耳を劈く悲鳴
―今日もあちこちから聴こえる。
どんなに耳を塞いでも聴こえてくる悲鳴、悲鳴、悲鳴。
闇の中、背中を丸めて、やり過ごす。
―この悲鳴は聴こえる人間と聴こえない人間がいる。
最初は驚いた。恐怖だった。
だが、段々と慣れ、いまは、平然と聴き流せるようになった。
それでも時々耐えきれなくなり、耳を塞ぐ。
これは何なんだろう?
これは恐らく―生物たちの―地球の悲鳴。
悲しいな、と思う。
やがて、この悲鳴が聴こえなくなる日が来る。
それは終焉の時だ…。
今日も流れ込む、悲鳴、悲鳴、悲鳴。
ある意味で<世界が躍動>している証拠かもしれない。
―悲鳴、悲鳴、悲鳴…。