表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わんわん  作者: yukko
4/13

新しい家族

バスの人達が色んな所にポスターっていうのを貼って!ってお願いしたんだって……。

なんで?

分かんないや。

僕たちは楽しいよ。

お母さんに会えないのは……寂しい……。

けどね、バスの人達みんな可愛いってナデナデしてくれるよ。

ごはんも貰って食べてるよ。

僕、ここが好きになったんだ。

バスの人達、とっても優しいから大好き!


「おい、みんな!」

「はい。」

「何ですか?」

「問い合わせがあったぞ。」

「子犬の?」

「そうだ。」

「やったぁーっ!」

「で、どんな人なんですか?」

「問い合わせは2件だ。

 1件は夫婦だけの家。もう1件は夫婦と小学生の子ども4人家族。」

「そうなんだ。」

「先ずは見に来て貰うことになったから、よろしくな。」

「はい!」


僕たちが遊んでいる時にバスの人達でない……知らない人が来たんだ。


⦅だれぇ? 誰なんだろう?⦆


気になって僕は走って行ったんだ。

クンクン……やっぱり知らない匂いだ。


「可愛い~♡ 可愛いわぁ~♡ 」

「うん。めっちゃ可愛いね。」


ナデナデして!って言う前に、いっぱいナデナデしてくれたよ。

うっとりしちゃう。ナデナデ……気持ちいい。

僕たちはお腹を見せて、⦅ナデナデしてぇ~。⦆って……。

そしたら、めっちゃナデナデしてくれた。

もう嬉しい!

なんか眠いや………。

寝てしまってた僕。

気が付いたら、居ないんだ。妹が……。

うん? 妹だったかな? 分かんないや。

でも、居なくなってたんだ。一緒だった女の子……。

気が付いたら、僕と弟だけになっていたんだ。

なんでなんだろう? 分かんないや。

うん? 弟? 弟だったのかな? 分かんないや。


その次の日にバスの人じゃない人達が来たんだよ。

今度はなんか小っちゃい人が2人。

初めて見るよぉ~。

何、なに? 小っちゃい人が気になるぅ~。

クンクン……やっぱ違う匂いだぁ~。

めっちゃナデナデ……

めっちゃ楽しい~。


「この子にします。」

⦅うん? 何?⦆

「そうですか。ありがとうございます。

 どうか、最期まで見てあげてください。

 お願いします。」

「はい。最期まで一緒です。」

「ありがとうございます。これは今食べている餌です。

 少ないですが、お渡しします。」

「ありがとうございます。」

「それから、これが予防接種をした後で貰った物です。」

「はい。ありがとうございます。」


「良かったな。いい子に…な。」

「元気でいろよ。」

「楽しかったぞ。ありがとう。」

「バイバイ。」


⦅何? なんなの? どうして? どうして連れて行っちゃうの?

 僕、一人になっちゃうよ。嫌だよ。

 なんで? 連れてかないでよぉ~!⦆


いっぱい鳴いてしまったんだ。

寂しくて鳴いてしまったんだ。

もう僕だけになっちゃった。


「どうする?」

「この子だけになったな。」

「もう少し、待ってみます?」

「そうだな。待ってみようか……。」

「あの……一応、俺、妻に聞いてみます。

 それで、妻がOKしてくれて……飼い主さんが見つからなかったら俺が連れて帰り

 ます。」

「おう……そうだったな。

 奥さんがOKしてくれたら教えてくれ。」

「はい。」

「取り敢えず、期日を定めて待ってみよう。

 一週間、待ってみるのはどうだ?」

「はい。それがいいです。」


僕一人になっちゃった。

寂しいけど……バスの人達は優しい。

ご飯も美味しい。

お散歩も楽しい。


「一週間経ったけど、問い合わせはゼロだ。

 君のお宅はどう? 飼ってもいいって?」

「はい。妻も飼いたいって言ってくれてます。」

「じゃあ、お願いするよ。」

「はい!」


僕、今からお散歩!

めっちゃ嬉しいな♡

お姉ちゃんみたいな人だ!


「うわぁ~。可愛い♡  今日から一緒よ。」


ナデナデいっぱいしてくれる。

めっちゃ、嬉しい!


「おい、うれションしてるぞ。」

「やっぱり、男の子だな。美人が好きなんだ。」

「……美人だなんて……。」

「この子を頼みます。」

「はい。大切に育てます。」

「おい、時々連れて来いよ。 会いたいからな。」

「勿論です。」

「元気で居ろよ。」


お散歩に行って帰って……

あれっ? 違う。

なに? どこに行くの? 僕、どうなっちゃうの?


「怖いのかな? 車の隅っこに居るわ。」

「そうだろうな。どこに連れて行かれるかか分からなくて不安なんだろうな。」

「大丈夫よ。今日から私たち家族だからね。」


⦅家族って何? おかあさぁ~ん。

 僕、どうなるの?⦆


僕はどこかに連れて行かれたんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ