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レゾンデートル  作者: 星街海音
聖人と聖女と聖剣
240/251

239 新戦法

すみません。

投稿予約を忘れてました。


宜しければ、評価、ブックマークをして頂けると嬉しいです。


 改めて弱さを理解しようと、魔物は止まらず事態も変わらない。


 樹上から投げられるマッドモンキーの泥を避け、時にはシールドで防ぎながら、魔導銃で一体ずつ撃ち殺す。


 そうこうしている内に後続の氷属性魔物達が近くまで来ていた。後退しつつ戦っていたが、何度か攻撃を食らった事で移動に遅れが出てしまった影響だろう。


 「多いっての!!ていうか魚型のくせに空中泳ぐな!!」


 文句を言いながら矢のように飛んできたダーツフィッシュ2体を斬り捨てる。


 剣を振り切った体勢を隙と見たか、3体のアイスパンサーと1体のフリーズバットが詰めてくる。


 「シールドッ!!っぐふ!」


 回避不可能だと判断したナインは、咄嗟にシールドを3枚張った。だが、中途半端な防御だったからか、アイスパンサー2体の攻撃は防げたが、残り1体の引っ掻きとフリーズバットの噛み付きを受けてしまう。


 アイスパンサーの攻撃は問題無い。左腕に受けた傷は、多少深いが再生出来る。それに反撃を警戒してか、攻撃を加えてすぐに距離を取っていた。よって即座の追撃は無い。問題はフリーズバットの方だ。


 「凍るのかよ!?」


 右肩に噛み付いたままのフリーズバットの口を始点にし、じわじわと凍り始めた。


 「やめろっての!」


 魔力を右肩に集めて解放し、バンッ!!と衝撃波を発生させる。原理はグラベルと戦った時に使ったブーストと変わらない。あっちはもっと多くの魔力を足裏に集めて一気に解放し、衝撃で無理矢理移動速度を上げる感じだ。今回は集めた魔力が少ないので、衝撃で吹っ飛ぶ事はない。体が若干押されるくらいだ。


 押された勢いを利用し数歩後退すると、同時にイマジナリーアームを発動する。生み出したのは巨人の右腕だ。まぁ、巨人を見た事がないので実際は、自分の腕を巨大化させたものだが。


 「ふんッ!!!」


 生み出した巨人の右腕を、左から右へと薙ぎ払う。追撃で近付いてきた魔物達が、ゴスッ!ガツッ!と音を立てて吹き飛んでいく。


 距離が空いた事を確認したナインは、さらに後方へと退がる。


 そして退がりながら、凍らされた右肩を確認する。魔力を爆発させたせいか凍った部分が砕け、右肩から血が流れる。


 すぐに再生で傷を治したナインは、足を止めるとマジックソードを周囲へと撃ちまくる。


 ・・・ふむ。


 衝撃音や魔物の鳴き声が響く中、ナインは先ほどの事を思い返す。


 あの量の魔力を肩で爆発させると、あのくらい体が流れるのか・・・。なら・・・。いや、ブーストくらい込めたら吹っ飛んじゃうよな。もう少し小さく・・・。いけるか?


 イマジナリーアームとマジックソードで稼いだ時間を使い、思い返した内容からとあるやり方を思い付く。


 「・・・とりあえずやってみよう」


 たぶんいけるはず。そう思ったナインは、まずはやってみようと決めた。


 周囲へとひたすらマジックソードを撃ちつつ、剣を構える。


 「ガルゥアッ!!」


 鳴き声がした方を見ると、先のアイスパンサー3体が猛烈な勢いで近付いてきた。


 「ちょうどいい、お前達で試させてもらうぞ!」


 そう言うと即座に左手の魔導銃を撃つ。だがアイスパンサーにはあっさりと避けられた。


 アイスパンサーを迎え討つため、ナインは左の魔導銃を下げつつ右手の剣を振り上げる。


 ブンッ!と左上へ剣が振られ、先頭にいたアイスパンサーを斬り殺す。だが、まだ2体いる。剣を左上へと振り切った事で体は流れ、追撃が出来ない。


 「今だぁああ!!!」


 ナインが大きく叫ぶ。そして先ほど思い付いた戦い方を始めた。


 振り切った右腕。その腕の手首より上に魔力を集めると、即座に解放する。


 バシュッ!


 解放された魔力の衝撃によって振り切られた右腕が、左上から右へと動く。自身の体勢から見ても、不自然な挙動だ。


 「うぐっ」


 そして強制的に動きを変えたからか、動くと同時に右腕と肩に痛みが走った。予想以上の痛みに、食いしばった口から思わず声が漏れる。


 魔力解放の衝撃で動き出した右腕に力を込め、剣を無理矢理右へと振るう。


 「ギャッ!?」


 隙と見て飛びかかり、今にも噛み付かんとしていたアイスパンサーを斬る。こいつ自身もこの動きは予想外だったのか、斬られると同時に驚愕したような声をあげていた。


 「もう一回!!」


 ナインは声に出して気合を入れると手首を返し、もう一度右手に魔力を集めて解放する。


 再度バシュッ!という音が鳴り、右に振られた剣が左へと真横に動き始めた。その動きを押すように力を込め、剣速を加速させる。


 スパッ!!!


 引っ掻き攻撃をしようとした3体目のアイスパンサーの首筋を、剣が通り抜ける。


 「グヒュ・・・」


 喉を斬り裂かれたアイスパンサーは、勢いをなくすとその場に崩れ落ちた。


 ナインは、即座に体勢を戻すとまた数歩後退する。


 そんなナインの口元に、小さな笑みが浮かぶ。


 「うん。使えるな」

風邪ひいて熱がでてしまいました・・・。

次回更新ですが、少し遅れるかもしれません。

ごめんなさい。

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