表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レゾンデートル  作者: 星街海音
第一章 紺碧と炎の剣
27/251

026 魔石と暗赤色

2わめです。


 『忘れてた・・・ナインにお願いがあったんだった。』


 お願い?


 「なんだ・・・、そんな事か。脅かさないでくれよ。」


 何か起こったのかと思った。


 「で?お願いってなんだ?」


 メイからお願いされた事はないので頼まれれば受けるつもりだ。

それに無理難題とかではないだろう。


 『無属性の魔石。それも高ランクの物を手に入れてほしいんだ。』


 「無属性の魔石?なんでだ?」


 なんかに使うのか?


 『私の体を作るためだよ。』






 ・・・は?


 「・・・作れるのか?どういうことだ?」


 意識とかは?


 『作れるよ。えっと魔石を核にして肉体を作って、本体の心はナインの中に残したまま意識を投影して操作する感じ。実際はちょっと違うんだけどね。』


 な、なるほど。ん?


 「ということはもしかして、高ランクの魔石が手に入れば一緒に旅が出来るってことか?」


 『そうだよ!だからお願い!』


 おー!


 「よし!まかせろ!ちなみに高ランクってどのくらいからだ?」


 僕の中にいて会話できるとはいえ、やっぱり寂しいからな。


 『ありがとう!出来ればBランク以上かな。Cランクでも出来ると思うけど子供サイズになっちゃうから。』


 Bランクか。なかなか高いな。

でも頑張って探してみよう。

お金を貯めて買うのが早いだろうか。


 「わかった。何とかして手に入れてみせるよ。」


 戻って依頼報告をしたら街を回ってみよう。

大体の値段がわかれば貯金の目標も立てやすい。


 『楽しみだなぁ。』


 メイの声が弾んでいた。


 頑張らねば。












 「ヒール草73本で3650トリア、キュア草36本で3600トリア、マナ草21本で4200トリア、それからレッサーウルフの毛皮2体分で1000トリア、Fランクの風の魔石2つで600トリア。以上で合計13050トリアです。ご確認ください。」


 アルメガに戻り、ギルドで報告と買取をお願いすると思った以上の金額を提示された。


 万いった。


 金額を確認して受け取り、すぐに布袋にしまってマジックバッグに入れる。


 お金なんかの細かいものは一度袋なんかに纏めると1つとして扱われてマジックバッグに入るようになるらしい。


 ちなみにこの布袋は皮袋の底にあった物だ。

薬草を取り出したときに一緒に出てくるまで気付かなかった。

メイから丁度いいからサイフにしな、と言われたのでそうする事にした。


 「ありがとうございました。」


 金額を聞いた時からテンションが上がっているが表に出ないように我慢する。


 (始めての報酬だ!それに13000だってさ!)


 受付から離れ、出口に向かいながらメイに喜びを伝える。


 『よかったね。でも嬉しいのはわかるけどちゃんと前見てね。あ、ほら!』


 ドンっ


 思った以上に浮かれていたのか、丁度入ってきた冒険者に気付かずぶつかってしまった。

衝撃でフードが脱げかける。


 「あ!ごめんなさい。」


 咄嗟にフードを押さえながら謝る。


 「この時間から人が多くなんだ。気をつけろ。」


 意外にも優しい言葉をかけてきたのは短い暗赤色の髪をした若い男だった。

背には赤い大剣を背負っている。


 「気をつけます。すいません。」


 再度頭を下げて謝罪をする。


 浮かれすぎていたようだ。

僕はすぐにその場を離れると出口から外に出た。












Side???


 「あ!ごめんなさい。」


 ギルドに依頼報告のためにやってきたところ、前から歩いてきたフードを被った奴にぶつかられた。


 声からして男か。

一瞬だけフードの中に白い色が見えた気がした。


 「この時間から人が多くなんだ。気をつけろ。」


 夕方前くらいになると依頼に出た冒険者が帰ってくるのだ。

こいつはそれを知らないような感じだし初心者なのだろう。


 ん?なんだ?


 なんか魔力が・・・。


 「気をつけます。すいません。」


 俺が少し困惑しているとフードの男はもう一度謝罪し、そそくさとギルドから出ていった。


 あいつの魔力・・・。


 制御が下手なのかそれとも多いからか、体からうっすらと魔力が漏れていた。


 何というか。


 「妙に澄んだ魔力だったな。」

閑雲が楽しみです。


また明日。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ