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レゾンデートル  作者: 星街海音
第一章 紺碧と炎の剣
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045 質問と秘密


 「それじゃあ、そろそろ聞いてもいいか?」


 そう言いながらグレンは真剣な顔でこちらを振り返る。


 聞きたいのは僕の事だろう。

後で教えろって言っていたからな。


 「いいよ。ただ答えられない、答えたくない事もある。それだけは理解してほしい。」


 流石に全ては話せない。


 「ああ、話せるところだけで構わねぇよ。」


 グレンは真剣な顔のまましっかりと頷いた。


 「それじゃあまずは・・・、手っ取り早くいくか。お前は何者だ?」


 シンプルかつストレートに聞かれた。


 「魔人だよ。」


 だから僕も簡潔に答えた。


 「は?なに?魔人?てことはお前、ラグナロクの人間なのか?」


 グレンは僕の答えに困惑しながらも確認するように聞いてきた。


 「ラグナロクの人間ってなんだ?」


 ラグナロク?なにそれ?


 「ラグナロクってのはウェス大陸にある国だ。正式名称は終わりの国ラグナロク。魔人と人間を従えて世界中に戦争や謀略を繰り返してる危ないとこだよ。魔人ってのはその国にしかいないんだ。」


 グレンの説明を聞いて僕は驚いた。


 (メイ。どういうことだ?魔人は僕とメイだけじゃなかったのか?)


 驚きのまま、浮かんだ疑問をメイに確認する。


 『わからない・・・。ラグナロクも聞いた事無いし、そこに魔人がいる事も・・・。たぶん、私たちが眠っていた400年の間に生まれたんじゃないかな。でもどうやって・・・。』


 メイは困惑しながらも答える。だが魔人がいる理由がわからないのかそのまま思考の海に潜ってしまった。


 何が起きているのかメイにもわからないと。

なら僕にもわからないな。この先旅を続ければわかっていくのだろう。

それより。これ今後魔人ってバレた時、普通に敵だと思われるのでは?


 「で?どうなんだ?ラグナロクを知らないって事は違うのか?」


 グレンに声をかけられ、僕は質問されていた事を思い出した。

メイと同じく僕も思考に囚われていたようだ。


 「ああ、ごめん。そのラグナロク?ではないよ。僕は・・・。」


 ちゃんとそんな危ない国の人間じゃないと否定し、僕の事を話した。


 魔人であり魔石がある事、魔石が壊されなければ死なない事、高ランクの魔石である事、魔力によって肉体を再生してる事。

無属性魔法しか使えない事。

そして20日ほど前に森で目覚め、記憶が無い事。


 話せることはこのくらいだ。この説明で今グレンが抱いている疑問は解消されるだろう。

メイの事は話さない。話す意味も無いしな。


 「そうか・・・。お前がめちゃくちゃなのも、ラグナロクを知らないのもそういう事か・・・。わかった、ちゃんと秘密にする。話してくれてありがとな。」


 グレンはあっさり納得すると秘密にすると約束してくれた。

疑ったりはしないのだろうか?僕としては楽だけど。


 「頼むね。ラグナロクなんてもの聞いた後だと、僕が魔人だって知られた時に最悪敵だと思われそうだからさ。」


 旅がし辛くなるから。


 「だろうな。まぁ無茶しなきゃ大丈夫だろ。ってお前はしそうだな。」


 微妙な顔でグレンがそう言ってきた。失敬な。

だがそう思いながらも結局やるだろうなと自分でも思う。


 「その時はその時だよ。それで、他に聞きたい事は?」


 「無いな。さっきのナインの説明で大体わかった。そんじゃ、そろそろ街に戻るか。」

また明日。

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