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レゾンデートル  作者: 星街海音
第一章 紺碧と炎の剣
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038 炎の剣


 グレンと名乗った男が赤い大剣を横に構え、アクアタイガーに向かって走り出した。


 「滅炎!!」


 グレンが何かを叫ぶと突然大剣の刃から炎が噴き出した。


 なんだあれ!?いいな!!


 (メイ!なにあれ!?)


 『炎属性の魔剣だよ。レア装備だね。』


 走りながら興奮気味にメイに聞くとすぐに答えてくれた。


 なるほど、魔剣か!羨ましい!


 「オラァァッ!!」


 グレンが声を上げ、アクアタイガーに炎を纏った大剣で横薙ぎの斬撃を繰り出す。


 「グルグァッ!?」

 

 アクアタイガーは回避したが左前脚に掠ったのか煙が上がった。


 「予想通りだ!!」


 ガスッ!


 僕は回避位置を予測して先回りし、スラッシュで後ろ脚に斬りつける。が堅すぎて剣がほぼ通らなかった。


 「かったいなぁ!!スラッシュ使ってこれか。」


 剣で斬りつけた箇所を見る。

毛皮に薄っすら傷が付いていただけだった。


 「それでいい!斬れなくても攻撃し続けろ!斬撃が通らなくても打撃も入るんだ!ダメージも0じゃない!続け!!」


 グレンは僕に叫ぶようにそう伝えると再度炎の大剣で攻撃を仕掛ける。


 『そうだよ!ダメージが入るなら意識はそらせるよ!』


 メイもこれでいいと言ってくる。


 「了解!」


 2人に返事をして僕も攻撃するためアクアタイガーに向かう。






 ここからが本番だった。


 アクアタイガーは本気だった。


 だが、全力ではなかった。


 「ガアアァァァッ!!!」


 僕たちがアクアタイガーに近づいた瞬間、アクアタイガーが咆哮した。


 そして、その紺碧の体の周りに"水"が現れた。


 「ちっ、使う前にもう少しダメージ与えたかったぜ。」


 グレンが悔しそうにそう呟く。


 そうだ、あいつは"アクア"タイガーだ。


 水魔法を使う。


 『気をつけてね。これでアクアタイガーの手数も手段も増えたから今まで以上に激しくなるよ。』


 だろうな。


 「グレンさん。今でどのくらい経ちました・・・?」


 グレンにわかりきった質問をする。


 「あー、2、3分ってとこか?」


 グレンは何故とも聞かずに答えてくれた。


 ここから最低でもこの十数倍の時間を稼がなきゃいけない。撤退は不可能だ。

撤退しても追いつかれる。

だからどちらかが残るしかない。

だが僕たちはどちらとも、その選択肢は選ばない。


 「俺がたぶん勝てねえって言った理由がこれだ。炎属性を使う俺とは相性が悪過ぎる。」

また明日。

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