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レゾンデートル  作者: 星街海音
聖人と聖女と聖剣
195/251

194 この冬の目的

祝20000PV!!

見に来てくださっている方々、本当にありがとうございます!


宜しければ、評価、ブックマーク、いいねをして頂けると嬉しいです。


 デートをしてから五日後、宿で朝食を済ませたナイン達は、クリアマリンの冒険者ギルドに向かっていた。


 この五日間は、かなりまったり過ごした。


 全員で町の観光をしたり、浜辺に行って遊んだり、時には宿の部屋でゆっくりなど中々に楽しめた。


 「装備一新で気分が良いよ!」


 頭の上にルーチェを乗せたメイが、ニコニコと機嫌良く歩いている。


 五日間の間に防具屋へ行き、製作依頼をしていたメイ用のレッサーキマイラ製防具も受け取っていた。今の彼女は防具を着けている。僕のアクアタイガー製の防具と同じように、ジャケットとブーツ、グローブだ。


 それからデートの時にお揃いで買った戦闘用の服も着ている。もちろん僕も着ている。ちょっと恥ずかしいが、通気性がいいのでかなり快適だ。


 「機嫌が良いのはわかるが、ルーチェ落とすなよ」


 新装備な上にお揃いだからか、かなり機嫌が良い。スキップ気味に歩いているせいで頭の上のルーチェが上下に揺れている。


 「大丈夫だよ!ね!ルーチェ!」


 「んにゃ!」


 なんか、大丈夫じゃない!って言っている気がしたんだけど、気のせいかな?まぁ怒られるのはメイだからいっか。


 歩きながら振り返り、後ろを歩くグレンに話しかける。


 「グレンはこの数日の間にギルドに行ったのか?」


 「1回な。どんな依頼があんのか確認しただけだけどよ」


 「面白いのあった?」


 「面白いって何だよ。まぁこの地域特有の魔物とか採取物を見んのは面白かったぜ」


 アクアタイガーとかな。と全く面白くない名前を出してきた。今は僕の防具になっており、沢山お世話になっているが、正直通常個体であろうと当分は戦いたくない。


 視線をずらし、グレンの横を歩くルチルに声をかける。


 「ルチルはギルドに行った?」


 「いえ、私は行ってないです。クリアマリンには何度か来ているので、依頼の大体の傾向は知ってますから」


 町毎に依頼の傾向というのは決まっている。森が近ければ薬草採取の依頼が多く、山が近ければ採掘関係の依頼が多い。港町なんかだと、都へ向かう商人の護衛が多かったりする。あとは、別大陸行きの船の護衛だったりもある。


 僕はまだこの町のギルドには行っていないので、どんな依頼があるのかは知らない。なので少しだけ楽しみだ。


 そうして4人と1匹でわいわい話していると、いつの間にか冒険者ギルドに到着した。


 「おおー、人が多い」


 「港町だからね。それに冬前だし」


 ギルド内に入るとかなり人が多かった。地元の冒険者と、暖かい地域で冬を過ごそうと考えた冒険者が同時にいるからだろう。それに冒険者じゃない人もまた、それなりにいた。おそらく依頼をしにきた人達なのだろう。商人とかかな?


 人でごった返すギルド内を掻き分け、ナイン達は真っ直ぐに依頼が貼り出されている掲示板へと向かう。ギルドの構造は全て共通なので、混んでいてもどこに何があるのか迷う事は無い。なのでこういう混んでる時は凄く助かる。


 「盗賊討伐か護衛依頼だっけか?」


 「そうだよ」


 掲示板の前に着き、受けようと思っている依頼をメイに確認する。


 今回探しているのは、今言ったように盗賊討伐か護衛依頼だ。理由は、浜辺でメイにも言われた通り冒険者ランクを上げるためである。


 あの後、宿に戻ってからランクアップについてグレンとルチルに教えてもらった。


 冒険者ランクをDからCに上げるためには、盗賊討伐が必須となっている。


 何故こんな条件があるのかというと、人間との戦闘で相手を殺すという選択肢が無い者は、自身だけじゃなく仲間すら死なせかねないからだ。


 殺す気が無い、殺そうとしない、そう相手に気付かれた時点でこちらは不利になってしまう。逆もまた然りだ。


 それ故に、ランクアップの条件として、人を殺す経験が積めるよう盗賊という犯罪者を利用している。


 「盗賊討伐・・・、見つからないなぁ。護衛依頼も無いや」


 「魔物討伐とか薬草系の採取ばっかりだね」


 僕とメイでDランク用の依頼掲示板を食い入るように見つめる。グレンとルチルは隣にあるCランク用の依頼掲示板を確認中だ。


 盗賊討伐だけじゃなく、護衛依頼も一緒に探している理由は、ランクアップ用のギルド評価を稼ぐためだ。護衛依頼は、難しい部類の依頼なので、その分成功した時のギルド評価が高く設定されているらしい。


 冒険者ランクをアップさせるには、条件である盗賊討伐も大事だが、ギルド評価も大事だ。どっちかだけではランクアップは出来ない。


 僕とメイは、アルメガ地方では討伐や採取ばかりしかしていないので、護衛依頼などで評価を稼いでおきたいのだ。


 それとどうせ町を出て移動するなら、ついでに依頼を受けた方が得だからというのもある。旅の自由度は下がるが、そこは我慢だ。


 「王都に着くまでには、Cランクになっときたいなぁ」


 「そうだねぇ。じゃないと入場すら出来ないしね」


 掲示板に貼られた大量の依頼から目当てのものを探しながら、ナインとメイは先の話をする。


 入場とは、王都へ入るという意味ではない。


 その先である、Aランクダンジョンへの入場の事だ。


 「まぁ王都までは、まだまだ時間がかかるから大丈夫だとは思うけどさ。それでも大変だよね」


 「ナインはまだいいじゃん。私なんてEランクだよ?2つも上げなきゃいけないんだから大変なんてもんじゃないよ」


 視線は掲示板に向いたまま、2人揃ってぶーぶーと文句を垂れる。


 この冬の目的として、ナイン達はアクエリアスの王都から少し離れたところにある、Aランクダンジョンに入ろうと決めていた。


 だが決めたはいいものの、問題があった。


 ランク制限である。


 Aランクダンジョンに入るには、最低でもCランクじゃないと入場出来ないのだ。


 制限がある理由は単純で、Cランク以下だと1階で死にかねないからだった。


 ダンジョンは全20階層あり、1階からCランク魔物が現れる。というかCランク以下の魔物は出ない。10階付近でBランク魔物がちらほら現れ、15階になるとAランク魔物すら現れる。ボスはAランク最上位とのことだ。


 このように、1階からCランク魔物が現れるため、魔物より下のランクの冒険者は入場が許可されないようになっているのだ。


 ちなみにパーティーを組んでる場合は、パーティー内の全員がCランク以上じゃないといけない。


 僕達のランクは、グレンとルチルがCランクで僕がDランク、メイはEランクだ。


 これではダンジョンに入る事が出来ない。


 だからランク上げをするのだ。


 「難度の高いダンジョンだから、仕方ないと言えば仕方ないんだけどな」


 「うん、まぁそうだね。Cランクの魔物はまだいいけど、B以上は頭もいいから厄介さが増えるからね」


 食い入るように掲示板を見つめるナインの目に、一枚の依頼書が止まる。


 「あ!盗賊討伐あった!」


 「本当!?規模は?」


 隣で別の依頼を見ていたメイが、すぐさま盗賊の規模を聞いて来た。


 「えっと生死不問、マリスラ街道中間・・・。規模は、えーと・・・、お!6人から10人だってさ」


 掲示板から依頼を剥し、書かれている内容を読み上げるとメイにも見せる。


 「ふむふむ、Dランク依頼だから私達4人なら問題無いね。最終目撃地点はマリスラ街道中間・・・、どこ?」

 

 依頼書に記載されている目撃地点がどこかわからず、メイは首を傾げた。同じく場所がわからないナインも彼女の横で首を傾げる


 「クリアマリンとミスラ村の中間ですね。ここから2日ほど街道を行ったところですよ」


 すると、いつの間にやら近くに来ていたルチルが場所を教えてくれた。


「距離もそんなに離れてねぇな。これ受けようぜ」


 一緒に来ていたグレンが、受けようと提案する。


 全員が揃った事により、改めて依頼内容を確認する。そして全会一致で受注が決定した。


 「じゃあリーダー、手続きお願いね」


 「はいよ」


 依頼書をパーティーリーダーであるグレンへと渡し、彼を先頭にしてカウンターへと向かう。


 片道2日の依頼だ。さて、何日かかるかな?準備はしっかりしないといけないだろう。


 カウンターで受注手続きを行うグレンを他所に、ナインとメイとルチルは、あれが必要だこれが必要だと遠征の計画を立てていった。

雨すっごいですね。

0から一気に100みたいな降り方してますね。

お店出るまで降ってなかったのに

出た瞬間100はやめて。

流石に傘が間に合いません。


また明後日。

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