ここ、どこ?
どっかに連れて行かれちゃった。
僕は車ってのから下ろされて、初めて見るお家に入れられた。
お家には他にも人が一杯!
僕を抱っこして家に入った人はバスの人。
その隣にお姉ちゃんみたいな人。
家の中で会った人は……小さな人!
その小さな人を抱っこしている人。
その隣にも人が3人居たよ。
「まぁ~、可愛いわぁ~ ♡ 」
「ゴールデンレトリバーの子犬かぁ……。」
「大きくなりますね。」
「そうですね。」
「お義父さん、お義母さん……
ありがとうございました。
大翔を見てくださって……。」
「いいのよ。こういうことなら何度でも嬉しいわ。
ねぇ、貴方。」
「そうだよ。婿の君から話を聞いて嬉しかったよ。」
「お義父さん、お義母さん……
私もお礼を……。」
「気にしないでくれ! 孫の世話を息子の嫁のご両親と一緒に見させて貰えて嬉し
い限りだ。」
「そうですわ。」
「本当にご一緒で嬉しい限りですわね。」
「有難いよ。可愛い子犬も見させて貰えるし……。」
「それにしても人懐っこいですな。」
「ゴールデンレトリバーの子犬らしいですね。」
「さっきから、お腹を見せてばかりですわね。」
「本当に……。」
いっぱい人が居て、いっぱいナデナデして貰って、僕、嬉しいなぁ~。
小さな人、僕みたいに来るんだ。
「まぁ、大翔ったら……ハイハイでワンちゃんに近づいてるわ。」
「よく見ておかないとね。大翔が何をするか分からないから……。」
「大人しいゴールデンレトリバーの子犬でも、お尻尾を触られたら嫌がるだろうか
ら、触らせないようにしないと!」
「本当に!」
⦅あっ! どこ触るの?
僕の耳! 引っ張らないで!⦆
「大翔! お耳を触っちゃ駄目!
わんわん、痛い痛いよ。」
「わんわん、ちゃいちゃい?」
「そう、痛い痛い!」
「わんわん!」
⦅抱っこしてくれるの? 小さい人。
違うの?
うわぁ~~っ! ちょっと苦しいよぉ~。
放してよぉ~。⦆
「大翔が抱き付いて離れないわ。」
「嚙んだりして無いから大丈夫みたいだね。」
「大翔、わんわん、痛いって……少し優しく抱っこだよ。」
「わんわん、ちゃいの?」
「そう、痛いって言ってるよ。優しくね。」
「やちゃちく……。」
「ママが大翔を抱っこするみたいにね。」
「やちゃちく……。わんわん!」
⦅苦しくなくなったよ。
良かったぁ~。
小さい人、好きだよ。僕………⦆
僕、いつまで、ここに居るのかな?
バスの人の所に帰らないの?
………ううん。違う。
僕、お母さんの所に帰りたいよぉ!
帰りたいよぉ~!