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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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086 予想以上に

お久しぶりです。


 「おう、来たか。」


 メイを連れて食堂に入ると先に来ていたグレンが片手を上げて声をかけてきた。


 「ごめん、待たせた。思ったより時間かかって。」


 あれから宿を出てまず服屋に向かった。


 そしてメイと共に店内に入ると店員のお姉さんにブチギレられた。


 髪と目の色が同じなので兄妹だと思われたのだろう。妹になんて格好をさせているんだ。それでもお兄ちゃんか。と凄まじいキレ具合だった。


 「服だ何だと色々あったんだろ?時間かかんのはわかってたさ。料理と飲み物は適当に注文しといたぞ。」


 その後、でっちあげた理由で何とかお姉さんを落ち着かせ、メイの服を選んでもらえないかお願いした。が、ぶっちゃけこれが失敗だった。


 張り切ったお姉さんがあれもこれもと服を持ってきだし、メイを着せ替えだした。


 3時間も。


 「ありがとう。まぁ、大半が服だったよ。」


 「あのお姉さんすごかったね。後半目がやばかった。」


 メイの言う通り時間が経つにつれお姉さんの目がやばかった。何かギラギラして血走ってた。


 ちょっと怖くなって大丈夫か聞いてみると、メイの見た目が可愛すぎて我慢出来なくなったと言い出した。後ろにいた店長は申し訳なさそうな顔でめちゃくちゃ頭を下げていた。


 その後、何とか服や下着なんかを選び抜き、代金を払って店を後にした。服選びだけで2人共疲れ切ってしまっていた。


 因みにメイの服代だけで2万トリアかかった。


 「中々濃い体験だったみてえだな。それにしても服の色同じにしたんだな。」


 「ああこれね。いや、メイが色は揃えるって前に言っててさ。忘れてるかなって思ってたんだけど・・・。」


 「何言ってんの?忘れるわけないでしょ。」


 「て事でこうなった。」


 服屋を出てからは防具屋に向かいつつ、メイ用のマジックバッグに使うEランクの無属性魔石を探して町を歩いた。


 「なるほど。バッグはどうだった?魔石売ってたか?」


 「あったよ。相場通り3万トリアだった。」


 色々と店を巡り、時には店主に魔石が売ってる店を聞いて何とか見つける事が出来た。


 やはりアルメガとは違い、ダンジョンの近くだからだろうか3つも売っていた。


 それから防具屋に行き、マジックバッグとメイ用の靴と皮の胸当て、手袋を購入。そしてDランク魔物の皮と魔石でマジックバッグのランクアップをした。


 Eランクに上げる時は魔石だけしか使わないが、Dランクでは同ランクの魔物の皮が必要になる。なのでこのために皮2枚は売らずに残していた。


 因みにメイの身分証となる冒険者カードを作り忘れていたので、防具屋を出た後に再度冒険者ギルドに行くことになった。素材売った時に作っておけばよかった。


 「つう事は2人共バッグがDランクになったのか。20個ずつ持てるようになれば今後の旅も多少楽になるな。調理器具とか買ったんだろ?」


 「買ったんだけどさ・・・。思った以上にお金かかっちゃって魔道コンロが買えなかった。」


 「魔道コンロ?焚き火じゃダメなのか?」


 「ダメじゃないかな。記憶無い僕でもわかるぞ。さてはグレン、料理しないな?」


 「・・・焼けば食えんだろ。」


 「ワイルド過ぎるよ。」


 アルメガで見た時と同じく、魔道コンロは5万トリアだった。欲しかったのだが、この時には残金が5万を下回っていたので買えなかった。


 「結局焚き火でも使える鍋とか、食材を買って終わっちゃったよね。」


 「あれだけでも2万ちょっとかかったな。ちょっと使い過ぎた・・・。」


 「そんなに金使ったのか。あとどんくらいあんだ?」


 「・・・1万2000。」


 Eランク魔石に3万。マジックバッグ代に1000。2人分のバッグ強化代に2万3000。メイの服と靴と防具に2万8000。その為鍋やら食材に2万1000。合計で10万3000トリアだ。


 僕の全財産が11万5000トリアだったので、残りが1万2000トリア。正直やばい。カルヴァースに着くまでの間にある村で泊まる分はあるが、カルヴァースに着いてからの分が無い。無計画だった。


 「お前・・・。」


 「すまないグレン。お金貸して下さい。」


 「もう少し申し訳なさそうにしろ。はぁ・・・、買った食材って俺の分も入ってんだろ?」


 「ん?そりゃ入ってるよ。」


 「なら鍋やら何やらの代金半分払う。2万ちょっとって言ってたな。1万でいいか?」


 「いいのか?」


 そう言ってテーブルの上に1万トリア分の硬貨を置く。まさか半分出すとは思っていなかったので聞き返すように確認してしまう。


 「俺も食うんだ。そりゃ出すさ。」


 「わかった。不味いものにしないように頑張るよ。メイが。」


 「え?私なの?ナインも作るんじゃないの?」


 「僕はほら記憶無いから。まずは教えてもらわないといけないし。」


 「そうだけど。まあいいや、頑張るよ。」


 硬貨をバッグにしまいながらメイに料理指導と調理をお願いする。ああ言ったが一応人任せにするつもりは無い。


 それから程なくしてグレンが注文した料理が届き、わいわいと色々な事を話しながら久しぶりのちゃんとした食事を楽しんだ。


 明日からまた数日は途中の村に着くまで野宿生活だ。しっかりと食べて休んで英気を養っておく。


 その後は明日も朝早くから出発するので、各自部屋に戻るとすぐに横になった。


 因みに、またメイが一緒に寝ようと言い出すのがわかっていたので、諦めて最初から一緒に寝る体でいた。その結果僕の態度に気付いたメイがやたらと喜び、中々寝かせてもらえなかった。


 子供か、早く寝ろ。

投稿ペースを調整しようか悩み中。

出来れば毎日投稿したい。

が、正直ちょっと大変。

なので急に休みが入るかもしれません。


完全週休二日制にしようかな・・・。


それでは

また明日。

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