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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
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047 帰路

3日ぶりです。海音です。

今日から第二章スタートです。


そして3日お休みしましたが今日で投稿を初めて1ヶ月となりました。

本当は休みたくなかったのですが引っ越し作業やらなんやらがあり、どうしようもなかったです。


それでは本日からまたよろしくお願いします。


 一緒にノースト大陸に行こうと決めてから30分。僕たちは今だに森の中を歩いていた。

アクアタイガーと戦ったのが東の森の中層くらいだったのでアルメガの街まではもう30分くらいは歩くだろう。


 中々大変な1日だった。いや、まだ終わってないんだけど。


 朝からいつも通りの感じでビッグスネーク討伐の依頼を受けて街を出て気づけばアクアタイガーと激闘を繰り広げていた。


 戦いによる怪我は治っているが疲労は凄まじい。

これから街に戻り、冒険者ギルドに行ってこの事態の報告。どれくらいかかるかわからないがそれが終わらないと宿に戻って休めない。

正直面倒くさいが当事者なので行かないわけにはいかない。


 隣を歩く暗赤色の髪に赤い大剣を背負ったグレンに全て任せてしまいたいが、彼は途中から参戦したので前半はわからない。


 仕方ないと思いながら疲労で重くなった足を一生懸命前に動かす。


 (そういえば大陸の位置とかいまいちわかってなかったな。アルメガ周辺でしか動いてなかったから地図持ってなかったや。)


 無言で動くのに飽きたので思念で魔石の中にいるメイに話しかける。


 『そうだったね。じゃあ簡単に説明するね。まず今いるこの大陸がイース大陸って言って、世界で見たら南東にある大陸だよ。』


 打てば響く様にメイがすぐに教え始めた。


 『それでさっき話してたノースト大陸は北東にある大陸だよ。この大陸は北側に氷雪地帯があって、南側には湖とか沼地とかが多いところだね。』


 次のノースト大陸についてざっくりと教えてくれた。


 (氷と水の属性が多いのか。だからアクアタイガーはノースト大陸にいると。)


 『そういうこと。次にグレンの出身って言ってたサウスト大陸。ここは南西にある大陸だね。火山と砂漠、荒野が多いところだよ。』


 暑そうな場所だ。だけど火山と砂漠は見たいな。いつか行こう。


 『そしてラグナロクがあると言われた北西のウェス大陸。風と雷が特徴の場所だよ。』


 (風と雷?)


 『うん。強い風に弱い風、それと竜巻とか雷がいっぱいな場所だよ。』


 そこは行きたくないな。面白くなさそうだ。その上ラグナロクがあるとか、絶対嫌なんだが。


 (そんなところ、用がない限り行かないわ。)


 『まぁでも行く事になりそうな気がするけどね。』


 やめろやめろ。絶対嫌だわ。


 『ふふ、本当に嫌そうだね。じゃあ話を戻して、最後が中央大陸だよ。ここは他の大陸の半分くらいの大きさで、大陸の中央に世界樹ユグドラシルっていう巨大な樹があるのが特徴だよ。』


 僕の反応に少し笑うと最後の大陸の説明をしてくれた。


 (巨大な樹ってどのくらい?)


 めちゃくちゃ気になる。中央大陸の中央にあるんだろ?


 『えーと、確か1000メートルとかだったはず。』


 え、デカい。


 (マジ?そんなに大きいの?見たいんだけど。そこは絶対行こう。)


 想像以上の大きさにちょっと興奮してしまう。


 『行こうね。それにしてもこっちはすごい行きたがるね。まぁ気持ちはわかるけど。』


 そりゃそうだろう。とてつもなく大きな樹と危ない国なら比べるべくもない。


 (そりゃあね。それより最後って言ってたけどこれで全部なのか?)


 この世界は五大陸なのか。


 『一応まだ異界である天界と魔界があるよ。天界は天使族が住む世界で、魔界が悪魔や吸血鬼なんかの魔族が住む世界だよ。まぁほぼ行けないんだけどね。』


 これで全てかと思っていたらまだあったようだ。しかも異界なんていうよくわからない場所でだ。


 (そんな場所もあるのか。それで天使族に魔族ってなんだ?それとなんで行けないんだ?)


 ちょっと行ってみたいのに。そんな思いは言葉に出さずにメイに聞いてみる。


 『天使族と魔族は魔物とは違う精霊種に属する精霊だね。魔石はあるけど肉体がちょっと違うんだよ。魔物の肉体は物質体だけど、精霊種は半物質半魔力体なんだよ。それで天使族も魔族もその異界に住んで管理している存在だよ。』


 精霊種?


 (精霊族じゃないのか?)


 『精霊族は総称みたいなものだよ。炎属性の精霊なら、精霊種の炎霊族って感じだよ。天使族なら精霊種の天使族ってなるね。』


 (なるほど。)


 ヒト種の人間族みたいなものか。


 『それで話を戻すけど、行けない理由は色々あるんだよ。でも1番の理由は出入り口がどこにあるかわからないことかな。』


 どこにあるかわからない?なんだそれ?


 (なんでわかんないんだ?)


 『ランダムなんだよ。それに割と短期間で場所変わるからまず発見出来ないんだよねぇ。しかも訳がわかんない場所にあったりするし。草原のど真ん中とか崖の中腹とかダンジョンの最奥とか。』


 短期間にそんな場所に出来たらそりゃ行けないわ。


 (なんだそりゃ。じゃあ会うことはなさそうだな。)


 『そうだね。あと行く方法としては、運良く天使か悪魔とかに会って仲良くなって、連れてって貰うとかかな。まぁほぼ無理だけどね。』


 (運良くって言っちゃってるじゃん。それで?これで全部か?)


 五大陸に天界、魔界。他にあるのかな。


 『ないよ。これで全部だね。』


 全部なようだ。まさか異界まで出てくるとは思わなかった。意外と世界は広いようだ。







 「そうだ。明日ギルドでパーティー申請しようぜ。」


 もう少しで街に着くというところでグレンがいきなりそんなことを言ってきた。


 「ああ、そういえば申請しなきゃいけないんだっけか。」


 確かギルドに登録したときに貰った冊子にそんな事が書いてあった。だが自分には関係ないなと思って忘れてた。


 「おう。今日は報告と解体依頼があるし疲れてっからな。だから明日の昼とかに待ち合わせて素材受け取りのついでにな。」


 素材受け取りがあったか。


 「じゃあ昼にギルドでだな。」


 「んじゃあその後は武器屋だな。俺の炎剣の耐久値回復とアクアタイガーの素材でナインの剣を作ろうぜ。」


 アクアタイガー製の武器!!なんと心躍るような響きだろう。欲しい。


 「おお!新武器か!楽しみすぎる!」


 どんな武器になるのかと想像してテンションが上がっていく。爪とか牙とか使うのだろうか。


 「ユニーク個体だったからな。なかなかいいのが出来んじゃねぇかな。俺のじゃねぇけど俺も楽しみだ。防具屋にも行って皮鎧も作ってもらおうぜ。」


 グレンの言葉に期待が膨らんでいく。確かにユニーク個体だったから強いのが出来そうだ。それに防具も。今回で一気に装備更新ができてしまう。


 『楽しみだね!』


 メイもわくわくしているのかテンションが高い。


 (だな!どんなのだろうなぁ。)


 「楽しみだ。お、街壁だ!」


 まだ見ぬ剣と鎧を想像しながらも周囲の警戒をしていると進行方向の木々の隙間からアルメガの壁が見えてきた。


 「やっと着いたか・・・。さてもうひと頑張りだ。さっさと終わらせて休もうぜ。」


 そう言ってグレンが走り出した。よっぽど早く休みたいようだ。


 「あ、ちょっと待て。いきなり走るなよ。」


 走らなくてもすぐ着くだろ。そう思ったが気持ちはわかるので僕は文句を言いながらもグレンの後を追った。

第二章からは1話の量を増やし、少しだけ書き方を変えています。

ですが微妙にしっくり来ていないので、もしかしたら切りのいいタイミングでまた変えるかもしれません。

その際はご了承ください。


また明日。

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