031 あれから色々
レッサーリザードの依頼から早いもので2週間経った。
あれから毎日依頼を受け、お金を貯めて装備を整えていった。
濃茶のハイリザードの皮鎧を着けて、冒険者用の靴を履いている。
長剣も新しく購入した。
Eランク冒険者が使う、鋼鉄製のシンプルな両刃剣だ。
因みに値段は15000トリアだった。
買った時はテンションが上がり過ぎ、ずーっと部屋で眺めていてメイに若干引かれたのが記憶に新しい。
(やっぱりあの岩場だと結構簡単に手に入るんだな。)
それから冒険者ランクがEにアップした。
なんでもFからEに上がるには一度街中での雑用依頼を受けなければならなかったらしく。
依頼の報告に行った際、受付嬢のアミラに
教えられ、翌日。雑用依頼として街中での倉庫整理を受けた。
正直、討伐系依頼よりハードだった。
報酬も3000トリアと少なかったし。
そうして倉庫整理をこなしてギルドに報告すると、すぐに冒険者カードが更新され、Eランクになる事が出来た。
『森でも手に入るんだけど、掘り起こさなきゃいけないしね。それに比べると岩場は地面が剥き出しになってるし、たまに山とか丘が崩れたりするからね。』
色々な魔物とも戦闘をした。
Fランクだと、ホーンラビット、ビッグラット、ビッグマンティスだ。
ホーンラビットは名前の通り角の生えたうさぎだ。
Fランク血属性魔石と毛皮は普通のねだんだったが、肉がそこそこいい値段で売れた。
角はポーションではない薬の材料になるとかで、これもいい値段だった。
突進しかしてこないので弱かった。
ビッグラットは体長が60センチ以上あるデカいネズミだ。
こいつは弱い上に肉も不味い、皮は使えないと良いところがなく、体から取れたFランクの炎属性魔石だけしか売れなかった。
ビッグマンティスは体長150センチの緑色をした大きなカマキリだ。
頭を落としてもしばらく動くので気持ち悪かった。
こいつからは解体でFランク風属性魔石とカマが取れた。
カマを割と高く買い取ってくれたが何に使うのだろうか。
Eランクではウルフとリザードと闘った。
レッサーウルフより少しだけ大きい体と濃い緑くらいしか見た目の変化がなく、一瞬わからなかった。鑑定様々だ。
だが動きの速さと力強さは全然違った。
流石レベル11のEランク魔物だ。ステータスがレベルの分高いのだろう。
それでも動きは変わらないので大変ではあったが苦戦らしい苦戦はしなかった。
毛皮は少しだけ値段が上がり、Eランクの風属性魔石が取れた。
リザードはレッサーリザードの上位種だ。
見た目は少し大きくなって、色が茶色になったくらいだが、ウルフの時と同じくステータスが上がっていた。
皮とEランク地属性魔石が良い値段で売れた。
(崩れたおかげで見つかったのかな?まぁ何にしてもこれでやっとランクアップ出来るな。)
レベルも10に上がった。
ステータスも上がり、新たなスキルも取得した。
ナイン・ウォーカー
Lv.10
HP:280/280
MP:32,558,419/32,558,419
AP:280/280
EXP:45/300
STR:36
VIT:21
DEX:28
AGI:30
MGI:33
SP:15
エクストラスキル
<---><---><--->
スキル
<剣Lv.18><武術Lv.10><魔力操作Lv.14><魔力感知Lv.10><空中跳躍Lv.13><身体強化Lv.8><疾走Lv.8><鑑定Lv.20><気配察知Lv.22><隠蔽Lv.13>
レベルによるステータス上昇だけではなく。
戦闘や訓練でも少しだけ上昇した。
各種スキルのレベルも上昇した。
鑑定で出る情報も以前より少し詳しくなった。
それと新たに取得したスキルは武術、身体強化、疾走の3つだ。
武術はあらゆる物理攻撃の威力を上げるスキルであり、一応武器スキルに分類される。
ただし上昇効果は剣スキルなどの3分の1であり、武技も覚えないという制限がある。
身体強化はステータスとは別に肉体を強化するスキルだ。
ただしこれも上昇効果はそれほど高くない物である。
最後の疾走は移動速度を上げるスキルだ。
レベル1でも10パーセントほど上昇するので戦闘や移動などでかなり重宝する。
これらがこの2週間での出来事や成果だ。
中々に成長できたんじゃないかと思っている。
『バッグの容量、小さくて大変だったもんね。』
そして今僕たちはマジックバッグを買ったヴァイン防具屋に向かっている。
今日はリザードの討伐依頼を受けて南西の丘陵地帯中層に向かった。
そこでリザードを討伐しながら岩場や地面を探索し、比較的すぐにEランクの無属性魔石を手に入れる事ができた。
(もう当分は入りきらなくて死体を担ぐ、なんてことはなくなるわけだ。あれ疲れるから助かるなぁ。)
少しだけ感慨深くなりながら路地を進む。
すると防具の購入で何度か世話になったヴァイン防具屋が見えてきた。
はやる気持ちを抑えて扉を開ける。
「こんにちわー。マジックバッグのランクアップをしてもらいにきましたー。」
またね。