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わんわん  作者: yukko
6/13

名前

なんか……隅っこに居ると安心するんだ。

なんでだろう?

分かんないや。


⦅眠たくなっちゃった………⦆


「この子、テレビと壁の間に居ると安心するのかしら?」

「居るね。寝てるし……。」

「わんわん!」

大翔(ひろと)、わんわんは眠たいのかも……。

 わんわん、おねんねみたいよ。」

「わんわん、おねんね?」

「そう、おねんね。」

「ひろ、も! おねんね。」

「まぁ、大翔ったら……。」

「わざわざ、隣へ行くのか?」

「わんわん、いっちょ、ね。」


目が覚めたら、小さい人が隣で寝てた。


⦅ビックリしたぁ~!

 でも……みんなと寝てた時みたいだ。

 みんな、どこに行ったのかな?

 会いたいなぁ……。

 お母さん……。⦆


「あらっ? 起きたのね。」


僕をお姉さんみたいな人が抱っこした。


⦅僕をどうするの?

 抱っこは好きだから、お尻尾ブンブンになっちゃう。⦆


降ろされたら、隅っこに行った。


「あれっ? やっぱ、そこがいいのか?」

「今日は激動の日だったから……

 この家に慣れるのに少し時間が掛かるのよね。きっと……。」

「じゃあ、俺はうちの王子様をベッドへ運ぶとするか……。」

「よろしく!」

「おうよ。」


お姉さんみたいな人がずっと見てるんだ。


⦅僕をどうして見てるの?⦆


「ねぇ、貴方の名前、何がいいかしら?

 レオ、ロイ、ルーク………。

 どれがいいかしら?」


⦅なまえ? 何、それ?

 美味しいの? お腹空いたよぉ~。⦆


バスの人が戻って来た!


「ねぇ、この子の名前何がいい?」

「どうしようか?」

「ゴールデンレトリバーだから、英語の名前がいいと思うんだけど……。」

「そうだな!」

「私は、レオ、ロイ、ルーク…を思いついたんだけど……。」

「どれも、いいな!」

「でしょう! でっ、どれにするかなのよね。」

「俺は……ロイかな?」

「どうして?」

「大翔が言えそうだから……。」

「そうか……。じゃあ、大翔に決めて貰おうか?」

「そうしようよ。一応、俺はロイでっ!」

「私は…ルーク!」

「分かれたんだな。」

「だから、大翔に決めて貰うのよ。」

「夕飯だけど、私たちの後でこの子よね。」

「そう! 人間が先!」


それから、僕は隅っこに居たんだ。

ご飯を待ちながら……。

しばらくして遠くから声が聞こえて来たんだ。


「わんわん! わんわん!」

「大翔が起きたわ。」

「じゃあ、お迎えに行って来よう!」


小さい人を抱っこしてバスの人が戻って来た。


「わんわん!」

「好きになったんだな~。」

「大丈夫よ。わんわん、どこにも行かないからね。

 これから毎日……。 居るのよ。」

「いる?」

「そうよ。」

「大翔、わんわんの名前、決めるよ。

 ロイとルーク、どっちがいい?」

「わんわん!」

「あのね、名前はわんわん、じゃないんだよ。

 ロイ……ルーク……どっちがいい?」

「わんわん!」

「だからロイとルーク!」

「わんわん!」

「ああ―――っ! 無理だ!」

「あなた……大翔にはロイもルークも違うのよ。」

「じゃあ、どうするんだよ!」

「ONEはどうかしら?」

「わん?」

「英語表記でO・N・E!」

「わんわん!って呼んでもOKだな。」

「私たちにとってはね。」

「じゃあ、ONE! お前の名前は今日からONEだぞ。」


それから、僕はONEと呼ばれるようになったんだ。

ご飯やおやつに釣られて僕は覚えたんだよ。

ONEって呼ばれたら「いいこと」があるって分かって、ONEを覚えたんだ。

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