくれたんだ。


⦅パパ! ママ! ひろ!

 会えたぁ~! 嬉しいよぉ~。⦆


「無事に終わりました。」

「ありがとうございました。」

「この子は舐めなかったのでエリザベスカラーを着けていません。

 ですが、これから舐めるかもしれませんので、一応エリザベスカラーを購入して

 お持ち帰りください。」

「はい。分かりました。」

「とってもお利口さんでしたよ。」

「そうですか!」

「少し寂しそうに見えました。

 ドアを見つめている姿が……

 お家の方を待っていたんです。」

「………はい。」

「捨てられた子なので、不安だったと思います。」

「……はい。」

「安心させてあげてください。」

「はい。」


僕をパパが抱っこして、来た時と同じ人たちと一緒に車に乗った。

今度はどこに行くのか……僕はとっても不安だった。

でもね、着いた先がパパ、ママ、ひろの家だったんだよ!

僕、嬉しかった。とっても嬉しかったんだ。

僕はもう置いて行かれたくないって思ったんだ。

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