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レゾンデートル  作者: 星街海音
第二章 海町は明日を願う
146/251

145 2階ホール

第二章が6月中に終わる予定でしたが、

残り日数を考えるとこのままじゃ終わらない・・・。


なので予定通りになるよう、第二章が終わる6月30日まで毎日更新に変更します。


よろしくお願いします。


 「確かに怪しいね。じゃあそこの階段から2階に上がってみようか。」


 エントランスの左右にある階段の左側を指差す。左を選んだ理由は特に無い。強いて言えば近いのがそっちだった。


 「おお・・・、言っちゃ悪いけど邪魔だな。」


 登っている途中、階段を塞ぐように横向きに倒れる軽装の男性がいた。うつ伏せの状態で2段使っているので、正直かなり邪魔だ。


 というかこの人は普通の格好だな。小間使いが何かか?


 「おいナイン、踏むなよ。」


 「踏むわけないじゃん。・・・ルチル、踏んじゃダメだよ。」


 「・・・フリですか?」


 「「・・・。」」


 「えぇー、何か言ってくださいよ。」


 緊張感の無い会話を交わしつつ、男性を避けて階段登る。


 かなり緩んだ状態だが、おそらくもうすぐ魔人と戦闘になる。なので下手に緊張して余裕が無くなるよりは、このくらいの方がいい。


 エントランスの2階まで上がると、それまで感じられなかった気配が離れた場所に感じられた。


 「遮断結界内に入ったからかな?気配するね。」


 現在いる入り口付近のエントランスからさらに東。領主館の中心から少し奥から抑える気の無い気配が3つあった。


 「こりゃ間違い無えだろ。3つの内の1つはさっきのリアンヌっつう奴の気配だ。」


 「残りの内の1人はナインさんが言ってたグラベルって魔人でしょうか?」


 「たぶんそうじゃねえか?リアンヌより強そうな気配した奴が1人いるし。」


 「よくわかるね・・・。」


 僕にはわからん。修行と経験不足だ。


 一生懸命に判別を試みるが、違いが全くと言っていいほどわからない。グレン達はどこで判別しているのかと、ナインは頭を悩ませる。


 「道は・・・、ああここを真っ直ぐか。」


 「あの大きな扉の先ですね。」


 そんなナインを放置し、グレンとルチルがさっさと魔人らしき気配までのルートを見つけた。


 慌ててナインも確認する。


 「本当に大きいな。扉のサイズからして、かなり広い部屋になってそうだね。」


 両開きの作りをした縦3メートル、横2メートルもある大きな扉が2階エントランスからの通路の奥にあった。


 「たぶんホールだな。」


 「ホール?」


 「パーティーとかで使うやつだ。」


 なるほど。記憶には無いが知識にはあるな。やはりかなり広そうだ。まあそれはそれとして・・・。


 「・・・待ち構えてるよね?」


 ナイン達が感知した気配はこの先のホールの、その中央付近から感じられる。もしかしたらそこで何かをしているのかもしれないが、たぶん違うだろう。ナイン達が近くにいる事は相手側も察知しているはずだ。まず間違い無く、僕たちを待ち伏せている。


 「だろうな。まあつっても行くしかねえんだけどよ。」


 そう言ってグレンは肩をすくめる。


 僕たちは起動装置の場所を知らない。魔人を避けて探せば見つかるかもしれないが、魔人達がそれを許す事は無いだろう。場合によってはこちらが探していることに気付いて、起爆を開始してくるかもしれない。


 だから、正面からになるがどうしたって行くしかない。


 行って打ち倒し、それから探すしかない。


 「そうだな。」


 グレンの言葉にナインが深く頷く。


 「メイさんがいないですけど作戦、というか方針は決めていたのでいいんですよね?」


 ルチルが魔人戦での方針について確認してきた。


 方針自体は、潜入開始までの3日間で決めている。


 「ナインの負担がでけえが問題無えだろ。」


 「ああ、大丈夫。」


 メイが離れていることで僕にかかる負担がかなり大きくなるが、仕方ない。それでもやるだけだ。


 「わかりました。じゃあとくに準備も必要ありませんし、行きましょうか。」


 ホールの扉に向かって歩を進め出すナイン達。たいした距離でも無いので、数十秒で扉の前に到着した。


 中に入るにあたり、僕が先頭となる。まぁこれはいつも通りだ。壁役というやつだな。


 「開けるぞ?」


 「おう。」


 「はい。」


 2人の返事を聞き、扉に手をかけると力を入れて一気に開け放つ。


 軋む音すら立てず緩やかに扉が開き、ホール内の光景が視界に入る。


 気配感知通り、ホール中央に何者かが3人立っているのが見えた。


 真ん中と右の人物は初めて見るが、左側に立つ者は先ほど自己紹介までしてくれた魔人リアンヌその人だ。見たばかりだというのもあるが、あのニヤついた顔を忘れる事は無い。


 開け放たれた扉からホール内へとナイン達が足を踏み出そうした時、中央に立つ魔人が口を開いた。


 「来たか。」

宜しければ、評価、ブックマーク、いいねをして頂けると嬉しいです。


また明日。

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