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レゾンデートル  作者: 星街海音
第一章 紺碧と炎の剣
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022 宿で一泊

本日の2話目です。


 腰に着けたマジックバッグに少しだけ気分が高揚する。


 『嬉しそうだね。』


 バレていた。


 (まぁな。なんかこう、冒険者っぽくなった気がして。)


 まだちゃんとした冒険者を見た事がないがそんな感じがした。

ギルドに居たには居たが、あれはただの酔っ払いである。

昼間から飲んで潰れてる奴を冒険者とは思いたくなかった。


 『宿に戻ったら袋と中身をバッグに移さないとね。』


 ん?


 (もう戻るのか?)


 まだ防具屋しか行ってないぞ。


 『お金一銭も持ってないでしょ?それに買ったらすぐ戻って休むって言ってなかった?』


 確かにそんな事を言ったような気がする。

それにガーデルから貰ったお金はもう無かった。


 (言ってたな。わかった、戻るよ。夕食までゆっくり休んで、食べたら早めに寝るとするか。明日は早めにギルドに行こう。)


 早く行けば依頼をこなす時間も多くなる。

お金を稼がなければ明後日以降の宿も無くなってしまう。


 『それがいいよ。じゃあ真っ直ぐ戻ろう。』


 面白そうな店や物に毎度目と興味を引かれながらもなんとか振り切って僕は宿に戻った。












 あれから部屋に戻って少し休み、夕食を食べてまた部屋に戻って来た。


 「安い割にすごい量だったな。」


 先ほど食べた夕食を思い出し、感想を漏らす。

食べ切れるかな?と思ってしまうほどの量だったからだ。


 『ガーデルさんの紹介だからじゃない?』


 メイに言われて納得してしまう。


 「ありえるな。」


 ガーデル。すごいなガーデル。

この場にいないのにありがとうガーデル。


 厳つい顔を思い出しながら心の中で礼を言う。


 「さて、明日はどんな依頼を受けようか。」


 もう少ししたら寝る予定なので、メイと明日の予定を軽く相談する。


 『薬草採取でいいんじゃないかな?沢山取ればその分報酬も増えるし、途中で魔物とかに遭遇するかもしれないし。』


 薬草採取は常設依頼だ。

街に来るまでの道中でメイが教えてくれていた。


 「無難だな。そうするか。確か常設依頼だけの場合はギルドの受付に受注報告しなきゃいけないんだったよな?」


 これは登録時に貰った冊子に書いてあった。

討伐依頼などを受けていて、そのついでに常設依頼をこなす場合なんかは受注報告の必要が無い。

だが、常設依頼だけをする場合は万が一何かあった時のために所在が予想できるように推奨しているらしい。


 『そうだよ。あと行ったら他にどんな依頼があるか見ておこうか。見れるかわかんないけど。』


 ん?見れるかわかんない?


 「よくわかんないけど、朝ついでに依頼確認だな。それじゃあ早いけどもう寝るか。正直、なんだかんだ疲れたから眠いわ。」


 よく考えたら今日は日の出から動いていた。

そりゃ眠くなってもおかしくない。


 『疲れた訳じゃないけど、私も眠いや。それじゃあまた明日ね。おやすみ。』


 「ああ、おやすみ。」


 部屋のランプを消し、ベッドに横になると僕はすぐに眠りに落ちていった。












 チチチチチチチチチッ!!


 「・・・んー。うるさ。」


 今日も日の出と共に鳥の声で目が覚めた。

森の中の鳥より声が激しい。

まるで朝だぞ!早く起きろ!と言われているかのようだ。


 ベッドからむくりと体を起き上がらせると腕を上に上げ、体を伸ばす。


 「んーーーッ。」


 体を伸ばすと眠気も少し落ち着いたような気がした。


 『あぁー、ナイン・・・。おはよ・・・。』


 ベッドから立ち上がったところでメイも目を覚ました。

だいぶ気の抜けた声が聞こえる。


 「おはようメイ。寝ててもいいよ。」


 『だいじょーぶぅ・・・。』


 大丈夫そうには聞こえないが、大丈夫だろう。

昨日も森でそう言っていたが少ししたら普通に元に戻っていたから。


 サンダルを履き、机の上に置いておいたマジックバッグと剣を腰に装着する。

次に椅子にかけていたマントを着けるとフードを被る。


 「よし、ギルドに行くか。」


 『いってらっしゃーい・・・。』


 準備が完了してそう言うとメイがまだ寝ぼけていた。


 僕の中にいるんだから君も行くんだよ。

-10度を下回るのが嫌いです。


また明日。

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