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レゾンデートル  作者: 星街海音
序章
13/251

012 対岸と夜

本日2話目。


 「先に進むか。」


 『そうだね。ついでに何か食べれそうな物を集めて進もうか。』


 僕もその予定で進む予定だ。

果物とかないだろか?


 「だなぁ。ちなみにこの森って果物とかなってるのか?」


 住んでいた人がいるので実際に聞いてみる。

情報があれば探しやすくなるから。


 『赤い実のリンゴっていう果物がたまに木になってるよ。』


 おおー。

聞いてみるものだ。

赤い実ね。目立つし探しやすそうだ。


 特徴を聞いてさっそく周りに目を凝らす。


 『湖の近くには生えてないよ。もう少し中に入らなきゃ。』


 なるほど。

なら進みながら探すとしようか。


 とりあえず周りに気をつけながら、対岸に向けて歩を進める。


 あ、そういえば。


 「そういえば、さっきステータス開いた時に思い出したんだけどさ。」


 『なんだい?』


 最初にステータスを見た時におかしい部分があった。

聞こうと思ってたが色々あって忘れていた。


 「僕のMPの数値・・・おかしくない?」


 三千二百万くらいあるんだけど?

HP百くらいしかないのにどう考えても変だ。


 『今更だね・・・。気にしてないのかと思ったよ。』


 メイに呆れたような声で言われてしまった。


 「色々ありすぎて忘れてました・・・。」


 気にしてないわけではない。

気になることがあり過ぎただけだ。


 『まぁいっぱい説明したからね。それでMPが多い理由だけど、魔石のランクが高いからだよ。』


 言い訳を理解してくれたようだ。


 「魔石のランクって?」


 等級みたいなのがあるみたいだ。


 『魔石にはランクがあって、FからA、その上にS、SS、SSS、最上級のXっていうのがあるの。ちなみに魔物の強さも同じランクで表されてるよ。』


 ざっくりとだがメイが教えてくれた。

かなりランクの幅があるようだ。

魔物も同じということは、上の方はヤバい強さなのだろう。


 『例えばだけど、炎の魔石のAランクが欲しいなら、炎属性のAランクの魔物を倒さないと手に入らない。って感じだね。』


 「なるほどなぁ。それでランクがかなり高いって言ってたけど、どのくらいなんだ?」


 かなりってことはSとかかな?

そうだったら凄まじいな。

Sランクの魔物とか想像もつかないけど。






 『・・・Xだよ。』


 気軽に考えながら聞いた僕に、メイは少し言いにくそうにランクを明かした。


 「は?」


 驚き過ぎて足が止まる。


 X?最上級の?嘘だろ?一番上?


 「・・・マジでX?」


 正直それしか言えなかった。

どう反応していいかまったくわからない。


 『うん。』


 メイがしっかりと肯定してくる。

聞き間違いではないようだ。


 メイ、君は・・・。


 「本当に、何者なんだ・・・?」


 怖いわけではない。

ただあまりの情報に困惑しているだけだ。

だから聞いてしまった。


 『・・・まだ、話せないかな。ナインがこの世界のことを色々知ったらね。』


 今度は最初のように、話しても意味がないから、などとは言わなかった。


 まだ、か。


 「わかった。話してもいい、と思った時に教えてくれ。」


 これでいい。


 『・・・ごめんね。』


 「大丈夫だ。どうせずっと一緒なんだ。いつかわかるだろ。」


 同じ魔石に宿る運命共同体なのだ。

この先も一緒なのだからいつかわかる。

それで問題ない。


 『ありがとう。』


 メイの嬉しそうな声に返事は返さず、僕は止めてしまった足を動かし、先に進んだ。












 魔石の話から約三時間。

道中、世間話をしたり、また現れたオオカミを倒したり、リンゴを見つけて採取したりしながらも着実に前に進んでいた。


 だが周囲は少し暗くなってしまった。

そろそろ野営の準備をしなければすぐに真っ暗になってしまう。


 急いで周囲を見回して休めそうな所を探す。

が、結局どこを見ても森なのでそんな場所は無さそうだ。


 「来る途中も同じような景色だったから、野営に適した場所なんて無いよな。」


 もしかしたらと期待を込めてメイに尋ねる。


 『ないねぇ。出るまでずっと同じような森だよ。』


 「だよねぇ。」


 予想通りだったので落ち込むこともない。


 やっぱりそうだよなぁ。

もうこの辺でいいんじゃないかな?

どこでも同じなんだし。


 「もうここで野営でいいかな?」


 一応ほぼ決定みたいなものだが、メイに聞いておく。


 『いいんじゃない?この森の生き物なら火を焚いてれば近づいてこないし、もし近づいてきてもどうせまたオオカミだよ。』


 オオカミくらいなら大丈夫だろう。

さっきまた戦ったけど、武器があるとかなり楽だった。

というか一発だった。


 「よし!じゃあ枝とか集めてここで夜を明かすとしようか。」

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