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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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076 探索再開


 「じゃあさっき言ってたスキル。双剣と投擲について頼む。」


 メイには見た方がわかりやすいと言われたが、速攻で終わってしまったので正直よくわからなかった。


 「いいよ。それじゃあまずはさっきの戦い方を簡単に説明するね。」


 2人でサンダーフォックスの毛皮と魔石を拾いに向かいながら、先ほどの戦闘についての話を始める。


 「さっきのはね、マジックソードを2本出して、魔力制御で操って、撃ち出した。これだけだよ。」


 メイは渾身のドヤ顔を見せながら、本当に簡単な説明をした。


 「いや、それは見てたらわかるよ。」


 もっと詳しく説明してくれ。何をやったのかしかわからんじゃないか。


 「い、今からするよ。えーと、まずは双剣のスキルについてかな。双剣スキルはね、剣を2本以上使用すると威力が上昇するスキルだよ。」


 「剣を2本以上?でも使ったのってマジックソードだろ?」


 魔法で出した剣もスキル対象になるのか?


 「今のナインが使うマジックソードじゃ対象にはならないけど、もっと魔力制御力を上げてより密度の高い、より精巧なマジックソードだと対象になるんだよ。」


 「そうなんだ。なんでまたそんな風になるんだ?」


 「この体と同じだよ。しっかりと詳細に作り上げると、物質体として世界が認識するんだよ。ただし!無属性の魔力じゃないとダメだけどね。」


 なるほど。魔力で肉体を作るのと原理は同じか。作ったものが体か肉体かの違いでしかないと。


 それに魔力も無属性と限定されている。であれば普通の人じゃ魔力が足りなくてやれないし、やらない技術だな。


 「因みに、私たちの場合は魔石から魔力供給をして肉体を維持してるから消えないけど。マジックソードも魔力を供給し続ければ残るよ。私は戦闘が終わったから消したけどね。」


 ふむふむ。という事は魔力制御を鍛えれば、剣が無い!どうしよう!みたいな時に魔力で剣を出したりも出来るのか。完成度や強さは別としても。


 最悪完成度の高い棒でもいいか。マジックロッドかな?


 「よくわかったよ。ありがとう。じゃあ投擲は撃ち出した剣の威力を上げるためか?でも投擲って名前なのに投げてないよな?」


 マジックソードと双剣については粗方理解したので次の投擲について聞いてみる。


 投げてないのに適用されるのだろうか?


 「投擲のスキルはね、武器なんかの道具を使わずに物を飛ばした時に威力が上昇するスキルなんだよ。」


 ああ、そういう感じなのか。


 「そうか。武器を使う場合は武器スキルがあるもんな。」


 なるほどなぁ。


 「そういう事。さて、これで解説も終了かな?他に質問はある?」


 「理解出来たし大丈夫だよ。」


 メイのスキルについて大体の説明を受け、これまた大体は理解できた。聞いておきたい事も特には無いだろう。


 それにしても、スキルというのは何かとややこしいなと実感する。スキル名だけ読んでこういうスキルだろうと思うだけではいけないようだ。


 今度スキルに関する本でも読んでしっかり勉強するとしよう。以前冒険者登録をした時に貰った冊子に、ギルド内に資料室があると書いてあった。ぜひ利用させてもらおう。


 「あと一応伝えとくと、今のMPの量だとマジックソードは2本しか出せないからね。」


 「ああ、無属性魔法だからか。」


 魔力がバカみたいに消費されるからな。


 「そうそう。実際、さっきの戦闘だけで3000ちょっと消費してるしね。」


 たった数秒の戦闘でメイの総MPの1割が消費されたらしい。恐ろしく燃費が悪い戦闘方法だ。今のメイにはMP回復UPスキルは必須だろう。


 「長期戦は出来なさそうだな。」


 「だねえ。一応ナインからMPを供給してもらうって手もあるけど、戦闘中にそんな余裕があるかもわかんないしね。」


 「そんな事出来るのか?」


 また伝え忘れかな?


 「言い忘れてた。お互いの体が触れた状態で、ナインから私に魔力を流してくれれば出来るよ。手を繋ぐのが1番楽でやりやすいかな。」


 「魔道具を使う時みたいな感じか。」


 「そんな感じ。」


 ならやり方は問題無さそうだ。戦闘中に出来るかはわからないけど。


 とりあえず長期戦になりそうな時はメイの攻撃頻度は抑えてもらおう。最初から飛ばしすぎてすぐにMP切れになられたら大変だからな。


 「MPの供給に関しては状況を見てだな。とりあえず長期戦の時は抑え気味に頼む。」


 「はーい。」


 さて、これで確認しなきゃいけない事も無くなっただろう。たぶん。


 ならばさっさと移動するとしよう。


 隊列は・・・。さっきのままでいいか。


 「よし、それじゃあ改めて探索再開だ。目標は今日中に4階層踏破!」


 「あと追加の宝箱も!」


 確かにそれも大事だな。アクセサリーみたいなアイテムはいくらあっても困らない。余ったら売ればいいし。


 「では、出発!」


 「おー!」


 変なテンションで変な茶番をこなし、僕たちはダンジョン探索を再開した。


 「あ、グレン忘れてた。」


 今だに固まったままのグレンを置いて。

また明日。

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