表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
72/251

071 兄妹ではない

祝!2000PV!

見に来てくださっている方々に感謝を!!


話は変わりますがちょっと短いです。


 「なるほどな。・・・それにしても2人並ぶとそっくりだな。兄妹みてえだ。」


 確かに髪と目の色が全く同じなので、側から見るとそう見えるだろう。


 今後誰かに説明する時は兄妹で通した方が楽かもしれないな。ファミリーネームも同じだし。












 「兄妹じゃないよ!私はナインの妻だよ。間違えないでね!」


 は?


 そんなふうに今後について思考を巡らせていると、その考えを全てぶち壊すような発言がメイから聞こえた。


 何言ってんだこの人?


 「あ?そうだったのか?ナインはそんな事言ってなかったぞ。」


 「照れてたんだよ。察してあげなよ。」


 「そうかあ?あの顔は初耳だって顔だと思うんだが?」


 そう言って2人が開いた口が塞がらない僕の顔を見つめる。


 もちろんグレンの言う通り初耳である。この1ヶ月を思い出してもそんな発言は間違いなく無かった。


 「・・・初耳だよ。何言ってんだ?」


 どこから妻なんて立場が出てきたんだよ。せめて言えよ。納得するかは別だけど。


 「私とナインは一心同体の運命共同体だからね。今後も離れることは不可能。ずっと一緒って訳だよ。ならもうそれって夫婦だよね。」


 メイの口から事実を交えた暴論が飛び出す。無茶苦茶だ。何で目覚めてすぐ嫁がいるんだよ。


 本当にメイの思考が謎過ぎて混乱してくる。薄々思っていたがやはり彼女の思考回路は人とズレていると思う。


 「そんな無茶苦茶な・・・。」


 「諦めてね。それに私が側にずっといるのに他の女性とお付き合いできると思うの?」


 半分以上脅しが入っていそうな言葉でメイが説得を試みてきた。いちいち怖いんだが。


 ただ言われてどこか納得している自分がいる事に少しだけ驚く。


 確かにメイとは離れる事は出来ない状態だ。これは今後も絶対に変わらないだろう。ならその状態で恋人を作れるか?確実に無理だろう。


 ではメイの発言を無視するか。それもまた難しい。というよりも無理だろう。何故ならたぶん彼女はずっと言い続けるからだ。場合によっては言いふらしかねない怖さがある。


 それらを踏まえて考える。するともう、諦めて納得するという選択しか出てこなかった。考えるのが面倒くさいというのもあるけど。


 仕方ない。


 「はぁ・・・。わかったよ。」


 「本当に!?やったあ!!」


 僕が納得した事が余程嬉しかったのか、その場で手を上げてピョンピョンと跳ね出した。その姿が見た目と相まってより子供に見える。これが僕の嫁さんかよ。


 「嬉しいのはわかったからとりあえず、その姿の時は誰かに言うなよ。」


 幼女趣味だと思われたら人の目が怖いし、最悪捕まってしまう。


 「わかってるよ!」


 物凄くいい笑顔で了承してきた。ただ正直その笑顔のせいでいまいち信用出来ない。


 「本当に頼むな・・・。」


 マジで頼むよ。






 「・・・どっちかだけ変なのかと思ってたが、やっぱどっちもおかしいな。」


 蚊帳の外になっていたグレンが僕たちを見てそう呟いていた。


 だがその声は楽しそうに話すメイの声にかき消され、2人に届く事はなかった。

また明日。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ