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レゾンデートル  作者: 星街海音
聖人と聖女と聖剣
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205 依頼探し

宜しければ、評価、ブックマーク、いいねをして頂けると嬉しいです。


 二つ名の話をしてから1週間が経過した。


 僕達は、目的の依頼を探すために朝早くからギルドにやって来ていた。


 ルーチェを頭に乗せ、依頼掲示板を見ていた僕は、隣にいる2人に声をかける。


 「あった?」


 「んー、無い」


 「こっちも無いです」


 僕はCランクを、メイとルチルはDランク以下を手分けして確認していた。だが2人の方も見つからなかったようだ。


 「やっぱり今日も無いかぁ」


 ここ1週間僕達は、毎日ギルドにやってきては目的としている依頼を探していた。


 だが結局見つからず、とりあえず何もしないのは勿体無いなと考え、討伐依頼なんかを受けたりした。海辺での討伐依頼は面白かった。砂浜で戦闘は、砂に足を取られて中々に大変だった。


 「護衛依頼自体はあるんだけねぇ。方向が違うのばっかりだった」


 「私の方もそうですね。一応遠回りにはなりますが、王都へ行こうと思えば行けますので北東、北西でも問題無いんですが・・・」


 「そうなんだけどねぇ。やっぱり時間かかるじゃん?」


 「まぁ、そうですね。2倍か3倍はかかりますね」


 それはちょっと時間がかかり過ぎだな。


 メイとルチルの会話を聞きながら、僕は嫌だなと考えた。


 今話していた通り、僕達の目的は王都まで、もしくは王都方面への護衛依頼だ。


 王都近くにあるAランクダンジョンに行きたいので、王都を目指している。ただわかる通り、行くだけなら護衛依頼を受ける必要は無い。それでも護衛依頼を探しているのは、冒険者としての実績稼ぎのためだ。


 グレンとルチルは、過去に護衛依頼を受けた事があるが、僕とメイは無い。あ、いや、メイはあるけど、それは500年とか1000年くらい前だ。今現在の彼女ではない。


 僕とメイが冒険者ランクを上げるためには、護衛依頼の達成が必要になる。ギルドの信用を得るには、色々な依頼の経験がないとダメという事だ。


 そうして今日もダメかなぁと3人で話していると、受付の方に行っていたグレンが戻ってくるのが見えた。


 「どうだった?」


 依頼があったかどうか、確認する。


 グレンには、まだ掲示板には貼られていない最新のものを聞いてきてもらっていたのだ。


 「あったぞ。村2つ挟んだ先にあるシアントルの町までの商団護衛だ」


 「おお!」


 あったのか!それにシアントルの町って、王都方面の町じゃん。


 シアントルの町は、ここから歩いて1週間程の距離にある町だ。クリアマリンから王都までで言うと、大体5分の2くらいの場所である。


 半分まではいかないが、それに近いくらいの場所なので、受けても良さそうだ。目的地も村ではなく町なので、補給や観光も出来る。


 「商団って、商人の合同なの?」


 「いや、大手の商会だけだ。そこの商人18人が馬車6台で行くみてぇだな」


 「大手かぁ。ランクは?」


 「Cだ」


 Cランクならば僕達も問題無く受けられる。それにしても多いな。募集人数も多いのかな?


 「募集人数とかパーティーは?」


 護衛依頼の規模が大きい場合、比例して募集人数も多くなる。この場合は、どのくらいだろう?6〜8パーティーくらいかな?てことは、30〜40人くらい?かなり多そうだ。


 「パーティー数の上限は特に無かったが、人数は40人だったぜ。ああ、パーティーのみっつう受注条件はあったか」


 「人数は予想通りか。ソロはダメなんだな」


 連携が取りにくくなるからかな?


 「パーティーとソロの間で連携しにくくなるからな。小規模の護衛依頼ならソロでも受けられるが、大きいのは絶対パーティーのみにしてんぞ」


 合ってた。やっぱりそうなのか。まぁ気持ちはわかるな。


 他の冒険者と合同で依頼を受けたりする場合、パーティーならば連携が取れる4〜6人が一塊になるため、リーダー間での情報共有や決定した連携で大きく動く事が出来る。対してソロはその辺がやりにくい。


 1人での行動を基本としているため、集団での行動や連携が得意でなかったりするのだ。


 じゃあどうにかしようと中途半端にパーティーにソロ冒険者を組み込んでも、既存の連携が乱れ、戦力が落ちる。かと言って組み込まずにソロのままにしておけば、護衛全体の連携が取れず、護衛に穴が生まれかねない。大規模護衛でそんな事になると、護衛対象を守りきれなくなる。故に小規模護衛以外では、パーティーのみが基本なのだった。


 「なるほどなぁ。あ、そうだ。依頼者はなんて商会?」


 大手っていうのはどんな商会だろう?この町にもその商会の店とかあるよな?ここに来てから行った事あるかな?


 依頼を見てきたグレンに、何の気無しに聞いてみた。


 「モッサリヤン商会だ」


 ん?


 「モッサ、え?なんて?」


 聞き間違いかな?


 「だから、モッサリヤン商会だ」


 僕の耳は正常だった。あと頭も。


 「ふざけてる?」


 「ふざけてねぇよ!本当だ!」


 語気を強めて否定された。どうやら本当らしい。モッサリヤン商会なるところの店って行った事あったかな?ああ、別に店に商会名を出したりはしてないか。どんな商会だ?育毛剤とかカツラ?


 「モッサリヤン商会は、知ってますよ」


 アホな事を考えていると、ルチルが知ってると言い出した。


 「アクエリアスで5本の指に入るくらいの商会ですね。食品や工芸、武具に魔道具と結構手広く扱ってますよ」


 「へぇー。本当に凄い商会なんだぁ。頭髪系の大手商会かと思った」


 メイの反応に僕も頷く。僕も思ったよ。


 「どんな商会かは後にしろ。とりあえずどうすんだ?受けんのか?受けんなら出発は5日後だぞ」


 モッサリヤンなる商会について、僕とメイとルチルで話していると、痺れを切らしたグレンが確認してきた。


 「あ、ごめん。僕は受けるでいいよ。2人は?」


 名前は変わっているが、大手商会ならば依頼者としての信用度が高い。受けても問題無いだろう。


 「私もいいよ」


 「私も大丈夫です」


 「みゃん」


 メイとルチルも受注に了承する。ルーチェには聞いてないのだが、声からするに『いいよ』と言っているのだろう。


 パーティーメンバー全員が、受注に賛成する。グレンはこくりと1つ頷くと、受付の方へ振り返る。


 「そんじゃ受けに行くぞ。まだ募集は埋まってねえだろうが、早い方がいいからな」


 「そうだな」


 流石にまだ掲示板に張り出されていないが依頼者は大手商会だ。出た瞬間に募集が埋まる可能性も無いとは言えない。なのでさっさと受けてしまった方がいい。


 グレンの後に付いていきながら、僕らは、準備に何がいるか、護衛はどういう風なのかなどを話し合った。


 初めての護衛依頼だ。出発はまだ先だが、早くもドキドキしてきた。

転んで膝を強打した上に、手のひらを擦りむきました。

その直後に貧血で倒れました。

良くない日でした。


あ、膝腫れてる・・・


また明後日。

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