224 SSランクと聖人2
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そんなナインの様子に、テオドールはフフッと声を溢すと、「2年前ですから、1レベルくらい上がってそうですけどね」と続けた。
という事は、あの人のレベルは119くらいなのか。凄いな。正直、高過ぎてどんだけ強いのか想像すら出来ない。あれ?
「あの人って、前に見たエルダードラゴンと同じランクって事か?」
「ランクで言えばそうだね。まぁエルダーの方が強いけど」
「マジか」
メイに問いかけると、頷きとともにそう返ってきた。つか、当たり前のようにエルダーの強さ知ってるんだね君。
流石にエルダーの方が強いとは言え、一個人であの馬鹿みたいに大きい水竜と同格である。
あのまま戦闘になってたら、ヤバかったなぁ・・・。引いてもらえてよかった。
皆に気付かれない程度だが、少しだけ体がぶるりと震えた。
「さて、それでは話を戻しまして、聖人の恩恵の2つ目について説明しますね」
「あ、すいません・・・」
まだ説明してくれている途中だった。ちょっと話が逸れていた。
テオドールは、どこか楽しそうな雰囲気が混じった声で「いえ、お気になさらず」と答えると、説明を再開した。
恩恵の2つ目。それは、寿命の増加だった。
「寿命の増加?長命になるって事ですか?」
「そうです。大体200歳くらいまで延びるらしいですよ」
「ほぉー、長い」
2倍か2倍以上まで延びるようだ。素直に驚きだ。進化という表現は伊達では無いらしい。
「ナインさんは、ギルフォード氏がいくつに見えましたか?」
「え?」
何故ギルフォード?
突然話題がズレた事に、一瞬戸惑う。だがすぐに戻り、思ったままを口にする。
「40代くらい、ですかね」
見た目はそんな感じだった。
ナインの答えに、テオドールがコクリと頷く。
「そうですね。私も大体そのくらいに見えます。ですが、あの方の実年齢は86歳です」
「えっ!?」
予想外の年齢に、先ほどよりもさらに驚きが大きくなった。
86!?何で!?だって見た目が・・・。あっ!!
ナインは気付いた。
寿命の増加。おおよそ2倍。40代の見た目と86歳。年齢に対して見た目の老化が半分。
もしかして・・・。
「・・・寿命の増加に伴って、若返る?」
導き出された答えが、ボソリと溢れた。
ナインの答えが聞こえたテオドールが、「ほう・・・」と小さく呟く。その後すぐに満足そうに頷くと
「正解です」
と、どこか弾んだ声で答えた。
そのままテオドールが説明を続ける。
「寿命の増加とは言いましたがそれだけでは無く、ナインさんが言ったように、増加に伴って肉体年齢が若返ります。あとは、若返るだけで無く老化速度も減少します」
なんでも、老化速度も半分になるらしい。
「単純に現役年数が増えるって事ですか」
「そういうことです」
説明を終えたテオドールは、ストローを使い、仮面の隙間から器用にお酒を飲み始めた。
意地でも仮面は外さないらしい。そういえば、食事も小さく切って隙間から食べてたな。
何はともあれ、聖人に至る事は良いことずくめばかりらしい。
ちなみにメイから思念会話で教えてもらったが、魔人である僕が聖人になる事は無いとの事。魔人とは、それ自体で完全体なんだとか。よくわからん。
「なるほどー。あ、そういえば、さっき言ってた精霊王との試練ってどんなのなんですか?」
どんな内容なのか聞いていなかったな。
ストローが刺さったジョッキを置いたテオドールは、ナインの質問に快く答える。
「精霊王との1体1です」
「タイマンですか。突破条件は勝利ですか?」
「いえ、勝つ必要は無いらしいです。条件はよくわかってませんが、何らかの意思を見せる必要があるらしいですね」
勝つ必要は無いらしい。それにしても、意思?なんかふわっとした条件だな。明確なものはないのか。
「勝つ必要は無くても、やっぱり勝った方が突破しやすくなるとかなんですかね?」
その辺が気になったので、テオドールに確認してみた。
「可能性はありますが、まず勝てませんよ」
「え?そんなに強いんですか?」
勝てないの?
まずと付いているが、言外に絶対無理だと言っているように聞こえたナインは、予想以上に驚いた。
そんなナインの様子を見てフフッと笑ったテオドールは、「精霊王はSSSランクですから」と口にした。
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あれ?今日の話、短い・・・
もうちょっとあると思ってました。
まぁいいや。