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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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073 能力制限


 「盛り上がってるとこ悪いけど、40レベルっていっても肉体年齢でステータスに制限かかってるからね。」


 僕がグレンの言葉に落ち込んでいるとメイが何やら重要な事を口にした。言ってる内容からしてどうやらレベル通りの強さではないと言うことだろうか。


 「どういう事だ?」


 「言った通りだよ。今の私の肉体年齢は10歳前後。だからどんなにレベルがあって能力値が高くても、実際に発揮できる力はステータス画面に表示された半分くらいしかないんだよ。MGIは精神とか魔力関係だから別だけどね。」


 「そうなんだ。」


 「因みに普通の人でも同じような事になるよ。」


 メイの説明を聞いて何とか理解する。であれば今のメイはMGI以外は20レベルくらいの能力値という事か。


 それに普通の人でも同じように制限がかかるという事は、これはもうどうしようも無い事なのだろう。

 

 「なるほど、理解したよ。それじゃあレベルが40だったり、スキルレベルが一定なのは何でだ?」


 表示されたステータス画面のスキルレベルが10で止まっている。どう考えてもメイが止めている訳ではないだろう。


 ならばこれもまた肉体年齢とは違う能力制限なのか。どういう理由で制限されているのだろう。


 「レベルとスキルレベルが一定なのは魔石のランクが原因だね。Cランクだとこの辺が限界みたい。」


 「ああ、魔石のランクが理由なのか。て事はランクが高くなれば制限も少しずつ無くなるって理解で合ってる?」


 「合ってるよ。だから私が強くなるにはB以上の魔石が必要って事だね。」


 ふむふむ。普通の人みたいにレベル上げをして強くなる訳じゃなくて、今より高いランクの魔石に交換して制限を無くしていく感じか。


 メイの話を聞き、やはり僕たちの旅では魔石探しが重要だと再認識する。


 「制限を無くしていくって事はよ、メイの強さはそれよりももっと上って事なんだろ?じゃあ元々のレベルはどのくらいなんだ?」


 僕とメイの会話で気になる部分があったグレンがメイに問いかける。だが横で聞いていた僕はおそらく答えてくれないだろうな、と思った。以前に似たような事を聞いたが答えてもらえなかったからだ。


 「前にナインにも言ったけど、まだ教えられないんだ。ごめんね。」


 やっぱりか。


 「ん?何でだ?」


 「まだ君達は知らない事が多すぎるんだよ。だからいつか、この世界についての理解が深まったら教えてあげるよ。」


 まるで諭すように話すメイの声は、いつもと違う、どこか超常的な雰囲気がした。


 やっぱり君は・・・。


 一応僕の中でこういう存在なのではないか?という考えはある。だが本当のところはわからないし、聞いても伝えても今みたいにまだまだ答えてはもらえないだろう。


 だからその時までこの考えはしまっておく。たまに出てきちゃうけどね。


 「何だそりゃ・・・。まあ答える気が無えってのはわかったよ。とりあえず今はそれでいい。いつかナインと一緒に教えてくれ。」


 「それは約束するよ。」


 「ならいいさ。」


 はてさていつになる事やら。だがその時がくるようしっかり頑張るとしよう。


 それはそれとして。


 「話は戻るけどさ。メイのステータスにあるエクストラスキルの部分が***になってるのは何でだ?これも魔石とか肉体年齢の制限?」


 話を戻し、別の疑問をメイに聞いてみる。僕のステータスにはこんな表示は無いので気になっていた。ただ、おそらくこれも制限のせいだろうけど。


 EXPにも同じ***表示がされているが、これは魔石のランクが原因だろう。レベルは魔石のランクで制限を無くしていくって言ってたし。


 「これは魔石のランクによる制限だね。今のCランク魔石だと、エクストラスキルは使えないみたいだね。」


 「予想通りか。ていうかやっぱりエクストラスキル持ってるんだな。」


 僕の予想通り制限されているせいだった。だがそれよりもメイがエクストラスキルを持っている事の方が気になる。しかも3つも。


 「なに?エクストラまで持ってんのか!?マジで何者なんだよ・・・。いや、そんな事よりどんなエクストラ持ってんだ!?」


 レベルの時同様、またもグレンが興奮したように喋り出した。びっくりするからもう少し落ち着いてくれ。


 ただ僕も聞こうと思ってたので、メイに視線を向けて答えを促す。


 「エクストラスキルはね・・・。うーん、やっぱり内緒。」


 「はあ!?何でだよ!?」


 「だってその内わかるでしょ?それに言ったところで今の私じゃ使えないし。」


 最初は答えようとしていたように見えたが、結局内緒にされた。確かに使えないのに言っても仕方ないのはわかる。だがそれはそれとして気にはなるのだ。


 まあ言う気は無さそうなので諦めるとしよう。


 「ほらグレン、諦めろ。メイは言わないと決めたら絶対言わないぞ。」


 何となくメイについてわかってきたが、彼女は一度言わないと決めると、自分が言うと決めた日まで言わないのだ。たった1ヶ月の付き合いだがまず間違ってはいないだろう。


 言い忘れは多いけどな。


 「流石ナイン、わかってるね。そういう事だから諦めてね。」

また明日。

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