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レゾンデートル  作者: 星街海音
序章
7/251

006 名前とステータス

今日はここまでです。

また明日。

 『そうだ!あなたの名前を決めないとね。』


 気合いを入れているとメイが少し楽しそうに言ってきた。


 そういえば自分の名前わかんなかった。

まぁそれどころじゃなかったし。

というかなにもわかんなかったからなぁ・・・。

それに、決めるって言う事はメイは僕の名前を知らないんだな。


 「いきなりだなぁ・・・。まぁ必要だけど。メイは僕の前の名前とか知らないのか?」


 一応聞いておくことにした。


 『いつまでも"あなた"じゃ寂しいでしょ。それとごめんね。前の名前はわからないかな。もう少し星辰体が残ってれば魔石に入った時に記憶を読めたんだけど、それができるほど残ってなくて・・・』


 しまった。

答えは予想通りだったが落ち込ませてしまった。

余計な質問だったなぁ・・・。


 「あー、ごめん。一応で聞いただけだったんだ。だから、気にしないでくれ。」


 急いで流れを戻さなければ。


 「それで?僕の名前はどうするんだ?」


 僕が自分で決めるんだろうか?

無理だな。なんとなくだが僕は得意じゃなさそうな感じがする。


 「メイは何か名前の案はあるか?」


 これで流れも戻るし名前も自分で決めなくてすむ。

よしよし。


 『ふふ・・・、ありがとう。』


 バレていたみたいだ。


 『名前の案はあるよ!今のあなたに丁度いいのが!』


 元々案があったのかメイは元気良く返事をしてきた。

声の雰囲気から、まるで早く発表したそうに感じる。


 『あなたの名前は・・・。』


 タメてきた。

僕はドキドキしてきたぞ。






 『ナイン・ウォーカー。』






 しっかりとした声で僕の名前の案を告げてきた。


 『・・・どうかな?』


 不安そうにしながらもメイが僕に聞いてくる。


 ナイン。


 ナイン・ウォーカー。


 うん。


 「いいんじゃないかな。うん、いいと思う。」


 『よかった!それじゃあ今日からあなたはナイン・ウォーカーだよ!』


 なんかすごい嬉しそうだ。

喜んでいるならいいかな。

僕は今日からナイン・ウォーカーだ。

よし!今後呼ばれたりした時にちゃんと返事できるようしっかり覚えよう。


 『よーし!それじゃあ名前も決まったし、ここから出る前にステータスを確認しようか。』


 なんかテンション高いな。

キャラも少しずつ変わってる気がする。

意外とメイも緊張してたのかもしれない。

そうだよな。よく考えたら彼女は記憶無くしてる訳でもないから、僕みたいに何もわかんなくて大変って感じじゃないし、ましてや彼女からしても初対面みたいなもんだ。


 んで、それはそれとして。


 「すてーたす?」


 何だそれ?確認ってどうすればいいんだ?僕、服すら持ってないんだけど?


 『自分の力とか内面を意識しながら"ステータス"って言ってみて。』


 力とか内面か。

意識・・・、意識・・・。


 「ステータス。」







ナイン・ウォーカー

Lv.1

HP:100/100

MP:32,558,419/32,558,419

AP:100/100


EXP:0/10


STR:13

VIT:7

DEX:10

AGI:11

MGI:11


SP:3


エクストラスキル

<---><---><--->


スキル

<---><---><---><---><--->

<---><---><---><---><--->






 なんか出てきた。


 意識して口に出すと、突然僕の目の前に半透明な板のようなものが出現した。

そこにはずらずらと名前や数字が表示されている。


 『あ、出てきたね。うん、想像通りのステータスだね。』


 メイが何か言ってるが、ステータスを見ている僕の頭からその言葉は素通りしていく。


 うーむ、よくわからない。

改めて本当に僕は色々知らない状態らしい。

これはこの先大変だなぁ・・・。


 『わからないと思うから一個ずつ説明するね。まずHPは生命力だよ。これがゼロになる死んじゃうって数値だね。次のMPは魔力で、これは魔法とか一部のスキルを使う時に使用する数値だよ。で、次のAPは技能力って言って、武技とかスキルを使う時に使用する数値だね。ここまではいいかな?』


 一個ずつって言ったのに一気にきた。

まぁそろそろ動いたほうがいいだろうし、仕方ないか。

それにそこまで複雑ではなさそうだ。


 「うん、大丈夫。」


 『よし。それじゃあ次のEXPは経験値だね。戦闘をしたり敵を倒したりするとこのゼロの数値の部分が増えて、右の数値を超えるか同じになると、名前の下にあるレベルが上がるよ。そしてレベルが上がると次のSTRとかVITの数値が増えて強くなれるからね。』


 なるほど。

戦闘か・・・。不安だ。


 『一応戦闘じゃなくて普通に生活してても少しずつEXPは増えるけど、本当に少しだからね。』


 やっぱり戦闘か。


 『さっき言ったSTRが筋力とかで、VITが体力。DEXが器用さでAGIが素早さ、MGIが魔力や魔法関係。数値の高さが肉体に影響するから覚えておいてね。』


 う、むぅ・・・

頑張って覚えよう。

てか僕のVIT低いな。体力無いのか。


 『そして最後にスキル。エクストラスキルは特殊な場所とか物で習得するものだから、これはまた今度ね。それでスキルはSPっていうスキルポイントを使ってステータスから覚えるものだよ。』


 エクストラはまた今度、と。

SPが三あるから何かスキル覚えれるのかな?


 『武器に関するスキルとか、魔法スキルとか、耐性スキルとか色々あるから、あとでゆっくり確認してね。ちゃんと一ポイントから覚えられるから大丈夫だよ。』


 ほうほう、色々か。

戦闘に関わるスキルが欲しいな。

あれば僕でも戦えるかもしれないし。


 『最後にステータスは"閉じろ"って念じれば消えるからね。さて、これでとりあえずの説明は出来たかな?なにか質問はある?』


 質問か。

色々頭に詰め込んでいる最中だから思いつかないな。

気づいた時でいいかな。


 「今は大丈夫。思いついたり気づいたりした時にその都度聞くよ。」


 "閉じろ"と念じてステータスを閉じながら頷いて答える。

無事にステータスは視界から消えた。


 『わかったよ。その時は遠慮なく聞いてね。』


 そうして少しだけ二人とも無言になる。

説明や確認などは粗方終わった。

そろそろ・・・。


 『・・・さて。』


 「ああ。」


 ここを離れる。

旅を、冒険を始める。


 「行くか。」


 僕はゆっくりと立ち上がる。


 『そうだね。行こう。』


 メイも答える。


 そして足を前に踏み出し、数歩進んだところでおもむろに振り返る。


 ずっと僕が眠っていた石の建物。

メイの家だったものだ。

それをしっかりと見据え。


 「行ってきます。」


 僕はなんとなくそう口にした。


 『行ってきます。』


 メイも同じ言葉を口にする。


 ここからスタートだ。


 そして体の向きを前に戻し、ゆっくりと進み始める。


 まだ見ぬ、まだ知らぬ何かに期待して。

初投稿するまでドキドキしていました。

メンタルブレイクしそう。

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