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レゾンデートル  作者: 星街海音
序章
11/251

010 湖の畔で

本日の2話目です。


こんな感じで進んでいきます。


1/18

※髪が長い理由について一部修正しました。


 服や荷物の話から十五分後。

ようやく湖に到着した。


 「結構大きいな。」


 メイは大きくないと言っていたが、僕にとっては十分大きかった。

対岸が微かに見えるくらいだ。


 『そう?まぁこの先色々な湖を見たら小さく感じるよ。』


 メイからなにやら旅の先輩としての雰囲気を感じる。


 色々見てきたのは素直に羨ましい。


 『それじゃあ体を洗って、それから湖沿いを対岸の方まで行こうか。』


 確かに進行方向は対岸側なのでそうした方がいいだろう。


 「了解。ささっと洗うよ。」


 移動を開始してからもうすぐ三時間が経つ。

気づいたらもう暗くなってましたでは大変だ。


 返事をした僕は急いで湖に入り、これまた急いで体を洗う。


 「あー。さっぱりするなぁ。」


 三時間程とはいえ森を歩けば流石に汚れるし汗もかく。

 今の時期は知らないが、冷たすぎない水は汚れと疲れをとるのには抜群だった。


 そうして体を洗い終え、陸地に向かっているとき。ふと水に映る自分の姿が目に入った。


 見た目は肌が白くて目の赤い、普通の青年といった具合だ。


 ただ、目覚めた時にも思ったけど、長くて真っ白な髪だな。


 なんでこんな髪なのだろう?と疑問に思いながら陸に上がり、知っていそうな人に聞いてみることにした。


 「なぁ、メイ。なんで僕の髪ってこんなに長くて真っ白なんだ?」


 すごい目立つんだよなぁ。


 『あぁ、それはね。たぶんだけど長い理由は、肉体が完成したのが目覚めるより数年くらい早かったからじゃないかな。だからその間に髪が伸びたんだよ。』


 そういうことか。

そりゃ数年あったら髪もこれだけ伸びるな。

爪は伸びてないんだな。


 『髪が白い理由は、私たちの魔石が無属性の魔石だからだよ。無属性はその名前の通り属性が無いの。つまり純粋な魔力なんだけど、属性が無いってことは何も混ざってないってことでもあって、魔石自体にも色が無くて半透明なの。』


 僕たちの魔石は無属性で、属性が無いから色が存在しないと。

ふむ、なるほど。


 『そしてその魔石の魔力で肉体を作っているから、魔石と魔力の特徴と同じように、ナインの肉体にも色が無いの。髪の毛も白くみえるけど、よく見たら半透明なんだよ。』


 そうなのか?


半透明と言われて髪の毛持ち上げ顔の前に持ってくる。


 うーん、わからない。

陽の光でキラキラしてて全然わからないや。


 それでも理由がわかってよかった。

そしてこの色はどうしようもないということもわかった。


 「なるほどなぁ。目の色が赤い理由は?」


 おそらくこれも同じ理由だろうと当たりをつけて質問する。


 『それも無属性の影響だよ。目って色が無いと赤くなるみたいだよ。』


 やっぱりそうだったか。

まぁ予想通りだな。


 「よくわかったよ、ありがとう。さて休憩はこの辺にして先に進むとしますか。」


 『そうだね。まだまだ距離もあるしね。』


 そう。街までまだまだあるのだ。

あまりゆっくりしてたら一日で着けなくなってしまう。


 気合いを入れ直し、まずは対岸に向けて湖沿いを歩き始めた。











 三十分程かけて、対岸まで半分のところまでやってきた。


 歩きながら周囲を見渡して何かないかと探しているが、とくにこれと言ったものは見当たらない。

せいぜい見つかるのは湖で水を飲む小動物くらいである。


 やっぱり何も無いよなぁ。


 『あ!ナイン見て!あの右側にある木の根元!』


 残念。と思いながらぽてぽて歩いていると、メイがいきなりテンションを高くして僕に何かを伝えてきた。


 え?・・・まさか!?


 僕はすぐさま視線を右側に集中する。


 右側・・・。右側・・・。


 あっ!!


 「あれか!?」


 木の根元に何かがある。

さらによく見てみると、根元の周辺に何かが散らばっていた。


 「よっしゃあ!!」


 元気いっぱいになった僕は、すぐにその何かに向けて走りだす。

一応気配察知を意識しておくことを忘れない。


 とくに何かに遭遇することもなく根元に到着すると、落ちているものをしっかり確認する。


 布と皮の袋があった。


 「きたきたきたきた!!」

また明日。

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