表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
レゾンデートル  作者: 星街海音
聖人と聖女と聖剣
190/251

189 宿とBランク

宜しければ、評価、ブックマーク、いいねをして頂けると嬉しいです。


 「これは?これならサイズ的にギリギリ大丈夫じゃない?」


 ベッドの上に置かれた服の中から、ナインは少しだけダボついた薄茶色のズボンを手に取る。それを見たメイとルチルは、「うーん」と唸なると首を捻った。


 あれから宿を何軒か回り、値段と設備が良さげな宿の部屋を取った。今回も四人で一部屋だ。


 カルヴァースの宿と似た作りの部屋で、小キッチンが付いたリビングに、ベッドルームが二つある。宿泊料は一泊5万トリア。前回泊まったところよりも、1万トリア高くなった。とはいえ前回の宿とは違い、高くなった分この宿では朝夕の食事が付いている。


 だが、この宿に決めた理由は、食事が付いてくるからではない。


 何とこの宿、温泉があるのだ。


 朝六時から夜十時の間ならいつでも利用でき、利用料金も宿泊料に含まれているため、追加でお金がかかることもない。


 これはもうここで決まりだろう。と、受付で説明を聞いた瞬間にナイン達は即決したのだった。


 現在、ナインとメイとルチルは、彼女達のベッドルームでメイの着替えを手伝っていた。


 服選びなんてルチルに任せればいいし、着替えに手伝いはいらんだろう、と思ったのだが、メイにゴリ押された。面倒くさ・・・


 ちなみに部屋割りをする際、メイが遠慮がちに「できればナインと同室がいい」と言いだした。だが僕とメイで一部屋使うと、グレンとルチルが同室になってしまう。流石にそれはダメだろうという事で、わかりやすく男女で分けた。その際、グレンが気を遣って「俺はソファーでもいいぞ」と言ってくれたが、僕が却下した。絶対疲れが残るからな。


 「可愛くない」


 ナインが持つズボンに、メイが文句を垂れる。


 「自分で買ったんだろ」


 「安かったんだもん」


 「・・・そうですか」


 何とも言えない表情を浮かべるナイン。


 前に服を買った時は、あまりお金が無かった。故に、安いものから選ぶしかなかったのだろう。甲斐性が無くてすまぬ。


 とはいえ、早く選んでくれなければ外に出られない。こうしている間にも、時間がどんどん減っていく。


 「でもサイズが問題無いのはこれしかないだろ?いいからこれにしとけ。観光する時間無くなるぞ」


 「むぅ、わかった」


 渋々といった表情を浮かべたメイは、ズボンを受け取った。


 「とりあえず、外に出たら今日明日の分だけでも買いましょうか。可愛いのは、明日のデートで買えばいいんですよ。ナインさんが選んでくれますよ」


 成長した体に、まだ完全には慣れていないのか、ヨタヨタとしながらズボンを履くメイ。そんな彼女にルチルがフォローを入れる。僕が出汁にされてるが、服屋に行けばどうせそうなるのだろうとわかっているので、口は挟まない。


「そうだね!じゃ、じゃあ、下着も選ん「それは無しだ。自分で選べ」・・・はい」


 流石にこれには口を挟んだ。メイの横ではルチルが苦笑いを浮かべている。勘弁してくれ。13歳くらいの少女の下着選びとか、拷問だろ。君、船でのトイレとかさっきのキスとか、ちょっとタガが外れてないか?


 一瞬、兄妹だったら大丈夫なのか?とも考えたが、普通に大丈夫ではなかった。いや、いるだろうが、それはちょっと特殊だろう。


 「うぐぐ・・・、いいじゃんか下着くらい」


 「下着くらい・・・では無いと思いますよ」


 ぶーぶー文句を垂れながらもズボンを履き終えたメイは、これまたダボっとした薄黄色のシャツを手に取り、ささっと着替える。


 「うーん、やっぱり可愛くないなぁ」


 「色が淡すぎるんですね。町に出たらもう少し濃い色のを買いましょうか」


 「服屋も知ってるの?」


 「はい。近くにありますよ」


 どうやら宿を出て一番に向かうのは、服屋なようだ。


 ナインとしては、先に防具屋に行ってマジックバッグの強化をしたいのだが、まぁその後でもいいかと思い直す。容量にはまだ余裕がある。いっぱいになりそうになったら、ルチルに頼めば大丈夫だろう。


 一応マジックバッグ以外にも、レッサーキマイラを使ったメイの防具を作る予定があった。こちらも、作製依頼をするだけなので、そこまで時間はかからない。後にしても大丈夫なはずだ。


 メイの着替えを終えたナイン達は、ベッドルームを出てリビングへと戻る。


 「終わったのか?」


 ソファーに座って休んでいたグレンが、声をかけてきた。


 「とりあえずはね。この後服屋に行くらしいよ」


 「明日じゃねぇのか?」


 「今日明日の分だけだってさ」


 チラリとメイの格好を見たグレンは「ああ、なるほど」と納得する。


 「んじゃ行くか。服屋の後は防具屋でいいのか?」


 立ち上がったグレンが、予定を確認してきた。


 「それで大丈夫。その後は適当にぶらつく感じだね。あ、待った」


 「あ?どうした?」


 グレンの言葉に頷いていたナインは、急に待ったをかけた。何かあったか?とグレンが首を首を捻る。


 「メイのステータス確認するの忘れてた」


 「ああ、そういやそうだな」


 宿に行ったら確認しようと思っていたのだが、すぐに着替えで連れて行かれたため、すっかり忘れていた。


 正直、これも後でやればいい事なのだが、全員が気になっているので先に確認する事にしていた。


 「メイ」


 「はいはーい。ステータス」


 後ろにいたメイに声をかけると、彼女はすぐにステータスを開いた。


 シュンッ、と現れたステータス画面へ、ナインとメイが視線を向ける。


 普通は他人のステータスを見ることは出来ないが、僕とメイの魂は、僕の中にある魔石の中に存在している。そして魂自体も繋がっている。その為、お互いのステータスが確認できるのだ。見れないグレンとルチルは、ソファーに座って待つようだった。




メイ・ウォーカー

Lv.60

HP:1280/1280

MP:100308/100308

AP:1220/1220


ジョブ:長剣士Lv.20


EXP:***/***


STR:130+15+15

VIT:106

DEX:109+13

AGI:117+14+15

MGI:128


SP:359


エクストラスキル

<念力Lv.20><***><***>


スキル

<長剣ⅡLv.10><双剣ⅡLv.10><投擲ⅡLv.30><魔力統制Lv.10><姿勢制御Lv.30><縮地Lv.10><鑑定ⅡLv.30><気配感知Lv.30><高速思考Lv.10><MP回復UPⅡLv.30>




 「あ、制限が結構解除されてる」


 表示されたステータスに、ナインがあまりの驚きに言葉を失っていると、隣に立つメイは、素直にステータスの制限解除に喜んでいた。


 ふむふむ、と自身のステータスを確認するメイを横目に、ナインは改めて上から確認していった。


 (レベル60はBランクだからか。確か51から70がBって言ってたな。ジョブは・・・、長剣士のレベル20か。ステータスが高いな。プラス表記は、長剣士のステータス上昇効果とアクセサリーの効果か。んでもってスキルなんだが・・・)


 上から順に確認していったナインは、とある名称で視線を止めた。止めた箇所が、ナインが驚きで言葉を失った原因だった。


 (というかこれ、なんだ?)


 名称の意味がわからない訳ではない。どんな感じなのかがわからないのだ。なので、今もステータスの確認をしているメイに、素直に聞く事にした。


 「なぁメイ。この<念力>っていうエクストラスキル。どんなスキル何だ?」

ふと気になり、家にあるブランケットの枚数を数えました。

6枚もありました。

2枚くらいで十分ですね。


また明日。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ