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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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061 ダンジョンの情報

アクセサリーについての説明を一部削除しました。


 「ほー。本当に同じなのか。世界中で同じとか凄いな冒険者ギルド。」


 そこまでやるのか。


 「それじゃ受付に行くか。おそらくこの町がダンジョン管理してんだろうから聞けば教えてくれんだろうぜ。」


 そう言ってグレンはズンズンと受付に向かって行ったので、僕も遅れてついていく。


 「ちょっといいか?この近くにあるダンジョンについて聞きたいんだが。」


 空いている受付カウンターに向かうと先に行ったグレンは受付嬢にダンジョンについて聞いていた。


 「はい、ダンジョンについてですね。説明をする前に地図はご購入されますか?」


 ん?地図?


 「ダンジョンの地図があるんですか?」


 聞こえてきた内容が気になったので、受付に近づきながら聞いてみる。


 「ございますよ。全階層で1000トリアです。」


 あるんだ。しかも全階層。そんなに階層がないのかな?


 「全階層をくれ。」


 僕が驚いているとグレンがさっさと購入していた。あった方が便利なので口は挟まない。ついで出してくれるみたいなのでお金も出さない。


 「はい、ではこちらをどうぞ。それでは四足のダンジョンについてご説明させていただきますね。」


 受付嬢のお姉さんは置かれた1000トリアを確認すると紙を5枚取り出して渡してきた。紙にはアリの巣のようなものが描かれている。これがダンジョンの地図のようだ。


 5枚って事は5階層かな?それに四足って何だ?


 「今回ご説明するダンジョンは四足のダンジョンと言う名前です。名前の通りダンジョン内では四足歩行の魔物が出現します。」


 なるほど。四足歩行の魔物が出るから四足のダンジョンか。わかりやすい。


 「四足のダンジョンは全5階層です。ただ最後の5階層はボスの間となってますので、迷宮は全部で4階層ですね。」


 迷宮とはダンジョン階層内の迷路の事だ。広さはダンジョンによって異なるが、手元の地図を見る限り5階層のダンジョンでもかなり広そうだ。あ、各階層の地図に出現魔物の名前書いてる。ボスも書いてるな。


 「トラップはあんのか?」


 僕が地図に描かれた迷宮を見ているとグレンが受付嬢に質問していた。


 トラップもあるのか。それは知らなかった。


 「低ランクのトラップがございます。今まで確認された物だと落とし穴、投石、落石、毒霧、麻痺霧、警報、矢の射出ですね。」


 受付嬢はスラスラと7種類のトラップを挙げていった。


 これで低ランクなのか。毒霧、麻痺霧は普通に危なそうだ。矢の射出も当たりどころが悪ければ即死するだろう。


 とりあえず5階層目の地図の余白に今挙げられたトラップ名は書いておくか。ペン借ります。


 (なぁ、警報って何だ?)


 『大きい音が鳴って魔物が集まってくるトラップだよ。』


 マジか。


 (めちゃくちゃ危ないトラップだな。これでも低ランクなのか。)


 なら高ランクのトラップって何だよ。基本即死か?怖すぎるわ。


 「ボスはCランク下位のウインドウルフとエアーウルフ5体か。そうだ。ここ何日かでダンジョン行った奴っていたか?」


 僕がトラップに戦々恐々しているとグレンが5階層の地図から顔を上げ、よくわからないことを聞いていた。


 ダンジョン行った奴がいるかどうかが何か関係あるのか?


 「えーと、こちらで記録したのですと・・・。お待たせしました。確認出来る限り直近だと10日前ですね。その後はアルメガ周辺で異常事態がありましたので、今のところダンジョンに行かれた方はいないと思います。」


 10日も前なのか。それにまだ誰も行ってないってことはまだこの町も警戒を解いていない感じなのかな?


 何で聞いたんだろうと思ってグレンを見るとニヤッと笑っていた。悪い顔に見える。


 「ひっ・・・」


 ほら、受付のお姉さんも引いてるぞ。

 

 「ラッキーだな。宝箱が全部あるかもしれねぇ。」


 宝箱?どういうことだ?


 「何でだ?何か関係あるのか?」


 「ああ、ダンジョンの宝箱ってのはな、取ってから最長でも1週間で復活するんだよ。」


 は?


 「本当に?」


 そんな不思議現象が起きるの?


 「本当だ。だから誰か行ってるか聞いたんだよ。」


 そういう事か。ギルドが確認出来る限り最後にダンジョンに行ったのは10日前。1週間以上経っている。という事は確実に宝箱がある。


 願わくば実は誰かが行ってましたなんて事がない事を願うのみだ。


 (なぁメイ。何で宝箱が復活するんだ。)


 なるほどなぁ、と納得したがどう考えても変だろ。


 『復活するのは旧システムの流用だからだよ。・・・あ。』


 メイはいつも通り、打てば響くように答えてくれた。だけど。


 (・・・あ、って何だ?)


 何か絶対におかしい言葉が聞こえたぞ。もしかして、間違えて言っちゃった・・・とか?


 『・・・聞かなかった事にして。』


 どうやら本当に間違えたらしい。それにしても、ふむ・・・。旧システムか。


 (これもいつかか?)


 『・・・うん。』


 なら仕方ないな。


 (りょーかい。)


 さて、教えてもらえるのはいつだろうか。






 「宝箱からはどんな物が出るんですか?」


 話を戻して受付のお姉さんに気になった事を質問する。復活してても微妙な物だったら悲しいし。


 「武器や防具、アクセサリーに魔道具等が出ますよ。」


 アクセサリーが出るのか。持ってないから欲しいな。


 アクセサリーとは防具とは違う装備品の事だ。指輪に腕輪、ネックレスにピアス等色々な種類があり、効果も様々な物がある。


 「あ、あとはたまにですが魔石も出ますよ。」


 いいのが出たらいいなぁなどと思っていると重要な情報が飛び出してきた。


 「ま、魔石!それってCランクの無属性魔石も出ますか!?」


 僕にとってものすごく大事な事なので思わずカウンターに身を乗り出すかのように前に出た上に声も大きくなる。


 「ひっ!?で、出ますよ。たまにですけど・・・。」


 僕の声の大きさと勢いにグレンの時以上に引かれたが、オドオドしながらもお姉さんは一生懸命答えてくれた。ごめんなさい。


 きたっ!これはチャンスだ!


 たまに出現する上に宝箱は全て復活している可能性が大きい。これはダンジョン内全部を回る必要があるかもしれない。


 「ありがとうございます!それと、いきなり大声出してごめんなさい。」


 怖がらせてごめんなさい。


 「い、いえ、大丈夫ですよ。こちらこそ申し訳ありませんでした。他に質問はございますか?」


 お姉さんはすぐに元に戻ると質問があるか聞いてきた。だがとくに思いつかないのでグレンは何かあるかと視線を向ける。


 「・・・?」


 グレンが不思議そうな顔で僕を見ていた。


 あー、魔石の話でテンション上がってたからか。まぁ手に入れたらそく使うつもりだし話しておいた方がいいだろう。


 (いいよね?)


 『いいよ。』


 何をと言ってないがメイは理解して了承してくれた。なら問題ないだろう。


 「宿で話すよ。それで、グレンはもう聞いておく事は無いのか?」


 最悪ダンジョン内で手に入れる他のアイテムを譲るから魔石だけは譲ってもらおう。


 「・・・わかった。俺も聞いときたい事は・・・。あ、踏破までどのくらいかかんだ?」


 言いかけて途中で気づいたのか追加の質問をしていた。確かにどのくらいかかるのかは重要だ。ダンジョン内の魔物からは魔石と素材くらいしか手に入らないので、食料や水が少ないと普通に危ない。


 「踏破までですと、最短ルートでも1日はかかりますね。今回、宝箱の回収をメインにされるのでしたら最低でも5日はかかるかもしれないです。」


 5日か。水は魔道具で何とかなるから多めに食料を用意するとしよう。携帯食料でいいか。美味しくないけど。


 携帯食料は値段が300トリアと安く、栄養価も悪くないのが利点だ。ただ美味しくない、いや不味い。見た目は手のひらサイズのレンガみたいであり、パサついてて土みたいな味がする。もうちょっとどうにかならなかったのだろうか。


 「最低5日かくらいか・・・。ならとりあえず7日分の準備をして、4日目の進み具合で進むか戻るか決めるか。」


 グレンがダンジョン攻略の方針を考える。大体予定の半分くらいで進退の判断をするようだ。僕としてはどうしたらいいかわからないので全ておまかせだ。


 「そうだね。それじゃあこの後買い物して、朝一番に出るか。」


 「ああ、そんじゃあ姉ちゃん。助かったぜ。」


 僕の提案に了承したグレンが受付のお姉さんに軽そうな礼をしている。


 「礼くらいちゃんと言えよ。お姉さん、ありがとうございました。」


 一応グレンに注意をしたが、たぶん無意味だろう。


 「大丈夫ですよ。こちらこそ、ご丁寧にありがとうございます。またのご利用、お待ちしております。」


 お姉さんは慣れているとでも言いたげな表情で言うと綺麗な礼で返してきた。まぁ実際冒険者ギルドの受付やっているんだから慣れているんだろう。荒い奴ばかりだし。


 僕たちはとりあえず買い物を終わらせて宿に戻ろうとギルドを後にする。


 そんな僕たちを対応したお姉さんはじっと見つめていた。


 「・・・なんだか変わった2人組だったわねぇ。」

また明日。

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