227 特殊属性
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「あ、ついでに特殊属性についても話しておくよ」
「特殊属性?」
言っている意味がわからず、ナインはその場で足を止めてしまう。
それも仕方ない。何故なら、この世界の属性は炎、水、風、地、雷、氷、光、闇の八属性しかないからだ。
無属性に関しては、属性ではないので含まれない。"無"の属性ではなく、属性が"無い"の無だからである。
ナインが足を止めたことにより、皆の歩みも止まった。
わからないことは聞くのが早いだろう。
「何だそれ?属性なのか?八属性しかないんじゃないのか?」
少し矢継ぎ早になったが、まぁ問題無いだろう。
一気に問われたメイが、ゆっくりと答える。
「えっとね、特殊属性とは言ったけど、厳密には属性じゃないよ。便宜上そう呼ばれているだけって感じかな」
なるほど。どうやら属性ではないらしい。うーん、質問しといてアレだが、まずは話を聞いてからにしよう。わかんない事は聞いた後だな。グレンもルチルも興味があるみたいだし。
同じように足を止めていた2人も、僕らの会話の内容が気になるのか、興味深そうな表情をしていた。
メイが特殊属性についての説明を始める。
「まず特殊属性には、混属性と純属性の2つがあってね。最初に混属性だけど、これは・・・」
混属性。
この属性は、八属性の魔力がぐちゃぐちゃに混ざり合ったものを指すものだ。ぐちゃぐちゃになっているためか、魔力の色は黒く見えるらしい。
自力で生み出す事も出来るが、基本的には属性変換に大失敗し、制御不能になるとこの属性になる場合があるとのこと。
そしてこの属性の特徴だが・・・。
「混属性の特徴は、消滅だね」
いつも通りの軽い口調で、メイが説明した。
混属性は、触れたものを消滅させる力を持っているとのことだった。凄い危ないな。
この属性の攻撃を防ぐ方法は、シンプルだ。体に魔力を纏い、耐える。これである。
肉体だけでも耐えようと思えば耐えられるみたいだが、重傷では効かないほどのダメージを受けるらしいので、オススメはしないとのこと。
「まぁ、使ってくる相手とかいないけどね」
ははは、と笑いながら、メイがそう付け加えた。
それもそうだろう。なにせ特殊属性を使うには、全属性魔力が必要となるのだから。使うとしたら、僕やメイのように属性変換によって全属性魔力を用意出来る者か、属性魔法スキルを全属性分の8種セットする者くらいだ。
ちなみに、八属性分の魔法スキルをセットしていた翠の賢者は、混属性を使えたらしい。だろうな。
だが使ったのは2回だけだったらしい。何故2回だけだったかと言うと
「水神と地神に怒られたからだね」
「え?神から怒られたの?」
「うん。広範囲の土地と海を消し飛ばしたから」
え、怖っ・・・。
そりゃ怒られるよ。何やってるんだ翠の賢者。
話を聞いたナインとグレンが、呆れた表情を浮かべる。翠の賢者大好きなルチルは、嬉しそうな目をキラキラとさせていた。
「それじゃあ次は純属性ね」
そう言ってメイは、純属性についての説明へと移った。
純属性。
この属性は、八属性の魔力が混ざり合い、完全制御された状態を指す。色は、完全制御により白く見え、時折虹色に輝くらしい。
この属性の特徴は、高優先度であるという。
「高優先度?凄い強いってことか?」
「えーとね、簡単に言うと、あらゆるものを弾き、打ち破るって感じかな。例えば、純属性と属性魔法がぶつかれば、どんなに強い属性魔法が相手でも純属性が勝つし、純属性で武器とか防具を攻撃したら、武具の強度とか関係無しに問答無用で破壊する。・・・わかる?」
なんとか説明しようとしたメイは、最後に首をコテンと傾ける。
そんなメイに、ナインはしっかりと頷きで返す。
「なんとなくわかった」
首肯はしっかりだが、言葉ではなんとなくが出た。
まぁつまりアレだろ。純属性での攻撃は防御不可ってことだろ?
「ならよかった」
メイがにっこりと笑みを浮かべる。そしてすぐに注意を付け加えた。
「あ、最後に注意ね。属性変換の練習はいいけど、特殊属性を試そうとしたりしたらダメだよ」
そう言うと笑みを消し、真剣な表情をする。
「失敗すれば、私達でも死にかねないからね」
忠告を受けたナインは、その背に冷や汗を流れるの感じた。
ほぼ死ぬことが無い僕達が死ぬレベルで危ない属性。
どう考えてもヤバ過ぎる
「・・・わかった」
ナインは、絶対に試したりしないと誓うように、神妙な表情で首肯した。
ていうか、試すなって言うなら教える意味あったのか?
あけましておめでとうございます。
また今年も1年、よろしくおねがいします。
今年はゆっくりと、だが確実にを目標に
投稿していきたいと思います。
それでは~。