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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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088 渡航資金

短いです。


 「それじゃあ、僕達が優先すべき事についての話をしよっか。」


 そう言って話を切り替える。


 「ああ、護衛か普通乗船かだな。」


 「乗船料高かったね。」


 声のトーンを戻して今後の話を始める。内容はノースト大陸までの渡航方法と料金についてだ。


 「1人最低10万トリアだっけか。高いよなぁ。」


 素材を売って少しだけ所持金を増やしたが、宿と夕食で半分は吹っ飛んだ。その結果今の全財産は2万ちょっと。僕とメイの分だけでも最低でもあと10倍は必要となる。しかも。


 「最低でも、だからな。たぶん10万のだと集団で雑魚寝だ。俺はそれでもいいが、お前達は無理だ。」


 「何で?」


 無理だと言われたが理由がわからない。年齢とか?


 「見た目だ。お前ら2人があんなとこで寝てみろ、間違いなく襲われんぞ。」


 「うえっ!?」


 「あー、そうだね。そういえばその可能性はあったね。忘れてたよ。」


 グレンの予想に僕はめちゃくちゃ驚いたが、メイは違った。


 「忘れてた?」


 「私が最後に旅をしてたのって1000年くらい前だからね。」


 「ああ、そうだったね。じゃあ船に乗る時はどうしてたんだ?」


 「グレンも言ってたけど襲われる可能性があったからなるべく高い料金を払って個室がある船に乗ってたよ。護衛は面倒だったからやった事無いかな。」


 個室がある船とか料金はいくらになるんだろうか。まったく予想出来ない、というよりしたくない。何せ今の話の流れからして商船護衛じゃない場合、個室付きになりそうだからだ。


 因みに護衛とは冒険者ギルドで受けられる商船護衛依頼のことだ。商船の護衛として船に乗り込み、海賊や魔物が出た時に船や乗員、荷物を守るのが主な仕事だ。


 そして護衛依頼の場合乗船料は発生しない。むしろ護衛料として報酬が支払われる。


 ただし、当たり前だが誰でも依頼を受けられるわけでは無い。ギルドが許可を出し、商人や商会側が納得しなければ護衛は出来ない。


 「てことは高い料金で乗るか護衛で乗るかか。」


 「あー、護衛も難しいな。つかたぶん無理だ。」


 「何で?」


 「メイの見た目がなぁ・・・。子供がいるパーティーが信用されると思うか?」


 グレンがメイに視線を向けながら理由を教えてくれた。


 どうやら2択だろうと思っていたら1択だったらしい。


 「無理だねぇ。僕が商人にならふざけてるのかと思っちゃう。」


 「だろ?となると。」


 「高い料金を払って乗船、か。」


 ただでさえお金が無いのにもっと必要になった。というかいくらくらいするんだろう。


 「メイが乗った時っていくらだった?」


 「時代から何から当てにならないと思うけど、当時で200万くらいだったかな?」


 「にひゃっ!?」


 あまりの金額に叫び声をあげそうになったが何とか堪える。


 だが高い。高すぎる。本当に当てにならない。


 「そりゃかなりいいやつの値段だな。個室で安いのだと大体30万くらいだ。まあそれでも高えけどな。」


 「30万・・・、1人30万?一部屋30万?」


 「1人30万だ。」


 高いよ。3人で90万じゃん。


 グレンの所持金がどのくらいあるのか知らないので、あといくら必要なのかわからないが僕とメイの分だけでも残り58万トリア足りない。


 「はぁー・・・。当分は渡航資金集めか。」


 「そういう事だな。つうわけで明日から祭りまでは休み無しで討伐と素材採取依頼だ。」


 「はーい。」


 「はい・・・。」


 観光などと浮ついた予定を立てる事が出来なくなった。


 まだちゃんと海見てないんだけどなぁ・・・。

また明日。

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