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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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067 待望のアレ

短いです。


 グレンの宝箱予想を聞いてからわずか10分。


 僕たちの目の前には宝箱があった。


 「・・・本当にすぐ見つかったな。」


 『本当だね。』


 正直グレンの予想は半信半疑だったので、まさかすぐに見つかるとは思わずかなり驚いた。


 「俺もまさかこんなすぐに見つかるとは思わなかったから驚いたぜ。」


 そう言う割に声からは特に驚いた感じがしなかった。気になってグレンの顔を見てみる。


 めちゃくちゃハッキリとドヤ顔をしていた。


 どうやら予想が当たったことが嬉しいようだ。子供か君は。


 「・・・よし、開けてみるぞ。」


 ドヤ顔をしているグレンは無視して、やっと見つけた宝箱にゆっくりと近づく。


 罠感知が反応しないのでどうやら罠は無いようだ。


 だが罠は無いとわかっていても中身にドキドキしている。僕は宝箱手をかけ、慎重に上蓋を上げていった。


 と同時にまた見つからないじゃないかという怖さで反射的に目を瞑ってしまう。


 『え?ちょっとナイン?目瞑ったら見えないんだけど!?』


 僕の視界から外を見ているメイがいきなり真っ暗になったことに驚いている。だが今は反応していられなかった。


 (・・・ごめん、ちょっと怖くて。)


 『気持ちはわかるけどいきなり目閉じないでよ。ほら確認しよ。』


 (わかった。それじゃあ同時に見るぞ。)


 『うん。』


 (いくぞ、せーの!)


 僕はバチッと音がしそうな勢いで瞼を開き、鑑定も同時に使用しながら宝箱の中身を確認する。












魔石

等級:C

属性:無

魔力値:34028/34028












 僕の前に出ていた鑑定画面には等級Cという文字が表示されていた。


 「んんーーーっ!!!」


 『ああっーーー!!!』


 大声を出してはいけないので、気合いで無理矢理口を閉じ、感情を爆発させる。


 誰に聞かれる訳でもないメイは、僕の事などお構いなしに声をあげている。聞こえている僕は正直うるさいので、本当はやめてほしいが今回は仕方ないだろう。


 「あった。あったぞグレン!」


 僕は勢いよく振り返り、出来る限り小さい声で叫びながらグレンについに出た事を伝える。


 「おっ!マジか!!あ、やべ。」


 グレンも嬉しかったのか、大声を出すなと言っていた本人なのに大きな声を出してしまっていた。そしてまずいと思ったのかすぐに周囲の気配を探りだしていた。


 「・・・大丈夫そうだな。それにしても良かったな!」


 周囲に魔物がいないとわかると先ほどの僕と同じように声を落として喜んでいる。


 「ああ。これでこのダンジョンでの僕とメイの目標は達成だ。いや、本当に良かった・・・。」


 『本当だね・・・。なんだかんだ私も手に入らないんじゃないかってドキドキしてたよ。』


 どうやら余裕ぶっていたがそうではなかったらしい。


 (隠すなよ。僕だけ余裕無い感じだったじゃん。)


 『だって・・・。私の方が年上だから恥ずかしいし・・・。』


 年上って・・・。


 (何歳上だと思っ。)


 『何か言った?』


 (何でもありません。)


 怖っ。声で脅すなよ。僕が悪かったよ。


 だが魔石が見つかった事でいつも通りの感じが戻ってきた気がした。少しだけふざけすぎたけど。


 「それで、さっそく体の作製?をするのか?」


 僕が思念でメイと会話していると、いつのまにか横に来ていたグレンがこの後の事を聞いてきた。


 確かにどうしようか。


 「セーフティエリアってこの近くにある?」


 「さっき地図を確認したが、真っ直ぐ向かってもまだ3時間は先だな。」


 ふむ、結構遠いようだ。


 魔物の寄ってこないセーフティエリアまでは中々に距離がある。向かってもいいのだが、そうするとセーフティエリアまでの探索に穴が空き、後で戻らなければいけなくなる。それは正直面倒だ。それに食料も時間も有限だ。


 その結果僕は、もうここでやってもいいのではないかという考えに至った。


 先ほどグレンが大声を出してしまった際に気配を探り、周囲に魔物がいない事は確認済みだ。なので今ならば割と安全に作製に取りかかれるはず。


 (ここでやってもいい?)


 『すぐ終わるからいいよ!』


 メイに確認すると食い気味に返事をされた。こんな通路でも構わないくらいにどうしても早く体を作りたいらしい。


 ならいいか。ここでやるとしよう。


 「この場でやっちゃう事になったよ。」

また明日。

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